「あくなき完璧主義者」
1849年29歳のブラームスはウイーンへ拠点を移しました。
弦楽五重奏曲を書きましたが、友人の評価は“地味”“無愛想”と芳しくありません。
そこで縁走行可能ある2台のピアノ曲へと作り変えました。
クララ・シューマンは、自ら演奏し
「この楽想はオーケストラにちりばめる事が出来そうな作品ですね」と評しました。
クララから更なる可能性を指摘され、ピアノ五重奏曲に書き上げる決意をするブラームスでした。
ヨーロッパでは鉄道網が急速に発達し、各地で演奏会を開きました。
知り合う多くの芸術家の助言に、大きな刺激を受けて様々な発想を得ます。
あくなき好奇心と完璧主義がブラームスの作品を高めていきました。
今日の曲は
「ピアノ五重奏曲ヘ短調」
第一楽章
↑岡田さんの弾くブラームスはとても格好良いです。あの細身の体からしっかりとした重音がどうやって出るのでしょうか??
2年かけて作った作品。
ブラームスの室内楽の中でも頂点をなす力作。
第1バイオリン・第2バイオリン・ビオラ・チェロが華麗に歌います。
クララは2台のピアノ版と比較して
「まるでオーケストラのようです」と完成度が高まった事に感激しました。
1866年ライプチヒで初演され、ドイツ・オーストリア・フランスでも演奏され好評を得ました。
この曲の元になった弦楽五重奏版の楽譜は残っていません。
ブラームスは気にいらない楽譜はすべて破棄しました。
「アイデアが浮かんだら散歩しなさい。完璧だと思っていたものがまだ未熟だったと気づくはずだ」
「ペンは書くためではなく消すためにあるのだ」
ブラームスの姿勢を表す言葉を残しています。
ブラームスの曲はオーケストラ曲をピアノ版にしたものも多く存在します。
私のレッスン曲“ハンガリア舞曲”もそのうちの一つだと聞いています。
ここはコントラバス、ここはバイオリン・・そう思いながら弾いてみるのも良いかもしれませんね。
各楽器がそれぞれ音楽的におとを出してくれるにはまだまだ時間が掛かりそうですが
ブラームスの曲の楽しみの一つともいえると思います。
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