「ピアノはオーケストラだ」
リストのコンサートを伝える新聞記事には
「感激して深く息をつく聴衆はみな喝采のどよめきをもはや抑えることができない」と書かれていました。
ピアノ1台で、千人以上の聴衆を熱狂させた初めてのアーティスト。
スーパーテクニックを駆使してオペラの曲でも交響曲でも、なんでもピアノ曲にしてしまいます。
ロッシーニの「ウィリアムテル序曲」、ベートーヴェンの「交響曲第6番田園」、シューベルトの歌曲「アヴェ・マリア」
締めくくりは自作の半音階的大ギャロップ。
聴衆はリストのピアノからありとあらゆる音楽を楽しめました。
28歳から1000回にも及ぶコンサートを開き、ヨーロッパ中を回りました。
オーケストラを一人で演じるリスト。
あまりの人気ぶりに1回のコンサートの報酬は今の1000万円を越えたといわれています。
「途方もない大成功、私は硬貨1万枚は持って帰れるだろう」
コンサートツアーを通じて、その土地土地で触れる音楽や文学が創作の泉となっていました。
旅の経験はリストの作風を更に幅広いものにしました。
今日の曲は
「巡礼の年」
第2年 「イタリア」ペトラルカのソネット第4番
リスト集(2)増補 フランク;プレリュード,コラールとフーガ/リスト;メフィスト・ワルツ第1番/ペトラルカのソ...
全4集25曲からなる曲集。
1837年から2年間滞在したイタリアでの体験から生まれました。
スイスとイタリア旅行の印象をピアノに託しました。
ダンテやラファエロ、ミケランジェロなどルネサンスの文学や絵画から強く影響を受けました。
「ペトラルカのソネット」は14世紀のイタリアの詩人ペトラルカの恋愛詩を元にしています。
「幸いなるかなあの美しい目に私は捉えられた」
「恋の矢は私の心を射抜いた」
「あなただけを思って外の誰にも寄せぬ私の思いよ」
--ペトラルカの叙情詩集より
この日のピアニストも青柳さんでした。
とても素敵な演奏でしたし、無駄な力が入っていない感じはリストと同じだ・・と感激しました。
どんな曲でも力を抜いて演奏できるようになれたら良いですね!
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