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カテゴリ:パワースポット
「閑さや 岩にしみ入 蝉の声」 この俳句が生まれたのはこの場所、山寺こと宝珠山立石寺(ほうじゅさん りっしゃくじ)。 俳人・松尾芭蕉のあまりにも有名なこの一句が詠まれたこの場所は絶景スポットでもありました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宝珠山立石寺は860年(貞観2年)に清和天皇の勅願により慈覚大師が開山した天台宗のお寺。 鎌倉時代には東北仏教界の中枢をなし山上山下300余りの寺坊に千余名の修行者が居住し盛況を極めました。 台風一過の青空の下、仙台から車を走らせ約1時間。 いろんなお土産屋さんをのぞきながら登山口までやってきました。 さあ、いざ出発!と石段を登り始めると、前回行った羽黒山の果てしない石段がふと脳裏を横切りました・・・。 いやいや、ここまで来て後戻りするわけにはいきません。 気を取り直して再度出発! 石段を登った上には立派なお寺がありました。 根本中堂です。 1356年(延文元年)に初代山形藩主により再建されたお堂です。 中では天台宗の総本山、比叡山延暦寺より移された法灯が千百余年たった今も灯されています。 道中の無事を祈願して、山門をくぐると右手に見えてきたのは「姥堂」。 ここから下は地獄、上は極楽という境目にあるこのお堂の中には鬼女にも似た姥の人形が道行く人を見つめています。 道中は深緑の景色に囲まれた階段が延々と続きます。 その数1015段。 といっても羽黒山のそれと比べると少なく、またいろいろな史蹟を見ながら進むとあっという間のことでした。 奇岩、杉並木の合間を通り抜け、すれ違う人たちと挨拶を交わしながら、軽く息を切らしつつ階段を登ると、小さな石碑が見えてきました。 かの松尾芭蕉があの名句をしたためた書を納めたとされる場所に建てられたせみ塚です。 松尾芭蕉がここを訪れたのは元禄2年(1689年)。 前日まで大荒れの天候だったためか、蝉の声こそ聞こえませんでしたが、静寂の中でじっと石碑を眺め、数百年前の世界を空想してみました。 そんなこんなで見えてきたのは仁王門。 嘉永元年(1848年)に再建された門で、左右には運慶の弟子の作と言われる仁王像が邪心を持つ者を睨みつけるかのように立っています。 仁王門をくぐり先に進むと、ついに見えてきました。 断崖絶壁にせり出すように建てられた建物、開山堂です。 順路で行くと開山堂は後回し。 はやる気持ちと格闘し、なんとか順路通り先に進むと最上義光公の御霊屋が現れました。 ここには山形城第11代当主最上義光公と11人の家臣の位牌が納められています。 そしてついに最上部、奥の院に到着! 向って左側の建物には高さ5mの金色の阿弥陀如来像、右には釈迦如来像を本尊としています。 この中で静かに座する釈迦如来像が、はるか麓の世界をじっと見つめ続けています。 釈迦如来、阿弥陀如来に手を合わせ拝んだ後、順路に沿って奥の院左にある小道へ。 看板を見ると三重塔があるそうです。 見渡す限りどこにもそれらしきものは見当たらないのですが・・・。 ありました! 三重の小塔です! アップでどうぞ。 中には小さいながらもとても精密に作られた三重塔が祭られています。 永正16年(1519年)に作られたそうです。 年代がピンとこないので、なんとなく調べてみたら、今川義元が生まれた年だそうです。 さあ、次は待ちに待った開山堂。 険しい斜面に沿って作られた小道を歩くと正面に見えてきました。 改めて、正面に見えるのが、開山堂。 そして向かって左の岩の上に建つのが納経堂です。 開山堂では、この山を開いた慈覚大師の木像を安置しており、朝夕僧侶が食販とお香を御供えしているとのこと。 そして、これが納経堂。 この下には慈覚大師が眠る入定窟があります。 開山堂をしばし眺めた後、さらに足をのばし五大堂へ。 見てください、この景色! 眼下には緑豊かな景色が広がります。 五大堂を下から見るとこんな感じでした。 たくさんの史蹟をめぐり十分に楽しんだのですが、今一つぐっとくるものがあるような無いような・・・。 と、ふと考えました。 悟りを求め日々修行する人たちで満ち溢れていた時代、この地はまさに聖地であった。 そしてこの階段を下り、姥堂の前を通り山門をくぐり抜けた先にあるのは人の暮らす実社会。 そこには争い、飢え、物欲、色欲・・・たくさんの苦難に満ちている実社会から見るとこの地はまさに極楽であったのではないかと・・・。 そう思いついた時、来てよかったと感じました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ なにはともあれ、山寺は山形随一の絶景。 美しい景色に心とらわれること間違いなしです。 夏休みのお出かけにぜひどうぞ。 <アクセス> 山形道 山形北ICから約10km JR仙山線 仙台駅から約1時間で山寺駅へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年10月26日 02時29分31秒
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