裏アスベストQ&A

アスベスト裏Q&A 

アスベストに対するQ&Aは厚生労働省のHPに載っています。しかし、これだけではよくわかりません。そのため実例を交え、アスベスト裏Q&Aを作成しました。随時、更新します。  

アスベストに対するQ&Aは厚生労働省のHPに載っています。

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ちなみに厚生労働省のQ&Aの目次だけは紹介します。
(1) 石綿(アスベスト)とは?
(2) 石綿が原因で発症する病気は?
(3) どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病するのか?
(4) 以前アスベストを吸い込んでいた可能性がある場合どこに検査にいけばよいのか?
(5) アスベストを吸い込んだかどうかはどのような検査でわかるのか?
(6) 吸い込んだアスベストは除去できるか?
(7) アスベストが原因で発症する疾患に特有の症状はあるか?
(8) 中皮腫や肺がんの発症を予防するにはどうすればよいか?
(9) 私の家族が中皮腫で死亡した。職場でアスベストを取り扱っていたとは思えない。アスベストとの関係はあるのか?
(10) 現在、工場の周りに住んでいますが大丈夫か?
(11) 昔、石綿工場の近くに住んでいたことがあるが大丈夫か?
(12) 主人が石綿工場で働いていたのですが、家族の健診はどうすればよいか?
(13) わが家はアスベストの危険性があるか。
(14) わが家では、見えるところには吹き付けアスベストが使用されていないのだが、見えないところは大丈夫か。
(15) 建築物(事務所、店舗、倉庫等)はアスベストの危険性があるか。
(16) 建築物(事務所、店舗、倉庫等)に吹き付けアスベストが使用されている場合においては、どうしたらよいか。
(17) 学校におけるアスベスト対策について教えて下さい。
(18) 当社では石綿を取り扱う作業を行っているのですが、どのような措置を講じればよいでしょうか。
(19) 石綿を扱う作業に従事していたことがあり心配です。どこへ相談したらよいでしょうか。
(20) 石綿を扱う作業に従事していた場合は、無料で定期的に健康診断を受けることができる健康管理手帳制度があると聞きました。どこで手続きをすればよいのですか。
(21) 医師に中皮腫と診断され、労災が適用されるといわれました。どのような手続きを行えばよいのですか。
(22) 医師に中皮腫と診断されましたが、どこで石綿を扱ったかわかりません。この場合でも、労災認定を受けられるのでしょうか。
(23) 既に退職していますが、在職中は石綿を取り扱う作業に従事していました。中皮腫や肺がんを発症した場合、退職後でも労災認定は受けられるのでしょうか。

裏Q&A

(1)3年前、2002年に新築住宅を購入しました。我が家にもアスベストが使われているのでしょうか。


 吹きつけアスベストは主に鉄骨に吹き付けています。これは昭和50年で禁止されました。その可能性はありませんが、サイディングや天井などの張っているセメントやコンクリートボードには含まれている可能性があります。
コンクリートボードなどは主に外のサイディングに使われているので、仮に破損があってもそま部分かせアスベストが飛散しても住人への影響は少ないものと思われます。しかし、室内でアスベスト混合建材が使われ、破損が会った場合は注意が必要です。たとえば端が欠けてアスベスト繊維が向きだしなればその箇所は繊維が出てこないように接着剤などで既存が広がらないようにしたほうが良いと思います。

(2)会社の車庫の天井にアスベストらしきものが吹き付けられています。大丈夫でしょうか。



 まずは本当にアスベストかどうか確認する必要があります。
ポイントは建築年を確認します。昭和50年から禁止されていますので、それ以前の建物かどうかです。
 もし、それが不明だった場合は、アスベストを分析する必要があります。
車庫の鉄骨吹き付けはアスベスト、ロックウールそしてアスベストとロックウールの混合があります。ロックウールは岩綿と呼ばれアスベストと比較し繊維が太いもので安全といわれていますが、塵肺を起こす可能性があります。ただ、ロックウールは石綿ではありませんが、一部ロックウールに不純物としてアスベストが含まれているようです。

(3)築20年くらいたつのですが、天井裏に綿のようなものが載っていました。アスベストでないのでしょうか。


 一般住宅にはアスベストを使うとすれば石膏ボード、コンクリートボード、洋瓦などに含まれたりプラスチックにも含まれています。
 おそらくグラスウールでないでしょうか。グラスウールは綿状で黄色や薄い茶色で長方形や正方形に切断されています。暑さは寒冷地で熱く20センチ、暖かいところで15センチと様々です。
 このグラスウールが湿りそこに黒いカビが生えてきてアスベストと近藤した人もいました。

(4)最近たてた住宅も含めほとんどの建材にアスベストが含まれているようですが、分析してくれるところはあるのでしょうか。


日本作業環境測定協会のHPに紹介され全国で8箇所しかありません。料金は4万円から6万円くらいです。
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(5)治療方法はあるのでしょうか。


 ありません。
 アスベストで一番重要なのは、被害者が助からないということです。システムが改正され従業員家族、周辺住民、退職後の労災延長などと金銭的な面での保証が仮に整備されても、アスベストによる肺ガンや中皮腫が決して治ることはないということを国や企業は認識しなければなりません。

 一般に肺ガンはたいへん治りません。仮に片方の肺ガンはたいへん取り除いてもアスベストは両方の肺に刺さっているわけで、必ず残りの肺にも発祥します。肝臓、胃腸は早期発見で摘出すれば臓器は再生しますが、肺は再生できずすべて取り除けば人工心肺をつけない限りは生存不可能です。
 発ガンメカニズムは簡単です。アスベストの繊維は他のロックウールやグラスウールと比較したいへん細く飛散させやすく肺胞に刺さりやすくなっています。肺の細胞のDNAすなわち遺伝子を破壊します。
 肺にはたくさんの微生物が呼吸なより入りこむのでリンパ節がたくさん存在します。それが反対にガンの転移を押し進めます。
 そのため肺ガンはかなりの高い死亡率になっています。

(6)国のQ&Aの(4)(5)(11)(12)(19)の回答で「特にご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関にご相談ください。」と記されているが、健康保険は適用されるのか。

 国内のすべての労災病院がアスベストによる疾患をすべて診断できる専門医がいるとは限りません。以下の病院が国のHPで照会されています。電話でも問い合わせに応じています。県内に医療機関がない場合は、近隣の労災病院に電話で相談しましょう。
 なお、他の病院の場合は呼吸器科が対象になりますが、アスベストに対する対応は完全でないのでトラブルが生じる可能性もあります。また、検査は自由診療なのでかなりの高額、CTをかければ数十万円請求される場合があるのでまずは労災病院に電話で相談されることをお勧めします。


■独立行政法人労働者健康福祉機構 労災病院における相談の受付
 労災病院において、石綿ばく露歴のある方、その家族の方々、開業医等からの診断・治療、健康診断に関するご相談を受け付けることとしましたので、最寄りの労災病院までお問い合わせ下さい。(対応可能な労災病院は以下のとおりです)

1  石綿の特殊健診、診断、治療が可能な労災病院
 美唄労災病院  〒072-0015  美唄市東4条南1丁目3番1号 (0126)63-2151
 岩見沢労災病院  〒068-0004  岩見沢市4条東16丁目5番地 (0126)22-1300
 東北労災病院  〒981-8563  仙台市青葉区台原4-3-21 (022)275-1111
 福島労災病院  〒973-8403  いわき市内郷綴町沼尻3番地 (0246)26-1111
 珪肺労災病院  〒321-2523  栃木県塩谷郡藤原町高徳632 (0288)76-1515
 千葉労災病院  〒290-0003  市原市辰巳台東2-16 (0436)74-1111
 東京労災病院  〒143-0013  東京都大田区大森南4-13-21 (03)3742-7301
 関東労災病院  〒211-8510  川崎市中原区木月住吉町1番1号 (044)411-3131
 横浜労災病院  〒222-0036  横浜市港北区小机町3211 (045)474-8111
 燕労災病院  〒959-1228  燕市大字佐渡633 (0256)64-5111
 新潟労災病院  〒942-8502  上越市東雲町1-7-12 (0255)43-3123
 富山労災病院  〒937-0042  魚津市六郎丸992 (0765)22-1280
 浜松労災病院  〒430-8525  浜松市将監町25 (053)462-1211
 中部労災病院  〒455-8530  名古屋市港区港明1-10-6 (052)652-5511
 旭労災病院  〒488-8585  尾張旭市平子町北61番地 (0561)54-3131
 関西労災病院  〒660-8511  尼崎市稲葉荘3-1-69 (06)6416-1221
 神戸労災病院  〒651-0053  神戸市中央区籠池通4-1-23 (078)231-5901
 和歌山労災病院  〒640-8505  和歌山市古屋435番地 (073)451-3181
 岡山労災病院  〒702-8055  岡山市築港緑町1-10-25 (086)262-0131
 中国労災病院  〒737-0193  呉市広多賀谷1-5-1 (0823)72-7171
 香川労災病院  〒763-8502  丸亀市城東町3-3-1 (0877)23-3111
 九州労災病院  〒800-0296  北九州市小倉南区葛原高松1-3-1 (093)471-1121
 門司労災病院  〒801-8502  北九州市門司区東港町3-1 (093)331-3461
 長崎労災病院  〒857-0134  佐世保市瀬戸越2-12-5 (0956)49-2191
 熊本労災病院  〒866-0965  八代市竹原町1670 (0965)33-4151
 吉備高原医療リハビリテーションセンター
 〒716-1241  岡山県加賀郡吉備中央町吉川7511 (0866)56-7141

2  石綿の特殊健診が可能な労災病院
 青森労災病院  〒031-8551  八戸市大字白銀町字南ケ丘1番地 (0178)33-1551
 岩手労災病院  〒025-0244  花巻市湯口字志戸平26 (0198)25-2141
 大阪労災病院  〒591-8025  堺市長曽根町1179-3 (072)252-3561
 山口労災病院  〒756-0095  山陽小野田市大字小野田1315-4 (0836)83-2881
(7)アスベストの吹きつけはいつ禁止されたのでしょうか。

昭和50年にアスベストの吹きつけは原則禁止されました。それ以前は70%も含まれていました。ただし、禁止といってもロックウールに混合させたものは対象からはずされていました。業界が完全に吹付けを自主規制したのが平成1年になっています。含有率は30%でした。完全に法律で禁止されたのが平成7年になってからです。アモサイド、クロサイドだけですが。吹付けということでなく、全面禁止は平成16年からです。

(8)吹付けアスベスト以外はいつから規制されたのですか。

アスベスト含有建材は平成7年にアモサイド、クロサイドだけが禁止になりました。その年にノンアスベストの定義が5%から1%に変更になりました。
平成7年前に「ノンアスベスト建材」と表記されていても、5%は含まれていた可能性があります。設計図書で確認するときは注意が必要です。全面禁止されたのは平成16年からです。





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