テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:本
海底二万海里、禁色と三冊連続の長い小説で、短編を好む自分にはちょっと疲れました。
題名から八月に読みたいと思っていたので、三島を(なんとか)八月中に読み終えて、八月末から読み始めやっと読了。 ジェファスンという架空の街を舞台に、恋人を追って旅に出た若い妊婦、老牧師、犯人の男など、ジェファスンで起こった殺人事件を中心として複数の軸を展開させていきます。 フォークナーは以前読んだ短編集が気に入っていたのですが、人物各々の考えていることを描いたり(その部分の字体が変えてあります)というところは短編の時に感じた俯瞰した描写とはちょっと違うかなと。 特に、アメリカ南部の社会で黒人の血が混じっているのではとの思いを抱える犯人の生い立ちを追ったところは、沢木耕太郎のルポのように面白く読みました。 犯人の感情などの描写がなされているところの距離感が、以前読んだ短編集との違いに感じたと思います。 先入観かもしれませんが、空気感などは短編と同じく、うっすらと膜が張っているように思え、舞台を南部に移したウッディ・アレンの映画のような絵を想像します。 人物の内面の表現の有無などは違いますが、殺人事件を中心に街を描くという構成は予告された殺人の記録と似ているか。 誰もが変わり者といった感じの人物達の描き方は丁寧で、読後も場面場面を思い出せます。 600頁超の厚さに見合った読み応えでとても面白かった! 八月の光改版 人気blogランキング「自転車カテゴリー」へ 本日もノーライドで三日間練習なしだが、右殿筋はまだ気になる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 23, 2009 12:34:52 AM
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