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詩集の中の栞のように~裏ブログ~

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2010/02/22
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本日で中3生は、塾の全ての日程が終了。

明日の都立入試本番で、彼らの高校受験は終了する。

 

3月から随分と叱られることが多い学年であったが、最終盤は随分成長した。

 

と言いたいところだが、本日理科の移行措置版の電流、水圧を勉強している子がいたり(←出ないところ)、

簡単な足し算や九九を間違える子がいたりと、最後まで大変な学年であった。

 

ここ東京では、都立高校が大変な激戦になっている。

大学受験の倍率と比べれば低いのだが

都立高校は1回しか受験できず、しかも浪人や高校へ行かないという選択肢が現在の日本では考えにくいことを考慮すれば、

今回の倍率はかなり高い。

(大学受験は毎日どこかで行われており、1人で10校程度受験する子もいる。結局は1校しか通えないのに。

それに対して、都立高校は全員が明日受験するわけで、単純に大学受験と比較できないが、高校受験の2倍という倍率は、結構苦しい数字だと考えている)

 

塾生が受験する高校も、2倍を超えているところもあり、かなり厳しい戦いが予想される。

 

実際、この不況と都立人気により、都内では志望校を2ランク程度下げる子も少なくない。

中には3ランク下げているケースも耳にした。

 

そんな中・・・

うちの塾生はチャレンジした。

2ランク上、3ランク上の高校を受験する子が大勢いる。

内申が足りていないが、果敢に挑戦する子もいる。

とにかく、塾生全員が簡単ではない戦いに明日挑もうとしている。

 

何人かの知り合いの塾講師、他塾の塾長さん、塾組合の知り合い、以前の会社の先生などに聞いたところ

「ん~・・・・」と唸られてしまった。(←それは難しいのでは?ランク下げさせないでいいのですか?という意味のうなり方)

 

でも、私は彼らに受験させたいところを受験させた。

正直、それが正しかったのかは分からない。

いや、もしかしたら誤った進路指導だったのかもしれない。

 

都立というのは「合格してなんぼ」という面がある。

他の先生方のブログを読んでいると、学校の先生には下げろと言われたが、塾の先生はゴーサインを出し、挑戦させるケースが多い。

また、安全圏の学校に合格するよりも、挑戦することに意義を見いだしていらっしゃる先生方もいらっしゃる。

大学受験から逆算し、高校受験での合否にはそれほどこだわらない先生もいらっしゃる。

 

しかし、

中3生にとって、そしてそのご家庭にとって、都立受験というのは一大事である。

「大学受験のことは後から。とりあえず今は高校受験」という方がほとんどなのだ。

 

そして、先ほども書いたように、都立高校というのは「合格してなんぼ」という面がある。

この不況の中、 私立への入学は大変な経済的負担になる。とにかく何が何でも公立高校というのが、保護者の方の願いでもある。だからこそ塾に通わせているということもある。(私立になるのだったら、最初から塾には行かない)

そうしたことを考慮し、「生徒の志望校を下げ、安全圏に変更させる」という大手塾や学校が取る選択肢は、それほど否定すべきことではないと、私は思っている。

「志望校ランクを下げさせるのは、塾側の全員合格の実績が欲しいからだ。」と批判する向きもあるが、そういうことではない。

そもそも、保護者の方、生徒本人が「何としても都立」なのである。「とにかく合格させてください。」という方が多いのだ。(ここに「合格は自分で勝ち取るもの」とかそうした哲学的な説教は入る余地もない)

 

たとえ志望校を下げても、合格すればやはり嬉しく、塾に対しても満足度は上がる。

合格してしまえば、ランクを下げたことも記憶から薄れ、やはりうれしさの感情の方が高まってくる。

 

逆に、無理な挑戦をして不合格になれば、やはりそれは塾に対する不満にも繋がるし、

何と言っても3年間私学に通わなければならないことを考えると、残るのは後悔ばかりという人もいることだろう。

 

挑戦して不合格よりも、安全圏に落としての合格を望んでいる保護者の方は、都内にはかなり多くいらっしゃるのだ。そうしたニーズを見誤っては、都内の大手塾は生き残っていけない。

そうした中で、塾に求められているのは、その子の将来性や学力や挑戦という価値観よりも、

まずはどこでもいいので都立に合格させること。

結果、多くの塾がランクを下げさせ、都立全員合格を目指すということになる。(トップ校は除く)

 

私は、こうした進路指導に正しいも間違いもないと思っている。

 

 

しかし、うちの塾生は挑戦への道を選んだ。

みんな2ランク程度上の高校を明日受験してくる。

かっこいいと思う。

特に最後の1ヶ月は、とてもかっこよく、そして美しい姿であった。

あとは本番で実力を出し切れるといいのであるが。

 

 

今日は、最後のミーティングを全員で開き、最後の注意事項を私から与えた。

そしていつもよりも早く21時で解散し、一人ひとり握手をして、お別れをした。

 

こんな名もない小さな塾を選んでくれた教え子たち。

たくさん怒っても付いてきてくれた子たち。

今は感謝の気持ちでいっぱいである。

 

もっと他にできることはなかったのか。

今もずっとずっと考えている。

しかし、もう私に出来ることは、ついに祈ることだけになってしまった。 

明日、力が出せるといいのだが。

本当に本当に頑張ってほしい。

 

彼らは頑張っていた。それは私が見ている。

間違いなく頑張っていた。

だから、受かってほしい。

いや、その前に、まずは明日。最高の状態でいつもの力を、欲を言えばいつも以上の力を発揮してくれることを祈るばかりである。

みんなありがとう。1年間楽しかったよ。合格を心から祈っている。






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Last updated  2010/02/23 02:17:19 AM
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