イソップに関しては、嫌悪感を露にしてますね。
このゾッとするようなエゴチズムが、小学生の教室で美しい女の先生の口から語られ、全国中に無数のイソップっ子が出来上がってゆくとき、世の中はますますアパシー (無感動) におかされてゆくことになるだろう。
と書いておきながら、
私はあらゆる処世術がきらいだが、とりわけイヌだのヒツジだのの名を借りて奴隷のモラルを説くイソップ物語は古本屋に叩き売りたい。
というのは、矛盾してませんかー?
古本屋に売るという事は、それを誰かが買って読む事を前提にしているのですから、人に広めたくないのであれば、捨てるか燃やすか、そのまま自分が持っているべきなんじゃないでしょうか。(ちと
魔邪的ツッコミ?)
シェークスピアの『ベニスの商人』のユダヤ人差別には、私も苦笑しちゃいましたが、もし、この時代にシェークスピアと同じ環境にいたら、自分だってわかんないじゃないっすか。
ゲーテの
『若きウェルテルの悩み』には、実は私も、これ読んだ時に「バカじゃなかろうか」と思ったのです。なので結構同意しちゃいましたが、寺山修司のように、それでゲーテが嫌いになったりはしませんでした。
この小説からの判断で、ゲーテの人格批判までするのは、いかがなもんでしょうか。
そして、北島三郎の『博多の女』という詩を例にとり、
人を愛する自由は、人間が獲得しうるもっとも基本的自由であって、何びとからも制約されるべき筋のものではない。「あの女はおれのものだから、どうか好きにならないでくれ」という仁義は、女を人間としてではなく、身のまわり品か愛玩物として考えることになるだろう。
と書いておきながら、
ひとの妻とも知らないで博多に来たなら、ひとの妻だと知ったときからこそ物語は始められるべきで、「あきらめて」「面影を抱いて」帰ってゆくのでは、パテント登録におくれた中小企業の商標メーカーとかわるところがない。
というのも、矛盾してると思うんですが…。最初の論理からいくと「諦める」べきなんじゃないっすか?
・・・とマイクをたたきつけながら <その4> へとつづきます。
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