カテゴリ:読書
1993年9月に発行されたこの本は、1868年から1912年にかけての明治時代の暗殺に言及しています。
一例を挙げると、1878年の大久保利通暗殺、1891年の来日ロシア皇太子暗殺未遂、1909年の伊藤博文暗殺などです。 いま3例を挙げましたが、この本では暗殺未遂事件も含めて、網羅的におそらく100件以上の史実を細かく書かれています。 驚愕し滅入る内容ですが、自分なりに拙い一言を書くとすれば、「変化とは人の死をともなうもの」ということです。 つまり、明治維新を経て価値観が変わる時、その変化により悲哀を味わうことになった士族には、不満をもつ者が少なくなかったと言われています。 その不満が暗殺に向かったと考えられます。 以下は、【この本からの引用】と【征野の感想】です。 【この本からの引用】 日本中が、この事件で、混乱と昂奮につつまれたのは、翌12日、東京株式取引所が休業したことを見ても分る。 【征野の感想】 これは、1891年5月11日の来日ロシア皇太子暗殺未遂を受けて、翌日は株式市場が休業したということです。 私自身が株の売買をしているので気になりました。 株式市場の歴史を精査したことはありませんが、休業した日を調べてみると何か発見できそうですね。 【この本からの引用】 国産の道具による「ガラ紡」は没落し、紡績の機械制大工業化が始まる。 【征野の感想】 1882年に大阪紡績会社が設立された頃のことです。 この大阪紡績は現在の東洋紡の基盤となった会社です。 手元の『会社四季報』の東洋紡のページを見ると、「紡績界名門」と書かれています。 ところで、紡績や「ガラ紡」とは何でしょうか? 紡績とは、糸をつむぐことです。 では、「つむぐ」とは? つむぐとは、「わた・まゆを錘(つむ)にかけてせんいを引き出し、よりをかけて糸にする」と手元の辞書に書かれています。 要するに、糸を作ることですが、門外漢には理解が難しいです。 そして、「ガラ紡」。 この本には没落したと書かれていますが、実は没落などしておらず、しっかりと生きています。 良い物は残ります! 「ガラ紡」は、臥雲辰致(がうんたっち)により発明された日本独自の紡績機械です。 ガラ紡で織られた布は吸水性・吸油性がよく、洗剤なしで食器洗いができることで最近は注目されているそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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