テーマ:重要文化財を尋ねる(152)
カテゴリ:重要文化財
今回は、「松林図」。 以下は、得意の勝手にコピペm(__)m 長谷川等伯(1539-1610)は、狩野永徳、海北友松(かいほうゆうしょう)らとともに桃山時代の画壇で活躍し、墨の濃淡や光の効果的表現を追求した。 これは等伯の代表作で近世水墨画の傑作である。 画面全体に霧が立ちこめ、左隻の松林は右端の雪山まで奥深く続き、右隻では向かい合った林がたがいに傾いて地面の起伏を暗示する。 松葉や地塗りの筆致は荒い。 ひんやりとした霧の中を歩いていると黒い影が現れ、松林に囲まれていて、かすかに山の頂が望まれる。 一瞬の体験を永遠にとどめたような、静まり返った光景は、わびの境地ともいえる世界である。 不規則な紙継ぎ、左右で寸法の異なる紙幅、地面の線のずれ、両端で切れた松、画面両端の「長谷川」「等伯」印が基準印と異なることなど、謎が多く、草稿ともいわれる。
主題の上では「浜松図」など、やまと絵景物画の流れを汲むが、等伯が私淑した中国・南宋時代の画僧牧谿(もつけい)の、自然に忠実たろうとする思想と水墨技法が、日本で到達し得た希有の例である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/04/05 05:00:07 AM
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