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トイプー3人!わんこWORLD!と他色々!

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September 4, 2006
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瞬時にレックスはアリスを抱え、シュヴァ-リエがア-ロンを抱え、

二人は床の端を片手で持ち、落ちるのを寸での所で交わした。

下を覗き見るとまるで底無しのブラックホ-ルだ。

辛うじて、そこに留まった彼らに気づいた門番が透かさず、彼らの手に剣を突き刺してきた。

レックスとシュヴァ-リエの組み合わせなのだから門番達を叩きのめす事は訳ないが、

この体制で闘うのはかなり不利だ。

なにより下手に手出しをするとアリスの言う様にヴェルジェの身が危険にさらされる。

仕方なくその手を離すことを選んだ。

アリスとア-ロンの悲鳴がその暗闇に反響した。

兵達の耳にその断末魔の悲鳴が段々と遠のくがよく判っただろう。

どこまで落ちれば底があるのか、奈落の底で、このまま引力にまかせ落ちれば、

いくら鍛え抜かれた彼らとて、バラバラの肉片と化すのは間違いない。

レックスとシュヴァ-リエは、落ちながらもブ-ツに隠し持ったダガ-を抜くと石の壁に突き刺した。

二人のダガ-が、壁から火花を散らすのが暗闇に妙に浮き上がって見える。

既にアリスやア-ロンは気を失っていた。

レックスとシュヴァ-リエは逆さに落ち行く互いの背を押し合う様につけ、

二本のダガ-と己の足で石壁をふんばりながら滑り落ちた。

二人の強腕と、見事なまでの息のあった対処が落ち行く速度を止めたのは、

底からあと1メ-トルの所だった。

地面に横たわったレックスが究極の溜め息を漏らした。

「やれやれ、一緒に落ちたのがお前で良かった。

それと、この底無し落とし穴の深さに感謝だな。久々に面白い体験だったな」

「ああ」

二人の片手には刃がボロボロになってもう使用出来そうにないダガと、

二人の胸元にはア-ロンとアリスが横たわっていた。

シュヴァ-リエはそこらに落ちていたボロ布で松明を作るとア-ロンの頬を叩いた。

するとア-ロンが目を開けた。

「このスリルに気絶とは、まだまだ青いな」

レックスが皮肉めいた嫌みを笑顔で言ったが、ア-ロンは言葉を返せない代わりに悲鳴をあげた。

「な・・な・・なん・・なんだ・・ここ・・」

ア-ロンの悲鳴と震える言葉でアリスもようやく意識を戻した。

「うるせぇな。見ての通り、部外者の墓場だよ」レックスが平然と言う。

その言葉に松明で薄暗く照らされた辺りを見たアリスは思わずレックスにとびつき、

しがみついた。

然程広くもない四方八方、石壁に覆われた空間には、幾重にも重なる、

無造作に山積みされた残骸。

シュヴァ-リエが手にしている松明の支えになっているのもよく見ると大腿部の人骨だった。

「な・・なんで・・こんなに・・」

ア-ロンは相変わらず言葉が出ない。

「この城の地底には他国にない金銀財宝が山程まだ眠っていると噂されている。

おそらくここは、それらに目が眩んだ余所者の始末場所だろう。部外者千年分ってとこか。

何人殺せばこんな、残骸の山になるんだか」

レックスがシレッとした顔で言った。

「お前・・なんでそんな平然と言ってんだよ?ってことは、ここから俺ら、出られないとこうなっちまうじゃんか!」

「まぁ落ち着け。こんなくだらねえ場所が墓場なんて俺様の性にあわねぇからな。なんかいい方法を考えるさ」

レックスにしがみついていたアリスがその手を離し、そっと石壁に手を添えた。

「・・音・・音がする・・水の流れる音がこの石壁の向こうからずっと・・カレ-ズ・・かな?

・・その先に・・また別の水路があるわ・・・そして・・合流する水が・・・ずっと向こうに・・メイン水路だ・・それから・・・」

アリスは耳に全神経を集中させながら水音を辿った。

尤もレックス達には分厚い石壁の向こうの水音等、まったく聞こえはしななかったが。

「・・ん、間違いなく何処か、外に流れ出ている筈よ・・音が変わってるもの」

「そうか、この城は確か北側がかなり急な丘に建てられていたよな・・。

俺達が連れて来られた部屋は一番奥の北側で、そしてひとつ地下に下りたんだったから・・

そうか・・地の底気分だったが、どうにかして水路にさえ出られれば、脱出出来るな」

レックスが腕組しながら呟いた。

その時、シュヴァ-リエがふいに残骸を山積みされた場所を足で蹴飛ばすかのように掻き分けた。

すると残骸の奥に隠された石壁の一部が奥にずれこんでその部分だけが他の石壁とは少し違っていた。

子供が通れる程の隠し通路を発見した。

「なんだ、ここに出口があるんじゃないか。この石をずらせば脱出出来るって訳だ。変だと思ったんだ。

俺らみたいに落とされれば、普通残骸はあそこの落とし穴の下に溜まる筈だろ?

並の人間が俺らみたいに無傷でここに着地なんてまず無理だからな。

生きてたとしても骨が砕けて動けないまま息引き取るしかないだろうに、

なんで残骸があそこなんだって思ってたんだ。流石シュヴァ-リエだな」

レックスが感心したように言った。

「ふぅん・・なんも考えてなさそうに見えてっけど、シュヴァ-リエも一応考えてたんだ・・」

ア-ロンが上にいた時、無表情のシュヴァ-リエにつっかかってしまった事を

少し反省したらしいがそれも憎まれ愚癡でしか言えなかった。

それに自分を抱えて命を救ったのもシュヴァ-リエだった。

シュヴァ-リエは罰の悪そうな顔をするア-ロンに、無言のままアーロンの

尻に蹴りをお見舞いしてやった。

「成程ね、あそこの落ちる場所に残骸が積もってたら、クッションになって

命拾いする事もあるかもしんないもんね。この量だとね・・・」

アリスもどうやらいつもの調子を取り戻した。

皆で残骸をどかせていると、アリアが血相を変えた。

しばらくすると皆の耳にも上からの悲鳴が聞こえた。

その悲鳴が皆の方へと近づいて来る。

レックスがアリスの目を思わず覆い隠した。

その断末魔の悲鳴は瞬間、表現しがたい鈍いグシャッと言う音と共に床に落ち、

バラバラの無惨な死体になっていた。

飛び出た目の玉を見たレックスも、流石に心地悪い表情をした。

「こいつ・・この国の兵じゃないか・・確か、デアル王の謁見の間からヴェルジェ様達と

一緒に出てった兵服を着てる。こいつは王の側近部隊兵だ」

恐る恐る覗き見たア-ロンが遺体と化した者の服を見て言った。

「どうやらこの城の邪魔者は敵味方関係なくこの方法で排除するみたいだな。

惨い話だが、確かに簡単だな。さっ、出方が判ったんだ。一刻も早くここを出よう。

ヴェルジェが心配だ」

レックスがそう言うと、シュヴァ-リエと目を合わせ石壁を力一杯押した。

ア-ロンも懸命に二人を手伝った。

アリスはレックスとシュヴァ-リエの絶妙なコンビネ-ションに溜め息をつき、

自分もありったけの力で少しずつずれゆく石壁を押した。

ズズッ、ズズッと石の摩れる音を立て、漸くその場から抜け出す事に成功した。

「あ~、体力消耗した・・ここを抜け出たら武器を調達しないとな。隠し持ったダガ-も

使い物にならないし、拳だけでは埒があかないだろう」

レックスが額の汗を拭いながら言った。

墓場の様な場所から抜け出たのはいいが、地下水路と水路が交わる箇所には

鉄格子の柵があり、そう簡単に出られそうにもなかった。

「その前に、ヴェルジェの様子を探らないと・・」

アリスがそう呟くとおもむろに耳を覆い隠している帽子を両手で脱ぎとった。

するとその帽子の中からアリスの尖った耳と、そしてシュシュとインコのコトラが

寝惚けた顔で姿を現わせた。

「さ、貴方達の出番よ。ヴェルジェの様子を見てきて。

貴方達ならあの柵も抜ける事が出来るでしょ?明かりの注す方を探して進んで。いい?」

シュシュは『キィ』と鳴きながら一回転して頷くと潔く進んでいった。

「おお、アリス流石だな。シュシュとコトラを隠してたとは」

レックスがアリスの頭をヨシヨシと撫でた。

「うう~ん・・鳥目の俺に出来るかな?」

コトラが自身なさげな声で言った。

「お前、とっとと、行け!腹が減ってんだ。チンタラしてると焼鳥にして食らうぞ!」

レックスがコトラを鷲掴みにした。

「判ってるよ・・ボスはいつも怒りっぽいんだから・・・何と、かって~と焼き鳥だって言ってさ・・・」

「ボスって言うな!」

レックスがそう言って放り出す様に手放すと、コトラはワシワシと翼をばた付かせ、

鉄格子の間を擦り抜け、シュシュを追いかける様に飛んで言った。

『カオス19』へ・・・・To be continued

このお話は私が作成したものなので、勝手に他へ流したり、使用するのは絶対止めてね。

★初めから読むなら右矢印1 朱鷺色の章  1 Prologue の扉へどうぞ★ 手書きハート

★続きを読むなら     『カオス19』 4 紅寶の章 媚薬 へどうぞ★ 

 






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Last updated  October 6, 2006 09:25:07 PM
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 franfran2006@ Re:秋 彼岸(09/20) あはは…私もそれたまにやってしまいます。…
 ☆ゆっきー0607☆@ Re:秋 彼岸(09/20) お部屋が模様替えされて秋らしくなりまし…
 chocomama@ Re:ムーンライト藤原京(09/19) なんとも幻想的な光の回廊~~ 真っ暗な…
 あきても@ Re:ムーンライト藤原京(09/19) 昔習った歴史は今のと少し違うでしょうね…
 serix@ chocomama★さんへ♪ おはこんばんちわんこ!U^ェ^U! あり…
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 franfran2006@ Re:春・さくらコテージ♪(09/18) 当たり前に楽しめてよかったですね。 …

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