|
カテゴリ:試合評
東北楽天ゴールデンイーグルスは日本ハム5回戦に勝利を収め、これで今季初のカード3連勝に王手をかけました。4月月間成績は9勝11敗、通算では11勝16敗としています。
今季初、公式戦では通算4度目となるWBC組の、岩隈×ダルビッシュの投げ合い。この試合、勝利に導いたのはKスタを埋め尽くした大勢のイーグルスファンの力も大きいことでしょう!(Kスタで入場客数が1万7千人を超えると勝率が大幅アップするらしいです。今日は18,153人!) この日は、バックの守備陣も好プレーを魅せてくれました! ▼この日得点圏に走者を背負った唯一のピンチは3回表。2アウト2,1塁。一打同点かという場面。森本の二遊間に飛んだ打球を高須がジャンピングキャッチ! ニゴロとしてエースを助ける! 実況アナおもわず「バットを持たなくても必殺仕事人!」 ▼1点リードの4回表。先頭打者の稲葉のライトヒット性のゴロを、近鉄時代の同僚でもあるファースト・中村紀洋が、見事なプレーをみせてくれました。かっこええなぁ!! 〇楽天イーグルス3-1北海道日本ハムファイターズ 岩隈はこれで2試合連続完投勝利! そして今季初の完封勝利! 27個のアウトのうち、内野ゴロが17個、外野フライが4個、三振が6個。この数値のみをみても、岩隈本来のピッチングが今日はほぼ満点状態でできていた、といえそうです。 それにしても、エース岩隈のピッチングは、ほんと、芸術に値する素晴らしい内容でしたね! まるでキャンパスに自在に絵筆を走らせる名画家のようで、改めて今日は見惚れてしまいました。 下記表を見て下さい! 3回と8回をのぞく合計7イニングを三者凡退に抑える内容! まるで全部赤で塗りつぶすのは味気ないと言わんばかりに青色を適当に配したような印象すら受けます(というのは言いすぎ?w) では、細かくみていきましょう。下記が今日のクマの球種割合です。 ■楽天・岩隈の球種別割合121球(マスクは嶋) ストレート(St)・・・36(29.8%)(ここまで36.5%) スライダー(Sl)・・・28(23.1%)(ここまで31.2%) フォーク(Fo)・・・27(22.3%)(ここまで20.7%) シュート(Sh)・・・21(17.4%)(ここまで9.2%) カーブ(Cur)・・・8(6.6%)(ここまで2.5%) カットボール(Cut)・・・1(0.8%)(ここまで0.0%) 真ん中のパーセンテージが今日のもの、右のここまでというのが開幕~前回登板までの割合です。 これをみると、直球の割合が減り、変化球が増加。その変化球でもシュートの割合が増えていますね。岩隈は元々変化球投手ですが、本日はさらにその割合が高まったといえそうです。 とはいえ、ストレートの走りが悪かった、という訳ではありません。下記に岩隈が日本ハム打線から奪った空振りの履歴を掲載しました。みてみると稲葉から4度もストレートで空振りをとっています。それに今日打たれたヒット2本の結果球はストレートではありません。 ストレートも変化球も良い状態だったと判断できそうです。 ■楽天・岩隈が空振りを取った球種履歴 3回、鶴岡の2球目・・・カーブ 4回、高橋の3球目・・・フォーク 5回、二岡の3球目・・・シュート 6回、飯山の5球目・・・フォーク 7回、稲葉の3球目・・・ストレート 7回、稲葉の6球目・・・ストレート 7回、高橋の4球目・・・フォーク 9回、森本の2球目・・・スライダー 9回、稲葉の1球目・・・ストレート 9回、稲葉の2球目・・・ストレート さらに、今日はコントロールも絶妙でしたねぇ。この試合与えた四球は3回の田中賢介への四球わずか1個のみ。この四球も得点圏に走者を置いて昨年対戦成績が岩隈に不利な田中賢でしたので(対岩隈09年打率.545、11打数6安打)、ヘタにヒットを打たれて失点するよりも歩かせてもOKという判断だったのでしょう。ですから、問題なしです。 岩隈はこの日、日本ハム打線に合計24回ファウルを打たせましたが、まさに「打っている」ではなく、「打たせている」という内容でした。ほとんどの場面でボールをひっかけて打つようなシーンが多く、岩隈の手のひらで踊らされているような印象を受けました。 ■楽天・岩隈の打巡別球種割合 ◎1巡目(30球)・・・直球11、変化球19。St11、Sl4、Fo6、Sh7、Cut1、Cur1 ◎2巡目(45球)・・・直球10、変化球35。St10、Sl13、Fo10、Sh8、Cur4 ◎3巡目以降(46球)・・・直球15、変化球31。St15、Sl11、Fo11、Sh6、Cur3 こちらは日本ハム打線の1巡目と2巡目、3巡目以降の岩隈の球種割合です。1巡目から変化球主体でしたが、2巡目に入るとさらにその割合が増加、その中でもスライダーが4球から13球へ増えています。2巡目と3巡目の割合はほぼ変わらず、ですね。 こうしてみると、今日の難しい試合をよくリードした嶋は、岩隈の特徴をもはや完全に吸収・理解したといえそうです。現在、藤井が2軍調整中ですが、藤井が再び1軍合流した時、はたして岩隈とバッテリーを組むことがあるのかどうか?という点が気になってきました。ブラウン監督の判断はいかに?! さて、今日は元から打てないだろうとは思っていましたが、こういう高次元の試合では、本当にミスが命取りになりますね。ダルビッシュは8回を投げて3失点。しかし自責点が1というところに、日本ハム野手陣にミスが多発したことを雄弁に物語っています。 その象徴が楽天が先制点をあげた2回でしたね。1アウト後、センターヒットで出塁した5番・鉄平が6番・中村紀の2球目にニ盗を試みました。鶴岡が二塁へ送球するも悪送球となり中堅へ球がテンテン。その隙に鉄平は三塁へ到達。ノリは6球目の外角のボールくさい球をひっかけて投ゴロとなりましたが、スタートをきっていた鉄平が本塁突入、阻止しようとダルビッシュがグラブトスで鶴岡に送球するも高くそれてバックネット方向に球がテンテンとしたのでした。これで楽天が先制したわけです。 楽天が追加点を奪った6回も日本ハムのミスが絡みました。2アウトとなってダルが意識したのか、鉄平を2ストライクから四球で歩かせ(対ダルビッシュ09年対戦打率.667、9打数6安打)、その後、鉄平にニ盗を決められ、中村紀もフルカウントから四球。2アウト2,1塁、草野がセンター前へ適時打となるヒットを放ちます。当然二塁の鉄平はホームイン! 一塁のノリも果敢に三塁へ走塁をみせ、センターの糸井が三塁へ信じられない悪送球を犯し、これでノリさんもホームベースを踏んだのでした。 ミスの怖さを改めて再認識した試合になったともいえます。 この日、鉄平は3度出塁し3度ニ盗を試み、2回成功しました。この積極的な走塁は評価すべきです。昨年、楽天はダルビッシュが先発した試合で2勝。負けた試合が1試合ありましたが、それもダルビッシュに勝利投手はつかない試合でした。いずれも、通常より多く盗塁でゆさぶりをかけていたことは、以前のブログのどこかの記事に書いたとおりです。このデータ、ブラウン監督が把握していたかどうかは知りませんが、ナイスな采配だったと思います。 さて、ダルビッシュが楽天相手に先発するなんて、年にそんなにありませんから、気が向けば、ダルビッシュの投球も上記のクマのように分析してみたいと思います。 ■楽天・岩隈vs日本ハム打線 ストライク/ボールカウント推移表 ■日本ハム・ダルビッシュ球種別割合135球 ストレート・・・46 スライダー・・・43 フォーク・・・15 カーブ・・・11 シュート・・・7 カットボール・・・3 ■日本ハム・ダルビッシュvs楽天打線 ストライク/ボールカウント推移表 赤紫の網掛け=空振り、黄緑の網掛け=ファウル ストレート・・・St、カーブ・・・Cur、スライダー・・・Sl、カットボール・・・Cut、シュート・・・Sh、フォーク・・・Fo、シンカー・・・Sin、チェンジアップ・・・Ch、パーム・・・Pa、ナックル・・・Kn、ストライク-ボールの順です。 ▼最後に...昨日と今日、ベンチリポートを務めたのは久々に見る牛丸智子アナ!着ている青のTシャツはいわくまくま!欲しいですっ! --------------------------------------------------- ■本家ブログの過去記事はこちらをクリックして下さい。 ---------------------------------------------------- ■こちらのブログの過去記事はこちらをクリックして下さい。 ---------------------------------------------------- 現在ブログ村のランキングに参加中!ぜひみなさんの御協力をお願いいたします。本家ブログでは皆様のご支援のおかげで、ブログ村「楽天イーグルス部門」長らく1位でした!厚く御礼を申し上げます。このたび、こちらのブログでも1位になりました! (^○^)/ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年04月24日 18時48分04秒
[試合評] カテゴリの最新記事
|
|