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テーマ:小説日記(233)
カテゴリ:LOVE
コウジとの交際はもう終わりそうだと感じていた。
と、言ってもコウジとは一度別れているのだ。 コウジの事が好きで、朝も夜も一緒にいたくて・・・。 結婚したい気持ちが最高潮に達していた。 もう、その気持ちを抑え切れなくて狂ったように気持ちをぶつける事が多くなった。 そして、その日はやってきた。 いつものように、言い争いになってしまった。 「もう、いいかげんにしてくれよ。」 「だって、もう2年も付き合ってるし、もう私だって来年25 になるんだよ。なのに、コウジは何にも考えてくれてないじゃない。私と一緒にいたくないの?。ねぇ?!」 強い口調で攻め立てると 「今はサトミとは結婚できない。もう、別れよう。」 そして、私は駅に一人ぼっちにされたのだった。 それから半年、未練タラタラで携帯の電話番号も消せずに、そして自分からも電話をかけれずに毎日泣く日々だった。 ところが、ある日突然コウジから電話がかかってきたのである。 携帯電話は登録されたコウジの名前がコールするたびに浮き上がった。 嬉しい気持ちと、1年も経つのに未練たらしい気持ちを持っている自分に嫌気を感じた。 コールは5回鳴っている。 あと2回で留守電に変わってしまう。 コウジは留守電には入れずにいつも切ってしまう。 6回目のコールが鳴って深呼吸して電話に出た。 「もしもし。俺、誰だか分かる?」 1年も苦しまされた相手の言葉は胡散臭いナンパ師のような言葉だった。 それから、ポツリポツリとお互いの今までの事を話し合って、また会うようになったのである。 以前の気持ちとは明らかに違うとサトミは感じていた。 一歩遠くから眺めながら付き合っている、そんな感じだ。 私は、自分を納得させたかったのかもしれない。 お互いの間にはに過去の話は避ける空気が流れている。 サトミは本当の所で結び合ってない寂しさを感じていた。 そこまで分かっているのに自分から別れを切り出す事も出来ずにいた。 「どうかしたの?」 ボーとそんな事を考えていたのでコウジが顔を覗き込んで言った。 「ううん。別に。」 とだけ短くサトミは答えた。 恋人のいない期間が長いといろいろな新しい物を覚えたり、挑戦したりする事が多い。 サトミはコウジと別れてからパソコンをいじる事が多くなった。 あまり得意ではなかったが今ではHPを持っているくらいだ。 そして、今の密かな楽しみはブログに日記を書く事だった。 始めは大手のブログに登録していたが、はまりすぎるのが怖くなって、今は会員数の少ないブログで細々とやっている。 それでも、仲の良い人は10人前後いる。 家に帰ると11時を少し過ぎていた。 お風呂に入ってPCを開ける。 数人からメッセージが届いている。 日記の感想とかだ。 同じような気持ちや考えを持って生活している人は私だけではない。 コウジと別れて間もない頃は同じような境遇の人がこんなにいるんだ、と知っただけでも少し癒される気がした。 メッセージを読んでいくと アリスさん、暇だったらチャット部屋でお話しませんか~? 皆さん誘っています。来てね~♪ お開きになってたらごめんちゃい。(><) 三毛猫の肉球 アリスは私のハンドルネーム。 三毛猫の肉球、ミケとはチャットで知り合って日記を読みに来てくれるようになった。 車が好きのようで自分の愛車のHPを持っている。 ミケはチャット部屋「気楽に行こう」の管理人もしている。 サトミはアリスになってチャット部屋に行った。 <つづく> 面白かったらクリックしてください → 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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