灯台

　かもちゃんは、シチューを作りました。

　たまねぎ、にんじん、かぼちゃ、かりふらわあ。

　ほうれんそうをしょうしょう。

　ぶたにくは４００グラムくらい。

　
　かもちゃんは、シチューを作りました。

　ふわああ――っつ、と、いずうさが、溜息しています。

　hiroyukiは、パンを買いにお出かけになられ。

　
　「まだかな。」

　「まだ。」

　
　にゃあお、とご馳走にあずかろうとしている猫がやってきて、

　いずうさが入れました。

　
　くううん、と、やっぱりご馳走にあずかろうとしている犬がやってきて、

　かもちゃんに、ハンバーガーもらいました。


　（どうしてあるの？）

　
　「わからない、それはカモメナルドの秘密。」


　おもむろに、かもちゃんは、

　牛乳を取り出して、飲みました。

　違うダロ、わかってるダロ。

　でも飲んだことにかわりなく、それをそのまま、

　鍋の中に入れました。

　
　ぐつぐつぐつ、となっています。

　ぐつぐつ、となりやがり！


　外では、まずすぎる、雪が降りやがり！

　まずすぎるぞ、雪が降りやがり！

　あたたかいお風呂が必要ダロ、

　必須アイテムだから！　電気カーペットを入れ、

　エアコンをかけて、シチューを待ちます。

　wa!ひろさんはハワイです。

　
　「まだかな。」

　「まだ。」


　いずうさは、自分がふっと人間だったことをおもいだし、

　食卓を思い出します。おかあさんのことを思い出します。

　かもちゃんは、ビールを取り出して並べます。


　くわっ、とくちばしをあけて、味見しています。

　かもちゃん。

　よかばい、よかべな、野菜とけだしているハアモニック。

　ハーモニカルックしてどこへゆくのメロディー。


　「まだかな。」

　「hiroyuki遅いな。」

　
　と言いながら、市長さんに、かもちゃん電話。

　市長さんの奥さんともどもディナーに招待。

　ホームレスのおじさんにもカラスにお使いにいかせます。　　

　
　（祭典のよそおいにと織りなしている、

　目に見えない食事風景が、

　ちりめんの幕のようにやさしく見えてきます。

　風は森へと行き、森はキャベツのように光っています。）


　ぽちゅぽちゃ、とかきまぜています。

　ぱちん、と火を消しました。

　
　「お腹減ったな。」

　「減った。」