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カテゴリ:金曜…国井咲也
国井咲也の満巻全席  第326席

   sabi.jpg


「さくやさんさくやさん」

「なぁに、モモ助」

「いきなりできょうしゅくですけど、
 『SF』って、なんなんですぅ?」

「それでは質問の意味がわかりませんぞ、
 愛しのくまちゃん」

「ややっ?」

「分野のことだろうか、それとも…」

「なんのりゃくかきいてみたかったんです」

「…よく知らないんだよね。
 調べてもないし」

「あやややややっ?!」

(笑って)「おどろきすぎ」

「でもでも、『ぶれーどなんとかー』とか
 すきでよくみてるっていってましたよぅ」

「なんとかー、
 じゃなくて『ランナー』ね。
 R・スコット1982年。
 でも僕としては92年のが
 『ブレードランナー』だね」

「おっしゃってるいみがわかりません」

「ラストシーンやもろもろの
 映像描写の方向性について、
 会社の意向で変更したものに
 監督が反意を持っていたらしくてね、
 監督の意向に沿った形で出したものが
 92年に公開されたんだよ。
 今、よく見る
 『ディレクターズカット版』のハシリだね。
 でも悲しいかな、この成功で
 今のディレクターズカット版というのは
 作品のテイストを
 大きくかえるようなものではなく、
 「単にいらないから切ったシーン」をつけて
 付加価値感を『おまけ』としたものも
 そう呼ぶように
 なってしまっているようだけれどね」

「そんなことが
 えいがのせかいではあるんですか?」

「あはは。これはどの分野にも起こること。
 『商品デザイン』の話だからね。
 ま、ファンアイテムだから、
 良い悪いの話をしているわけじゃないよ」

「ふむふむ」

「モモ助は?」

「あい?」

「この映画はみたかな?」

「みましたよぅ。
 いまのおはなしの
 『でぃれくたーずがっとばん』ですね。
 さくやさんのいうとおり、
 いんでぃじょーんずのひとの
 なれーしょん、なかったです」

「おお!」

「というか、さくやさんがいってた
 『82年公開版』『ビデオ版』とか、
 あちきのいえのちかくのおみせには
 なかったですよぅ!」

「あー。そうかぁ。そうかもねー。 
 そうだよなぁー…」

「ぎゃくに、
 ちゅうがくせいのさくやさんが
 げきどしたっていう、
 『きゅーぶりっくのえいがの
 かっとしーんのつけたし』が
 みてみたかったです」

「激怒はしてないよ。(笑って)
 君はナレーションはなくても大丈夫だった?
 公開版だとね、
 ハンターとして人造人間を後ろから
 射殺するシーンに
 『女を撃つのは、趣味じゃない」みたいな
 ナレーションが入るのよ。
 それがなんか…」

「『…しものくなど、だそく』ですね?」

「見てるねぇ、『へうげもの』も」

「あい。
 でもでも、
 なんか『くらいみらい』のえいがでしたから、
 あちきだったら、そのなれーしょんがあっても
 いいかもって、おもいます」

「暗い未来?」

「あい。なんか、みんなくらいです。
 おはなが、どこにもさいてませんでしたし」

「あはは。そこ?」

「あい。あちきにはたいせつです。
 なんせこぐまですから」

「いや、その感性は素敵ですよ」

「ですから、『えすえふ』って、
 みんなくらいやつかとおもっちゃいます」

「SFって、
 確か『サイエンス・フィクション』の事だと
 思ってたんだけど、
 『STAR WARS』流行で
 『スペース・ファンタジィ』って
 表現も当てはまるから、こっちじゃねーのか、
 みたいな空気にもなったんだよね」

「いまは?」

「今はSF自体が「死んだ」くらいの
 マイナなジャンルになったと
 言われて久しいからね。どうなんだろう」

「やややっ?! しんじゃったんですか?!」

「社会自体が科学技術を根底として機能する
 『ゆめのみらい』になったからだろうね」

「そうなんですか?」

「モモ助の世代なら、生まれたときには
 携帯…スマホもうそうだけど、
 『極小のPDA」が当たり前に存在して、
 自身に語学力さえあれば、
 自宅の机の前にいるだけで、
 世界中にいる「一般の人々」の
 つぶやきも聞く事ができる。
 これは、30年前は文字通り絵空事でしたよ」

「じゃぁじゃぁ、なんでそのころにつくらた
 えすえふえいがが
 あんなに『くらい』かんじなんでしょう?」

「これは僕の私見だけれどね、
 SFっていうのは、
 それこそ『便利な道具がある世界(物語)』と
 見られがちなんだけれど、
 優れたSF作品というのは、むしろ、
 道具よりも
 「その道具が生み出されている社会」が
 描かれているからと思うんだ」

「しゃかい、ですか?」

「うん。物の道理だよね。
 だから『ブレードランナー』には
 ビルの合間に広告が乱舞しているような
 リアリズムがあって、
 そこに驚いたんだよね。
 しかもそれが日本企業のもので。
 つまり、
 あの映画はアメリカのものだったけれど、
 「巨大広告をうつのは他国の企業」という
 未来を予見していたんだ」

「わかもとだけに『強力』だったんですね?」

「うまいね」

「ややっ?! ほめられちゃいました!
 …ああー。でもでも、そうですねぇ。
 たしかにあめりかのえいがなのに
 『はばをきかせてるのはにほんのかいしゃ』って
 かんじがします」

「だよね。SFの凄さって、そこなんだよね。
 だから、モモ助と一緒にみたでしょ? 
 押井監督の
 『GHOST IN THE SHELL』と『イノセンス』」

「あい。いまでもおはなしは
 よくわかんないところがありますけど、
 『いのせんす』はなんとなくわかるきがして、
 あちきもすきです」

「この2作を見て、どの国を連想しました?」

「…(考えて、気づき)……ややっ?!」

「そう。『GHOST〜』は95年だからね。
 やっぱり予見されてるんだね。
 そのリアリズムだね、
 僕にとってのSFの魅力は。

 だから『PSYCHO-PASS』のシリアルキラー、
 犯罪心理分析、未来の武器、というのは
 魅力なんだけれど、むしろこれらは
 「社会」のディテールであって、
 その社会の根幹を成している
 『管理』の未来像が興味深いんだ」

「でもでも、 
 かんりされるのはいやですよぅ」

「管理が必要な人間もいる」

「そうでしょうか?」

「現実に『自由』と『無秩序』を
 はき違えている人間がいる」

「すとーかーにもこまったですよぅ」

「まったくだねぇ。まったくだよ!」

「でもでも、
 おしいかんとくさんのこのふたつのえすえふも
 なんか、しずかで、くらいかんじがしました」

「だから、
 リアリズムで『人間が作る未来(社会)』を
 考えると、SFというのは、
 Sad Future、になるのかもしれない」

「さっどっ?!
 えーっと…いみをいみを…」

「ふふふ。
 『準備、できてる?』」

「……(やや黙考したあと)
 『…まてば……じしょでよければ』」

「お見事!」

「…でんしじしょのしゅうろくすうは
 こうだいですよぅ」

「あはは」

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最終更新日  2012.12.08 00:21:43


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