「お兄ちゃんのことが好きすぎて
　にゃんにゃんしたいブラコン妹だけど素直になれないの」オオハマイコ



ツンの時は兄を投げっぱなしジャーマン、
デレの時は兄の衣類をクンカクンカという、
兄に対してのツンデレの寒暖が激しすぎる妹が、
ある朝、起きたら猫になっていたという、
カフカの「変身」のような展開から始まるこの作品。

猫の体というアバターを手に入れたことで、
大好きなお兄ちゃんに、抱っこされたり、頭なでられたり、
挙句の果てにはお風呂に入れられたりという展開になるのだが、
とにかくこの時のデレモードが、もはやデレの範疇ではない。
メーターの針が振り切れるほどの「発情」である。

イメージ映像で届けられる人間の姿での発情顔は、
陥落という言葉が相応しいとろけっぷりで、
そのエロさは表情だけで白飯グイグイおかわりできるほど。

予備知識まったくなしで魔に魅入られたように手に取ったこの本。
よくある褒め言葉として「頭が悪い」というのがあるが、
もはやこの作品はそんなソフトな言い回しでは追いつかない。

「圧倒的に気が狂ってる」としか賛辞しようがない。

とにかく一度手に取って読んでみてほしい。
このほとばしる狂気に身を任せ、ただただ妹の発情顔を味わえばいい。
カフカも本当はこんな「変身」を書きたかったはずなんだ。

帯に書かれている、

「サイン入り縞ブラジャー当たる！にゃんブラキャンペーン実施中！」

の文字も決して見逃してはならない。
むしろ本質はここにある。