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立川譲「BLUE GIANT」OSシネマズハーバーランド このブログの「週刊マンガ便」で、何度かご案内している石塚真一のマンガ「BLUE GIANT(ブルージャイアント)」(小学館)がアニメ映画になりました。
せっかくマンガでええ気持ちになってんのに、ジャズとかいうてチンケな音になっとったら台無しやん。 いつもマンガ便を届けてくれるヤサイクンが、そんなふうに言うので、躊躇しましたが、意を決して、あまり行かないOSシネマズ・ハーバーランドにやってきました。 館内には、他の映画の広告はたくさんあるのですが、この映画のポスターや看板は一枚もありません。ようやく見つけたのが上映ホール入り口の電光掲示ポスターでした。あんまり流行っていないのでしょうかね?100人ほどの小さめのホールで客はまばらだったのでほっとして最上階に座ると始まりました。 立川譲監督のアニメ映画「BLUE GIANT」です。 空から雪が降っていて、雪片が大写しされ、マンガでよく知っている宮本大くんがサックスを吹きならす音が天井から聞こえてきて、涙がこぼれてきました。そこから、彼が演奏するたびに涙が止まらない映画でした。 原作は全部で10巻、仙台のバスケ中学生がジャズと出会い、ただ、ただ、ひたすらテナーサックスを練習し、高校を卒業して東京に出て、偶然出会った天才ピアノ少年沢辺くんと、東京で大学生になっていた同級生の素人ドラマー玉田くんでトリオを組み、まあ、宮本大くん当人は世界一のジャズプレイヤーになることを夢見て、やっぱり、ただ、ただ、練習して、やがてヨーロッパに旅立つというお話です。 で、映画は10巻の長いお話の、まあ、ほぼ、東京編という場面設定で、うまくまとめられていました。何がうまいかというと、根性の入った大音響で吹く宮本大くんの練習のシーンではなくて、楽曲というか、音楽としてのジャズを見せる、いや、聞かせるのを映画の狙いにしているところで、これが素晴らしいのです。 ぼくはジャズどころか、音楽についてもよくわからない老人ですが、この映画の演奏のシーンで聞こえてくる音、あるいは音楽には、繰り返し涙がこぼれました。 素人ドラマーの玉田くんのリズムが、シーンを追うにしたがって、だんだん様になっていくのを、プロの演奏家が作っていると思うのですが、すごいもんです。 お話は知っているわけですが、音が入って、本物のジャズ・マンガになったと思いました。ピアノのシーンなんて、ただ、ただ、驚きの連続でした。言葉ありません、ただ、ただ、拍手!です。 ヤサイクン、見たほうがええと思うで!監督 立川譲 原作 石塚真一 脚本 NUMBER 8 総作画監督 高橋裕一 美術監督 平柳悟 撮影監督 東郷香澄 編集 廣瀬清志 音楽 上原ひろみ 演奏(サックス) 馬場智章 演奏(ピアノ) 上原ひろみ 演奏(ドラム) 石若駿 アニメーション制作 NUT 声優 山田裕貴(宮本大) 間宮祥太朗(沢辺雪祈)・ 岡山天音(玉田俊二) 2023年・120分・日本 2023・02・27-no28・OSシネマズno14 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.15 23:21:14
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