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燕云台 The Legend of Xiao Chuo 第46話「果たされた誓い」 聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)も立后する年頃になった。 隆緒は后族の血を引く蕭菩薩哥(ショウボサツカ)を見初め、蕭燕燕(ショウエンエン)も菩薩哥を娶ることを許す。 報告を聞いた韓徳譲(カントクジョウ)は燕燕の息子と自分の姪の良縁を喜び、しみじみ時が経つのは早いと実感した。 すると燕燕は自分たちも長い年月を無駄にしたと漏らす。 「…私はこれ以上、待ちたくない」 聖宗は菩薩哥を妃に迎え、皇后に封じると聖旨を出した。 しかし韓徳譲を目の敵にする耶律虎古(ヤリツココ)は不満を募らせる。 皇太后が蕭家の後継である蕭継先(ショウケイセン)の娘ではなく蕭隗因(ショウカイイン)の娘を選んだのは徳譲の妹の娘だからだろう。 「太后の身内が皇后になるのではない、韓徳譲の姪が皇后になるのだ」 そこで虎古は皇族たちを引き込み、朝議で突然、皇太后の隠居を上奏した。 「太后は先帝の遺命で陛下を補佐して来ましたが、陛下はすでに成人されました 太后は朝堂から退き、陛下に実権をお渡しすべきです、我ら老臣が全力で陛下をもり立てます」 太后はお退きください!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<我らが全力で陛下をもり立てます! 燕燕は激怒し、年若い聖宗を傀儡にするつもりかと反発した。 すると虎古はこれまでの鬱憤が爆発、皇太后が契丹人を蔑ろにして親戚や漢人を重用していると非難し、韓徳譲に皇族の私兵である斡魯朶(オルド)を与えたことを揶揄する。 「なぜ韓徳譲を特別扱いするのです?…韓徳譲よ、もしやお前の後ろ盾が先祖を敬わぬ太后ゆえか?」 「ふぁんすー!耶律虎古、口を慎め!」 「お前こそ口を慎め!漢人の分際で契丹のことに口を出すな!」 大于越(ダイウエツ)・耶律休哥(ヤリツキュウカ)は相父である韓徳譲を侮辱しないようたしなめた。 しかし磨魯古(マロコ)が父に加勢、思わぬ暴言を吐いてしまう。 「太后には徳がなく国の災いとなる!韓徳譲との関係は周知の事実だ! 先帝と陛下の面目を保つためにも太后を廃位すべきだ!」 磨魯古の不敬に朝堂は紛糾、休哥は法にのっとり直ぐさま磨魯古を捕らえるよう命じた。 そこで燕燕は虎古が私欲から臣下と結託したと追及し、聖宗に処分を委ねる。 聖宗は虎古が老臣であることから穏便に済ませると見逃したが、ただし太后と相父が自分を補佐しているのは先帝の遺命であると釘を刺した。 「遼と同じく朕にもまだ太后の庇護が必要だ、太后の隠居は二度と求めぬように…」 事態を重く見た燕燕はいずれ聖宗に新政させるにしても、礎を築くまでは決して退かないと断言した。 燕燕は聖宗の采配に従って耶律虎古を不問とした。 しかし憤まんやる方がない虎古は夜のうちに準備を整え、ついに翌朝の朝議で謀反を起こす。 「お前たちこそ逆賊だ!遼の古くからの法を変えようとした!かような事態を見過ごせるものか!」 朝堂で皮室軍と反乱軍の激しい戦いが始まった。 やがて虎古が隙を見て燕燕を襲撃したが、韓徳譲が身を挺して守る。 徳譲は背中を斬られながら力を振り絞って虎古を退け、その場で成敗した。 謀反は失敗し、反逆した皇族たちは降伏した。 実は昨夜、町を警戒していた耶律斜軫(ヤリツシャシン)は不穏な動きを察知、そこで燕燕は先回りして逆賊たちの家族を保護しておいたという。 「お前たちは老臣であり遼への忠誠心もある、死罪は免じよう 各自に草原の一部を与える、勅命なくば帰京は許さず、家族に会ってはならぬ 子孫3代、要職に用いることはない」 燕燕は自分をかばって怪我をした韓徳譲を自ら手当てした。 「私が危機に陥るたび、あなたが守ってくれる…」 すると徳譲は涙ぐむ燕燕の手を握りしめ、こうして燕燕を守ることができるだけで満足だという。 「怖かったわ…あたなを失うのではないかと…」 「我らはかつて燕雲台で縁を断たれた、だが君への想いは一度も変わっていない 二度と君から離れず、永遠に見守り続けるよ、何も心配するな」 「…あなたと夫婦になりたい、この蕭綽(ショウシャク)、先帝や民に恥じることは何一つない 自分のために生きるわ、もう二度とあなたを裏切らない」 燕燕はどうせ何をしても否定されるなら、いっそのこと一緒になって堂々と並んで立ちたいという。 そんな燕燕を徳譲は黙って抱きしめた。 大丞相府に皇太后が文武百官を引き連れてやって来た。 韓徳譲が出迎えると、燕燕はかつて韓家に嫁ぐためあつらえた漢式の婚礼衣装を身にまとっている。 すると宮女たちが新郎の婚礼服を差し出した。 「…なぜ私に相談しないで決めた?」 「話をしたけどすぐ答えてくれなかったでしょう?」 「はお、君に従うよ」 大丞相府で燕燕と韓徳譲の祝宴が始まった。 突然のことに面食らう臣下たちだったが、皇太后の聖旨の内容を聞いて驚愕する。 燕燕は玉田(ギョクデン)韓氏一族を脱籍させ徳譲に耶律姓を下賜、季父房(キフホウ)に加えるとした。 これにより徳譲の地位は親王の上となり、今後は朝堂でも拝跪の必要はないという。 ザワザワ…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ… 祝宴は騒然となったが、そこへ聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)が妹と弟を連れてやって来た。 「隆緒、相父は皇族に名を連ねた、これからはおじ上と呼びなさい」 聖宗は祝辞を述べ、臣下たちをなだめるために列席した大臣には銀千両を与え、爵位を1等級あげるとし、民の税を1年ほど免じて大赦を行うと伝えた。 燕雲台で愛を誓い合った燕燕と徳譲がついに結ばれ、それから数年が経った。 南朝では出征の経験もない三皇子が新帝に即位し、老臣はこれが遼にとって反撃の好機だと進言する。 すると聖宗が強大な軍隊である皇太妃の国阿輦(コクアレン)斡魯朶を加勢させてはどうかと提案した。 確かに胡輦は阻卜(ソボク)を平定し、女真(ジョシン)を破り、遼の情勢を安定させている。 その時、思わぬ上奏があった。 噂によると皇太妃が寵愛する馬丁を将軍にして近衛を率いさせたため、諸将の不満を招いたという。 燕燕は皇太妃には自由に将軍を選ぶ権利があるとかばったが、噂の出どころが聖宗だと怪しんだ。 燕燕は聖宗が北方の様子を探らせていると知っていた。 もちろん北の国境は重要だが、聖宗は色恋沙汰を理由に大姐の兵権を奪うつもりだろう。 燕燕は不満げだったが、韓徳譲が聖宗の考えにも一理あると援護した。 色恋沙汰はさておき、これで国阿輦の兵権を没収できれば好都合だという。 「…太后としては兵権をよそ者に渡せぬ、しかし妹妹としては大姐を傷つけたくない」 しかし燕燕は重い腰を上げ、自ら北方へ足を運ぶと決めた。 …当初、皇族たちは皇太妃の軍隊保持を口実にして兵権の返上を拒んでいた このことが最大の脅威と見なされてしまう 燕燕はたとえ遼の平和のために大姐の兵権を没収しても、大姐を守れると思っていた それがまさか… 燕燕は大姐が一から築き上げた可敦(カトン)城に入った。 長い年月が姉妹の溝を埋めていたが、胡輦は決して君臣の垣根を越えることはない。 燕燕はそろそろ上京に戻って欲しいと頼んだが、その時、噂の将軍・撻覧阿鉢(タツランアハツ)が宴の席に現れた。 「小胡輦!今日の獲物は何だと思う?」 「ふふ、先に太后に挨拶して」 「君が燕燕か、話は聞いている、私は撻覧阿鉢だ」 礼儀を知らない撻覧阿鉢の態度に宴席は凍りつき、高六(コウリク)が慌ててたしなめる。 「撻覧阿鉢将軍!お慎みください」 しかし胡輦が皇太后なら何も言っていないと撻覧阿鉢をかばった。 皇太叔の死後、ずっと皇太妃を支えて来た高六は何ともやるせない。 そこで韓徳譲が間に入り、撻覧阿鉢将軍は噂通り非凡な人だと褒めて収めた。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)何これ~こんなやりたい放題でいいの?w ってか聖宗が急に老けちゃった! 胡輦はロマンス詐欺に引っかかってるし…ってえ?違うか?ε≡( 「ε:)ノ いよいよ来週は最終回、大姐の運命やいかに! お楽しみに〜(^ꇴ^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.11.14 13:27:37
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