|
驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper 第3話 鮫人(コウジン)は紀雲禾(ジーユンファ)がくれた仙薬・凝雪丸(ギョウセツガン)を試しに飲んでみた。 すると傷がみるみる治って霊力が復活するのを実感する。 しかし急に洞窟の岩壁が真っ赤になり、鮫人は熱波に苦しみ始めた。 その頃、雲禾は鮫族に関係する文献を読んでいた。 すると瞿暁星(クギョウセイ)が駆けつけ、林昊青(リンコウセイ)が熱で鮫人を追い込んでいると報告する。 雲禾は無駄だと呆れたが、その時、かつて漁師に助けられた鮫人が鮫珠(コウジュ)で恩返しをしたという記述を見つけた。 「林昊青の非情な仕打ちに苦しむ鮫人を私が助ければいいのね…」 しかしこれは林昊青の罠だった。 雲禾のこと、この機会に必ず鮫人を助けて信頼を取り戻そうとするだろう。 牢破りの幇助は重罪だ。 実は雲禾も師兄の謀だと気づいていた。 それでも洛錦桑(ルオジンサン)と瞿暁星に目くらましを頼み、あえて鮫人を居所にかくまう。 鮫人はまだ雲禾を警戒していたが、雲禾は自分たちの境遇が似ているため助けたと説明した。 「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、あなたは海中でこそ自由に生きていける 何を言われたのか知らないけれど、私たちはこの谷で生き延びなくては…あなたを死なせないわ」 すると外から思語(シギョ)の声が聞こえた。 「紀護法!出て来てください!」 雲禾は鮫人に隠れるよう伝え、独りで出て行くことにする。 その時、鮫人がついに口を開いた。 「雲…禾…危険だ…」 「口が利けるのね!…信じて、あなたを必ず守る 陸の掟よ、借りは必ず返すこと、凝雪丸の借りを返してよね♪」 雲禾は笑顔で部屋を出た。 林昊青たちは雲禾が鮫人を脱獄させたと追及、部屋を捜索すると迫った。 しかし雲禾は鮫人ならここにいないと嘘をつき、どうしても強行するなら遠慮しないと剣を招喚する。 その時、昊青の後ろにいた思語が卑怯にも暗器を放った。 雲禾は咄嗟に避けたが、わずかに首を切られてしまう。 そこへ騒ぎに気づいた卿舒(ケイショ)がやって来た。 雲禾は態度を急変させ、実は鮫人が林昊青に殺されかけたため、やむを得ず避難させたと説明する。 「谷主に″鮫人が話をした″とお伝えください」 「少谷主と紀護法は私と共に歴風堂(レキフウドウ)へ…」 谷主・林滄瀾(リンソウラン)は鮫人の口を開かせた雲禾に約束通り望みの褒美を与えると言った。 しかし証言だけでは真偽のほどが分からず、改めて明日、鮫人が口を利くか否か確かめに行くという。 計画が失敗した林昊青は怒り心頭で居所に戻った。 すると思語は明日には雲禾の顔を見ることもないと安心させる。 実は思語は暗器に自分の血をつけて雲禾に放っていた。 猛毒を含む鉤蛇(コウジャ)の血、雲禾は今夜を越せないという。 逆上した昊青は思わず思語の首を締め上げたが、ふと手を離した。 「解毒薬を…早く出せ!」 洛洛が心配して待っていると、雲禾がふらふらになりながら戻ってきた。 「どうしたの?!」 「傷口から毒が…」 雲禾はそのまま意識を失い倒れた。 なす術なく涙に暮れる洛洛、しかし鮫人が自分を守ってくれた雲禾のため自ら鱗を剥がし、解毒してくれる。 雲禾は驚いたことにすぐ目を覚ましたが、今度は鮫人がいきなり卒倒した。 「大尾巴魚!」 雲禾は寝台で眠っている鮫人を眺めながら、自責の念に苛まれた。 「大尾巴魚…ありがとう、でもごめんなさい、明日には私の嘘に気づいてしまうのね」 すると洛洛が鮫族は鱗を剥がすと骨を刻まれるような苦痛に襲われると教えた。 「私、この魚が気に入ったわ!全身お宝だらけなんて~」←( ๑≧ꇴ≦)www その時、鮫人が目を覚ました。 「ここまですることないのに…」 「君は恩人だ、だから鱗をあげた…」 「ふふ、黙っていたのは陸の言葉が苦手だからね?」 そこで雲禾は自分も谷を出たいと打ち明け、明日、手筈を整えたら一緒に逃げようと誘った。 鮫人は小さくうなずくと、ようやく自分の名前を教える。 「長意(チャンイー)…」 洛洛は鮫人が親しい相手にしか名乗らないはずだと驚いた。 つまり長意は雲禾を友と認めてくれたのだろう。 その夜、林昊青は雲禾に解毒薬を届けた。 「お前に何かあれば俺が疑われるからな」 「兄長は誤解している、誰かを傷つける気はない、勝ちたいだけよ」 「必ず勝つと?…分をわきまえねば身を滅ぼすぞ?」 すると昊青は帰って行ってしまう。 その頃、長意は雲禾と逃げるため、懸命に涙を流していた。 美しい涙は鮫珠となり、これで雲禾に恩返しができる。 しかし密かにその様子を見ていた雲禾は明日のことを思うと胸が痛んだ。 ↓頑張って泣いてる大尾巴魚w 翌朝、雲禾の居所に谷主と戦部たちが集まった。 果たして鮫人の声は聞けるのか。 すると雲禾はひとまず部屋に入って戸を閉め、長意に説明することにした。 「大尾巴魚…」 しかしその時、突然、窓を突き破って猛牛の悪霊が飛び込んできた。 雲禾と長意は協力して悪霊を撃退した。 しかし外へ飛び出した悪霊が谷主と対峙、弟子たちに緊張が走る。 その時、ちょうど万花谷へ戻った戦部統領・雪三月(セツサンゲツ)が剣を放ち、悪霊を見事に仕留めた。 雪三月は西山(セイザン)で馴らした獅子の霊丹を谷主に献上した。 その時、遅れて林昊青が駆けつけ、雲禾に早く鮫人の声を聞かせろと迫る。 雲禾は師兄の仕業だと気づき、谷主に悪霊が結界の中で暴れるとはおかしいと訴えた。 すると昊青は自分が以前に仙師の命令で霊丹を潰した猛牛が悪霊と化してさまよっていたと説明し、不運にも雲禾の邪魔をしただけだという。 部屋からその様子を眺めていた長意は結局、昊青の言い分が正しかったと気づいた。 雲禾は長意に歩み寄り、改めて説明すると訴えたが、すでに長意の信頼を失ったと知る。 「谷主…功を焦って期待に背きました」 長老たちは雲禾の教化が失敗だったと断定し、鮫人の御霊から外すべきだと訴えた。 雲禾は責任を取って護法を辞任すると申し出たが、教化は続けるという。 「私は仙姫から鮫人の強化を命じられました、長老に私を外す権利があると? …私は心配なのです、姑息な者が勝てば谷の秩序が乱れます」 雲禾は暗に師兄を批判、すると谷主は雲禾に最後の機会を与えることにした。 しかし今日から修行に入るため、冷静で公正な雪三月に意見を求める。 「教化の期間をそれぞれ3日ずつとし、それ以外の手出しを禁じてはどうかと…」 「いいだろう、では三月に教化の監督を任せる」 昊青はなぜ雲禾がここまで鮫人に執着するのか分からなかった。 どちらにしても雲禾とはこのまま争い続けるしかないらしい。 一方、卿舒もなぜ谷主が雲禾に強化を続けさせるのか分からなかった。 すると谷主は息子が自分の力で勝たなければ、皆の上に立つことはできないという。 「しかしもし修行中に紀雲禾が成功したら…」 「かまわぬ、昊青が冷徹に徹すれば最後にどちらが勝っても万花谷の功となろう」 長意は再び思過窟でとらわれの身となった。 雲禾は誤解を解こうと早速、洞窟へ向かったが、三月に追い返されてしまう。 「隠匿が誤解だったとしても掟に反したのは事実、3日間は謹慎するように…出て行って」 「拒んだら?」 「谷主に代わり厳罰を下す!」 そこへ林昊青がやって来た。 「雪統領は万花谷で谷主に次ぐ法力の持ち主、お前には勝てぬぞ」 すると思語は挨拶がわりに統領へ宝剣を贈ることにした。 いつもの工作に呆れる雲禾と洛洛、しかし三月は歯牙にも掛けず、昊青にも罰を与える。 「紀雲禾を襲った悪霊を放ったのはあなたでしょう?悪霊を操ることは掟に反す あなたも紀雲禾同様、3日間、謹慎しなさい 思過窟は封印し立ち入りを禁ずる!2人とも外へ…」 雲禾は偶然、雪三月と離殊(リシュ)が一緒にいるところを見かけた。 離殊は三月の仙侍で山猫族、神獣陸吾(リクゴ)の傍系で霊力も大したことはない。 しかし雲禾は2人の関係を怪しみ、その夜、洛洛と離殊の居所を見張ることにした。 雪三月にも弱みはあるはず、長意をなだめるためには雪三月を懐柔するしかない。 すると離殊が付近を警戒しながらどこかへ出かけて行った。 雲禾と洛洛は離殊のあとを追いかけ、結界の中へ入ったが…。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)ルオルオw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.04.03 23:18:54
コメント(0) | コメントを書く
[馭鮫記(ギョコウキ)前編:月に君を想う 全22話] カテゴリの最新記事
|