テーマ:食べ物あれこれ(49881)
カテゴリ:料理・パン焼き・菓子・食材
シンプルなテーブルセッティング posted by (C)solar08シュテッヘルさん夫婦のダイニングルーム ハンスアルベルト・シュテッヘルさんは、フライブルクやバーデン地方では「有名人」です。 本業は弁護士なのですが、バーデン新聞に男性でも作れる料理や菓子のレシピを紹介したり、イベントで料理を実演したり、料理の本を出版したりして、ファンがたくさんいます。 妻のレナーテさんも有名。本業は大学の学生部ですが、共著者といっしょに「フライブルク推理小説」のシリーズを書いて、成功しています。 シュテッヘル夫妻が住むアパルトマンのある家には、私の旧友の一人も住んでいる関係で、かなり昔にシュテッヘル夫妻と知り合いました。 10年ぐらい前に、ひょんなことから、シュテッヘル夫妻やこの旧友たちを我が家に招待して、日本のごくふつうの家庭料理を紹介して、みんなでいっしょに作り、食べたことがあります。 作ったのは、ごま和え、鶏の唐揚げ、煮込みとか八宝菜などの簡単なものばかりです。その時、彼らが言った感想は「こんなに砂糖を入れるとは」でした。 この時の「お礼」として、今度はシュテッヘルさんが私を彼のキッチンに招待してくれ、ドイツ料理をいっしょに作ることになっていたのですが、10年たってやっとその約束が実現しました。 丸鶏をさばくシュテッヘルさん posted by (C)solar08 献立は、スープ、サラダ、コック・オ・ヴァン(鶏の赤ワイン煮)ならぬコック・オ・リースリング(白ワインのリースリングで煮た鶏)、付け合わせはシュヴァーベン地方(南ドイツ、シュトゥットガルトを囲む地域)の名物、シュペッツレです。 6時半にうかがって、みんなでがやがや喋りながら、エシャロットを刻んだり、シュペッツレ用の生地をこねたり。 シュペッツレというのはいわばすいとんのような手作りヌードル、粉、卵、水のかなり流動的な生地をこねにこねて、空気を入れこみます。 シュペッツェルの生地をこねる posted by (C)solar08 シュテッヘルさんは、さばいた丸鶏2羽の表面をバターで焼きます。 レ・クルゼの鍋でエシャロットをオリーヴ油、バターで炒めてから、リースリングワイン750ml、鶏ガラスープなどを入れて煮立て、鶏肉を加えてゆっくり煮込みます。 鶏を煮ている間に、食事の開始。 スープ(コンソメのクリアスープに、細切りにしたクレープを入れたもの)、季節のマーシュのサラダをいただきました。 いいことを教わりました。コンソメスープにナッツメッグを少々削り入れると、すばらしい味になるのです。 これらの前菜が終わってから、みんなでシュペッツレ作りに挑戦。これがむずかしいの。 ドロドロの生地を少しずつ、専用の板(先が薄くなっている)に薄くのばしつけ、煮立った湯に板の先をつけて、専用の金属へら(スケッパーに似ている)で、生地を手早く、ひっかくようにして、ほそーくそぎ入れていくのです。 沸騰した湯にシュペッツェル生地をそぎ入れるレナーテの手 posted by (C)solar08 レナーテさんの手さばきは慣れたもの。見えないほどのスピード(1秒に2往復ぐらい)で、見えないほど細い生地が湯の中に入っていきます。 私がすると、 恐る恐る生地をそぐ私の手 posted by (C)solar08 おっかなびっくり、ゆっくりひっかうと、一度にたくさんの生地が流れて、すいとんのような太いヌードルになってしまいます。 お客さんも挑戦 posted by (C)solar08 料理は苦手そうなお客の一人(建築家)も挑戦。太さが様々なシュペッツレができあがりました。 生地は一度に全部茹でるのではなくて、各自が入れた分だけ、毎回2、3分茹で、網ですくいあげます。 ゆであがったシュペッツェル posted by (C)solar08 すべてゆで上がったら、フライパンでバターをからめるようにして、ざっと炒めます。 みんながシュペッツレで騒いでいる間に、シュテッヘルさんは鶏肉をとりだしてオーヴンで保温し、ソースに生クリームを加えて少々煮詰めます。 前菜を食べてから1時間たって、やっと主菜の出来上がり。 コック・オ・リースリングとシュペッツェル posted by (C)solar08 上等のリースリングが利いたソースをシュペッツレにからめると、それだけでおいしい。柔らかく煮えた鶏のモモも最高。 ここまでで、時計はすでに10を過ぎていました。 「デザートに焼きリンゴはどう?」というシュテッヘルさんの提案に、私はもちろん手を挙げました。 お客さんたちが芯をとったリンゴに、シュテッヘルさんは、 ジャム、マジパン、チョコレートを詰めたリンゴ posted by (C)solar08 市販のマジパンの小片、チョコレート、ベリーのジャム、マルメロのジュレを詰めました。バターもシナモンも入れない焼きリンゴは私には初めて。 リンゴが焼けるまでまたおしゃべり。11時すぎて、やっとできあがり。 焼きリンゴにアイスクリームをのせて posted by (C)solar08 チョコレートの甘みとリンゴの酸っぱさの組み合わせ。私にはなじめない味でしたが、こういう方法もあるというのは興味深いです。 そのあと、エスプレッソもいただいて、「ごちそうさま、お休みなさい」とシュテッヘル夫妻においとまを告げたのは、夜中の12時すぎでした。こうやって、料理を次々と続けていただくのではなくて、間をおいていただくのも悪くないな、みんなで参加型のごちそうも悪くないなっと思いました。 なによりの収穫は、やっぱりシュペッツレの実習でした。今までは乾麺シュペッツレを買ってましたから。 左から二番目レナーテ、右から二番目シュテッヘルさん posted by (C)solar08 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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