夕暮れ時の匂い・・
子どもの頃から、そしていまと変わらぬお気に入りの時間があるその時間とは,夕暮れ時が一日の中で私の一番のお気に入り・・春は少しずつ明るさを増した陽の光があたりをほんのり染め夏は夕暮れから夜の帳との間に淡い紫色の夕景が夏の色となり秋はさわさわと葉が風に揺れながら、空一面が夕焼け色に包まれ冬は4時ともなるとあたりが薄い幕を帯び始める・・子どもの頃は、母に「家に灯りが点き始めたら帰ってきなさい」と言い聞かされ、少し遊んで帰りが遅くなると「家の灯りが目に入らなかったの?」と叱られたいまはもう、帰宅が遅いからと叱られることはないけれど幼い頃からの習慣で誰にいわれなくても夕暮れ時は”家に帰ろう!”と自然にそう思うようになっている・・夕暮れ時の帰り道には、家々からの夕餉のいい匂いがして台所からトントントンとリズミカルな包丁の音・・お風呂の沸くお湯の匂い、夕暮れ時に水遣りする土の匂いこういう匂いは私には幸せの匂いとして感じられる我が家の近くの公園の歩道沿いに私のお気に入りの家があるもう古くなった家だけど、懐かしい香りのする家・・家にも香りがあるこの家の写真を額仕立てにしてみた