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テーマ:ワイン大好き!(30387)
カテゴリ:建築・都市・建築家
日経新聞によれば、
地球環境産業技術研究機構は、本田技術研究所と共同で、 雑草を原料に汎用樹脂のポリプロピレンを 合成する技術を開発したという。 ポリプロピレンは自動車部品や包装材など 様々な分野で使われているものであり、 量産化できれば、石油を原料にしなくても済むようになり、 地球温暖化対策に役立つというもので、 3、4年後を目標に実用化するという。 脱石油の技術開発はバイオエタノールなど 燃料分野で先行していたが、プラスチック分野 にも展開してきたようである。 植物に含まれる繊維(セルロース)を糖に分解した後、 遺伝子を組み換えた大腸菌などの微生物を利用して、 アルコールの一種(ブロパノール)を作る。 これを使って、ポリブロピレンを合成するという。 雑草2~3kgからポリプロピレン1kgができるという。 植物を原料にしたプラスチックとしては、 トウモロコシなどを原料にポリ乳酸と呼ぶ樹脂が 作られている。ただ、食糧のために原料価格の高騰を招いている。 また、性能面でも耐熱性や強度で課題があり、用途が限られていた。 ポリプロピレンは、フィルムや容器、自動車部品として使われる 汎用樹脂で、国内生産量は年間約300万トンに及ぶ。 開発した技術を利用すれば、幅広い用途での代替が期待されている。 石油からプロプロピレンを作る既存設備も活用できるため、 量産が可能であると言う。 植物原料のポリプロピレンは、バイオエタノールと同様に、 地球温暖化対策として期待されている。原料となる植物の生産工程 などを考慮しても、石油から作る場合に比べ、CO2を 約3分の1に削減できるという。 植物から汎用樹脂を作る試みは海外でも盛んであり、 米ダウ・ケミカルはブラジル企業と共同で、 サトウキビ由来のバイオエタノールを原料に、 レジ袋や容器などにつかうポリエチレンの生産に 乗り出しているという。 今回の開発の特徴は、雑草からポリプロピレンが合成出来、 しかも、石油から作る場合と比べてCO2排出が3割に すぎないことにあろう。 資源・エネルギー・環境問題で、 負のエントロピーである太陽エネルギーのフローの雑草 (化石燃料でないということ)から 直接的に汎用樹脂ができるということは、 将来的には、この分野でCO2の大発生源である石油を 使わなくて済むことであり、なおかつ、 農業の廃棄物である雑草を原料とすることである。 出来上がった汎用樹脂に関しては疑問が残るが、 それ以外の材料の残りかすなどは、 太陽エネルギー(負のエントロピー)が引き起こす 水と大気の大循環により、分解され、運ばれて、 宇宙空間に正のエントロピーを放出できることが重要である。 地球レベルでの資源・エネルギー・環境問題の 解決法に化石燃料資源を使わず、 太陽エネルギーのフローである雑草を利用出来ることは、 ひさびさに登場した、明るい話題であると確信できそうである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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