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テーマ:ワイン大好き!(30339)
カテゴリ:建築・都市・建築家
日経新聞によれば、 政府の「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」 (座長・岡村正東芝会長)は2008年1月31日午前、 国家公務員の人事を一元管理する「内閣人事庁」の創設や、 幹部を固定するキャリア制度の改革を柱とする 最終報告書をまとめたという。 国家公務員法改正案などの関連法案を 2011年の通常国会までに提出し、 2013年までに実現する様求めるという。 近く福田康夫首相に提出するという。 政府は3月上旬に改革の大枠を定める 「国家公務員制度改革基本法案」(仮称)を 国会に提出する方針だという。 提言の柱は各省縦割り主義からの脱却だという。 内閣人事庁を創設し、総務省や人事院などに分散している 人事関連機能を集約するという。 閣僚が実質的に省庁幹部の人事を決める仕組みをつくるという。 首相官邸の政策立案機能を補佐する「国家戦略スタッフ」 の創設も求めるという。 しかし、各省縦割り主義は、単に、国家公務員になってからの問題 であるとは考えられず、大学・大学院等の高等教育機関の教育が 縦割り(すなわちスペシャリスト教育) になっていることにも大きく由来していると考えられる。 その状況を建築家architectの教育問題から見てみよう。 森田慶一によれば、建築architecuturaとは、語源的には、 「諸技術の原理的知識をもち、 職人たちの頭に立って制作を指導しうる工匠の術」を意味し、 ローマ時代のウィートルウィウスの建築書は、 単に建築術だけでなく、土木技術・機械技術・造兵技術など 高度の知識を必要とするいわゆる大技術一般を含む広範な技術 の書であり、しかもそれら諸技術の基礎となる自然科学的知識を網羅 したいわば大技術の全書であった。 そして、この大技術の中で中心的位置を占めているのが われわれの言う建築なのであるという。 ルネサンスの時代までは、ダビンチやミケランジェロに見る様に、 建築家は彫刻から都市の設計まで広範囲に関与し、 ジェネラリストであることが見て取れた、 それが、昨今の建築養成学校は、ヨーロッパ等に見る様に 建築学部ではなく、工学部の一部分として建築学科の スペシャリスト教育にゆだねられている。 語源的にジェネラリストの建築家がそうであるから、 他の学問領域の教育をしている、大学等の高等教育機関 自体が縦割り構造であり、スペシャリストの教育をしている のが現状である。 そうした、スペシャリスト教育を卒業した優秀な学生が 官僚機構を構成しているのであれば、 縦割り型社会が居心地いいに決まっているわけである。 これからは、高等教育機関で、 スペシャリストだけでなくジェネラリストを養成し、 その人格を官僚機構にとりこまなければ、 相変わらず、各省縦割り主義に固執する可能性が 高いことは至極当然のことである。 高等教育機関の鏡が、官僚機構であることを 改める必要がある今日この頃であろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 1, 2008 02:10:15 AM
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