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2007.07.17
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カテゴリ:Jリーグ観戦記
7月15日 ナビスコカップ準々決勝第2戦@国立競技場 10,107人(18%)

川崎フロンターレ 4-2 ヴァンフォーレ甲府

【得点者】

前半12分 須藤大輔(ヴァンフォーレ)
前半29分 谷口博之(フロンターレ)
後半19分 谷口博之(フロンターレ)
後半29分 須藤大輔(ヴァンフォーレ)
後半43分 鄭大世(フロンターレ)
Ex2nd8分 黒津 勝(フロンターレ)

 世間の関心は、光陰矢のごときスピードで移ろう。案の定、カナダでサプライズを見せたU-20日本代表については、筆者の周辺でも話題にすらのぼらなくなった。スポーツ紙のほんの片隅で、日本を破ったチェコの見出しがいまさらのように寂しく踊る。PK戦でスペインを下し、ベスト4に進出したのだ。だが、彼らがどんなチームだったのかは知るよしもない。九州をさんざん荒らしまわった台風4号も、列島の南に傷跡だけを残し、まるで何事もなかったかのようにスタジアム上空に虹の橋を架けた。

 ACLを闘う浦和レッズは前日、雨の万博競技場で2-5というスコアで完敗している。トゥーリオが負傷、ワシントンが帰国、鈴木啓太に加え、坪井慶介と阿部勇樹を代表に奪われたレッズは、たしかに苦しい。しかし辛い台所事情は「強豪」と言われるクラブが世界共通に抱える悩みの種だ。立ち塞がる困難を乗り切ってこそ、クラブの発展はある。

 浦和レッズと共にACLを戦う川崎フロンターレも、MF中村憲剛とGK川島永嗣を代表招集で失い、アウェイの小瀬で行なわれたナビスコカップ第1戦を2-3で落としている。昨季からアウェイゴール制が導入されているため、フロンターレはすくなくとも2-1か1-0でヴァンフォーレ甲府から勝利を奪わなければならなかった。しかし前半のフロンターレは、「中村憲剛のチーム」という印象を図らずも露呈する。彼ひとりがいないだけで、チームがもつ表情は著しく変貌する。配球の起点を失い、相手から恐怖感を奪っていた。

 この日、ホームでサンフレッチェ広島に完勝した鹿島アントラーズも準決勝(=10月10日&13日)進出をはたした。OBになったばかりの本田泰人のインタビューを来週24日に当ブログにてアップの予定だが、「本田技研のときからよく知ってるんですけど、セキさんは素晴らしい指導者だと思いますね」と、先輩格にあたる元チームメイトを絶賛した。

「いい素質をもった選手の力を、さらに伸ばしていく才能があると思います。チームのバランスを客観的に考えられる監督なんじゃないですかね。アントラーズに帰ってきてほしいけど、フロンターレがまず出さないでしょう」と、ライバルチームの関塚隆監督を手放しの褒めちぎりようである。

 前半戦終了後のオフ、しかも司令塔を欠き、マギヌンも負傷離脱という難しい状況のなか、指揮官はどう乗り切ろうと考えたのか。残念ながら「それについてはあまり話したくない」と会見場で口をつぐんだままだったが、パスワークよりも個人の力による前線突破がいつもより数多く見られた。その象徴となったのが、182cmのハードワーカー・谷口博之にトップ下を任せたことだった。ヴァンフォーレ4バックの平均身長は、じつは175cmしかない。フロンターレの183cmとくらべると、見劣りするのはどうしてもやむをえない。だがヴァンフォーレは、前がかりになりたがる元気なチームだ。高い位置からのポゼッション・サッカーが機能するかしないかで、結果は大きく変わる。第14節のジュビロ磐田戦のように、ポゼッションを失うとカウンターを喰らい、1-6という大敗をきっしてしまうのである。

 5月10日の第10節から6月20日の第16節まで、大木ヴァンフォーレは1ヶ月以上にわたって勝ち星に恵まれていない。しかし17節で大分トリニータを完封し、リズムを取り戻しつつあった。

 前半10分過ぎ、虹が去った空を霧雨が占拠する。ただでさえ滑りやすいピッチだ。いかに多くのシュートを撃ち、GKのミスを誘うか。より攻撃的である側に可能性が広がった。

 12分、その予感が的中する。ヴァンフォーレの左アタッカー・宇留野純が、フロンターレの右サイドバック・森勇介のボールコントロール・ミスを見逃さずに奪取、第1戦でハットトリックを決めた須藤大輔が川崎のゴール右隅に流しこんだ。

 しかし時間の経過とともに、谷口の動きが効いてくる。彼をワンポジション上げたために、この日のボランチはリーグ戦フル出場2試合のみの落合正幸と、同じくゼロの原田拓にコンビを組ませた。マギヌンの穴は、同じく1試合のみの久木野聡が埋めていた。29分、ジュニーニョのヒールパスを拾った鄭大世(=チョン・テセ)が縦にスルー、そこへ走りこんだ谷口が右30度の角度から同点ゴールを決めたのだった。

 さらに後半19分には、原田の右コーナキックに頭を合わせたテセのシュートに、谷口が頭から飛び込んで追加点をあげる。厳しい状況のなか初タイトルを狙う関塚監督の采配が、見事に当たったかっこうだ。

 だがこの日の濡れたピッチに最も苦しんだのは、今季初出場となるGK相澤貴志だったろう。森のスローインがスッポ抜けた場面もあったほどだ。キャッチングやゴールキックでミスを連発し、川島永嗣との差を埋められないでいた。そんな矢先の後半29分、ヴァンフォーレのセンターバック・池端陽介のミドルシュートを相澤が弾き、今最も乗ってる須藤に同点弾を浴びた。引き分けでは、フロンターレ準決勝への道は閉ざされる。残り約15分の闘い方が、両チームの選手に問われることになった。

 残り2分、スタンドから祈るように見守る川崎サポーターの期待に応えてみせたのは、右アタッカーのテセだった。今季リーグ戦でフル出場ゼロの男が、箕輪義信、井川祐輔とつながれたボールを右足で角度を変えて延長突入ゴールを決めたのだ。この瞬間、遠路はるばる駆けつけたブルーのサポーターたちは一斉に天を仰ぐほかなかった。

 延長前半12分には、途中投入された川崎ドリブラー・大橋正博のシュートがバーを激しく叩く。一方の甲府も石原克也のバックパスをディフェンダーの杉山新がシュートするも、クロスバーを大きく越えた。後半に入ると互いに足を攣る選手が続出したが、最後はやはり地力の差なのだろう。8分、やはり途中投入された川崎FW・黒津勝が大橋のスルーパスに反応、撃たれたシュートは甲府GKの手をかすめて大金星の4点目を追加した。

 準決勝の組み合わせはドローによって決定されるが、できればガンバ大阪は避けたいところだ。カップウィナーと賞金1億をめぐるにふさわしいカードとして、決勝まで残してもらいたい。

【大木 武 ヴァンフォーレ甲府監督】

大木 残念でしたね。なかなかベスト4に行けません。まっ、経験として次のゲーム(=8月12日vs鹿島アントラーズ戦@小瀬)へ生かしていきたいと思います。以上です。

──後半の頭から林選手を入れてきましたが、当初からのプランだったのですか(=林健太郎を中盤の底に置いた藤田健、石原克也のトライアングルがヴァンフォーレ本来の生命線)。

大木 井上(=雄幾)がケガしたんで交替させました。

──後半からパス回しがスムーズになりましたが、その要因は何だったんでしょう。

大木 健太郎が入ったのが大きかったと思います。それから奪ったあとのさばきの早さと、さばく場所が明確になったということがあげられると思います。





【関塚 隆 川崎フロンターレ監督】

関塚 このような悪天候のなか、本当に多くのサポーターが集まってくれて、我われに力を貸してくれたことに感謝したいと思います。甲府さんはひじょうに勢いのあるチームで、前回の2-3というスコアからスタートすることになりました。なんとか先制点を奪って勢いをつけたかったんですが、ちょっとしたミスから先に失点を喰らってしまいました。リーグの前半戦を振り返っても、失点シーンの多くがミス絡みです。だけど1点のビハインドから、選手たちがよく前へ行ってくれたなぁと思います。その後、またリスタートから失点してしまって2-2に追いつかれたんですが、「今日の試合をなんとしてもモノにする」という気持ちで、選手たちが最後までよく歯を食いしばってやってくれ、3-2という形に戻してくれました。延長戦に入ったときには、精神的に強いほうが上へ上がれるということで、全員一丸となって闘ってくれた結果、大橋と黒津で決めてくれました。この過密スケジュールのなか、本当に気持ちの入ったプレーをしてくれたと思います。今日出場したメンバーだけじゃなく、今週のトレーニングを通してチーム全体の気持ちが一人ひとりに伝わったんじゃないかなと思います。我われにとっても、ここを勝ち上がるのと敗退するのでは大きな違いがあります。そのへんのことを選手たちがよく理解把握して今日の試合に臨んでくれたなと思います。これから中断期間に入りますけど、リーグの後半戦に向けてもっといいサッカーができるようにチームを組み替えてレベルアップさせていきたいなと思ってます。

──いつもと比べるとパスで崩していく形が少なかったと思いますが、攻撃の狙いはどのへんにあったんですか。

関塚 体制がこれから動いていくんで、そのへんのところはあまり詳しくは話したくないです。とにかく今日は「決勝戦のつもりで勝ち上がるんだ」というサッカーがどんなものなのか。それを徹底してやったのは確かです。テセをはじめとする前線の力にプライオリティをおきましたから。

【了】
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最終更新日  2007.07.25 16:25:20
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