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廃園の危機にあった、旭山動物園が奇跡の再生をとげた背景には、「14枚のスケッチ」があったというお話。 - 遠藤 功 著
赤字続きで、予算もカットされ、施設の改装はおろか、エサ代と緊急補修で手いっぱい、先行投資もできず、ますます集客力が落ちていく。 出口のない悪循環が続いていた旭山動物園。 そんな厳しい状況の中で、「14枚のスケッチ」は、現場の飼育係員の動物に対して抱いている強い思いから生まれたものでした。 強い思いとは、「ありのままの動物たちの生活の中にすごさ、美しさ、尊さがある。それをみんなにみてもらいたい。」というものです。 こうした思いを持つ人たちは、きっと全国の動物園にいたでしょう。 特別に旭山動物園だけのものではないと思います。 サラリーマンだって、飲み屋で、熱く自分の夢を語ることだってあると思います。 でも次の日、仕事の現場では、萎えてしまう現実が待っていることも多く、2日もすればあれだけ熱く語っていた夢も、忘却の彼方ということはよくある話です。 旭山動物園で、幸運だったのは、イラストの得意な人がいて、毎晩熱く語った夢をその場の議論に終わらせずに、イラストにまとめていったこと。 この当時は、予算もなく、全くと言っていいほど、実現の可能性もなかった中、夢のスケッチが書き連ねられていきました。 熱く語ったシーンが、イラストの中に凝縮されると、後から見ても同じ思いがよみがえります。 実際、数年間、スケッチは、埋もれているのですが、テーマパーク構想を掲げる新しい市長が当選し、水族館を建てるつもりで園長と面談した際、この14枚のスケッチが、大きな力を持つことになりました。 言葉だけでは、伝えきれない何かが、スケッチとともに、市長やその周りの人たちの心を動かし、動物園への施設建設予算がつくことになったのです。 では、熱い思いを絵に描ければ、それでいいのか? 筆者は、それでは不足しているといっています。 つまり、14枚のスケッチを貫く、共通の思い、ビジョンがあったからこそ、心を動かすものになったという事。 仮にそこに共通のビジョンがなく、見せかけだけの絵だったら、予算はついても、人の心を動かす施設にはならなかったはずです。 筆者は、1章の最後に、次のようにまとめています。 1.「思い」こそすべての出発点である。厳しいときこそ皆で「思い」を語り、「スケッチ」(旗)を掲げることが必要である。 2.「思い」は、「スケッチ」によって具象化するべきである。「スケッチ」という目に見える形に落とし込んだ「思い」は必ず実現する。 3.「スケッチ」は「信念」という独自の「軸」で貫かれていなければならない。組織の全員が共感し、実践する「信念」こそが企業の存在理由である。 4.経営危機のときこそ、「信念」に魂が宿り、ゆるぎない「軸」となる絶好のチャンスである。 私の経験からも皆に注目される立場で、注目される仕事をしている時よりも、一見、不遇に見える時のほうが、自分が成長する機会になったように思います。 注目される仕事をするときは、大変忙しい。今やっている仕事をこなして、アウトプットするのに精いっぱいです。 一方で、うまくいかない、仕事の成果がでない時も、あせることはありません。 逆に目線を高く、明日に向けて自分を成長させることに時間を割くチャンスでなのです。 ▼ 楽天での検索はこちら ▼ 検索キーワード : 「未来のスケッチ」 ▼ ステーショナリーファインダーTOP ▼ カテゴリ別記事検索はTOPページへ ステーショナリーファインダーホームページへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.23 09:40:39
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