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テーマ:映画館に行こう!!(373)
カテゴリ:映画レビュー(☆☆☆★★)
「E.T.」「チャーリーズ・エンジェル」のハリウッド女優・ドリュー・バリモア初監督作品は、実際のスケーターであり、脚本家で作家のショウナ・クロスの実体験を元に書かれた小説「Derby Girl」が原作。 娘の美人コンテスト優勝に執着する母親に違和感を感じながらも、言われるままに生きてきた少女が、過激なスポーツ「ローラーゲーム」との出逢いで自分の生き方を見出していく、涙と笑いの青春ストーリー。 初監督作の宿命か、本作もまた、所々にアラや煮詰めの甘さが目立つ、全体的にまとまりの欠いた仕上がりで、とても完璧とは言い難い出来。 しかし、それを補って余りあるだけのエネルギーとパッションに満ち溢れた、ものすごく元気になれる作品だった。 少なくとも、小生はかなり好き。 「これぞアメリカの片田舎」といった風情のテキサス州ボディーンを舞台に、口も悪けりゃ手も早い荒くれ娘達が、これまたいかにもアメリカ人的なスポーツ・ローラーゲームで火花を散らす。作中に使用されるご機嫌なナンバーの数々も相俟って、いい意味でアメリカらしい大雑把さと寛容さとお祭り加減の雰囲気が、実に心地いい。 また、恋に友情にローラーゲームにと、思春期ならではの悩みを抱えつつも、少しずつタフにクールに成長していく主人公・ブリスはもちろん、チームメイトや友人、ライバルチームのエース、その他登場人物のキャラ付けが思ったよりしっかり(と言っては失礼だが)とされており、人間ドラマとしてもなかなか面白く、お世辞にもお上品とは言い難いスケーター達の言動や、そこまでやっちゃいますか?とツッコミたくなる主人公の行動も、裏を返せば等身大の彼女達の姿とも取れ、好印象。 個人的には、リンク上では高慢で挑発的なライバル・鉄人(アイアン)・メイビン(ちなみに演じるのは「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のジュリエット・ルイス)のリンクの外での顔と言動に、グッと来てしまった。 それから、どうでもいい事だが、ブリスのチームメイト役で「キル・ビル」のゾーイ・ベルが出ていたのにはちょっと驚いた。ドリュー自身もチームメイト役で出演していたり、意外と豪華な出演陣にも注目したい。 そして、本作の最重要要素と言っていいのは、とにもかくにも、主演のエレン・ペイジの存在感。見た目や仕草の、キュートでクレバーな魅力に加え、「いかにも田舎の優等生」といったイモ臭さと、ローラーゲームとの出逢いで徐々に垢抜けていく様が見事にマッチ。 「インセプション」の時はディカプリオと謙さんの影に隠れてしまった観があったが、本作と「JUNO/ジュノ」を観る限り、彼女にはそこにいるだけで物語を形作れる天性のパワーがある。 彼女がいなければ、本作の完成はなかったと断じてしまいたい。まさに10年後のハリウッドを支える逸材だ。 人によっては不快に感じる点もあるかもしれないし、上記した通りアラがないわけじゃない。 「お前が単純に『頑張ってる女の子』みたいのが好きだから、贔屓目に見てるだけじゃないの?」と言われれば、「まったくその通りだ」と返さざるを得ない。 ああ、はっきり言って小生はこの手の映画が個人的にすっげぇ好きだ(笑)。しかしそれを考慮した上でも、無条件にスカッとできて、少しホロッとも来て、鑑賞後に思わず誰かとハイタッチしたくなるような映画である事は間違いない。 食い物で例えると、ちょっと豪華で贅沢な巨大ハンバーガーのような。メチャメチャ落ち込んでる時に観るにはちょっとキツいけども、「よし、明日からまた元気出して行こう!!」という気持ちにさせてくれる作品。オススメ!! つー事で、小生の、この映画に対する評価は…、 ☆☆☆★★++ エレン・ペイジが可愛すぎるので、星3つプラスプラス!! JUNO/ジュノ(Blu-ray Disc) E.T. 【DVD】 ナチュラル・ボーン・キラーズ ディレクターズカット(Blu-ray Disc) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
August 26, 2010 09:45:32 PM
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