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テーマ:映画館に行こう!!(373)
カテゴリ:映画レビュー(☆☆☆☆★)
鬼才・デヴィッド・フィンチャー監督最新作は、若くしてSNSサイト「Facebook」を創設した天才・マーク・ザッカーバーグの成功と、その裏に隠された孤独を描いたノンフィクション。 ちなみに、マーク自身は本作を「創設目的が事実と異なるが、キャストが着ている服は自分が着ていた物と同じ」と評しているとか。 さておき。 「セブン」「ファイトクラブ」のデヴィッド・フィンチャーだけあって、登場人物の心理描写がとにかく素晴らしいの一言。ちょっとした仕草やセリフはもちろん、時には歩調一つでそのキャラクターの心境、思想を、雄弁に表現してみせている。 特に冒頭、恋人エリカの話しを聞き流し、思いついた事ばかりをマシンガンのごとく早口で喋り倒すマークの姿は、常に相手を見下し、誰も信用せず、しかしその胸中に捌け難いコンプレックスを抱え込んだ中二病DT根性丸出しのヲタク像そのもの。 わずか数分のカットで、主人公のポジションを明確にしたばかりか、「コイツ、絶対に友達になりたくないわ(笑)」と思わせる事に成功している点は、もはや完全に脱帽モノの職人技。 きっと本作を観たヲタクの方々は、彼に嫌悪感を抱くと同時に、我が身を俯瞰するような、居た堪れない気分に陥ったに違いない。かく言う小生もそうだったりする(笑)。 かつての親友エドゥアルドと、同じ大学のボート部の双子に訴訟を起こされる件を、過去と現代、それぞれの視点を巧みにシャッフルし、何故そうなるに到ったかをスリリングに、且つ繊細に描ききった映像センスもまた、監督らしい上手さ。並の監督ならば、普通の青春サクセスストーリーにヒューマンドラマをプラスしたような仕上がりに落としてしまうところを、もう一ランク上、もしくはそれ以上の作品へと昇華させている。 ただ奇抜なだけでなく、根底にしっかりとした基礎があるからこその芸当と見受ける。当然、誰がやっても出来るようなモノではないので、若いクリエイター諸君は、簡単にパクろうと思わないように。 主人公のマークをはじめ、本作に登場する学生達の多くは、一様に精神年齢が幼く思う。一見立派に見える双子も、実は親のコネに甘え、誰かに泣きつく事しかできない、ただのとっちゃん坊やだったりする。 監督自身は本作を「若さゆえに、自分の力を世間に認められない鬱積を、形にしたかった」そうだが、小生が思うにこれは、まだ大人になりきれない彼らが、自分達の立場も弁えずに手にした力を振るい、その吐き出した鬱積に対する制裁を受ける物語ではないかと察する。 物語途中から登場するショ-ンなどは、まさしく「大人になりきれないまま大人になってしまった」典型的悪例と言え、またその制裁の相手が、親友のエドゥアルドであるという点からも、その事が伺える(ある意味彼は、今回の出来事でマークより一足早く大人になれたという見方もある)。 印象的なあのラストカット、小生には酷い事を言って傷つけた元恋人に、素直に「ゴメン」と言うタイミングを見計らっていたように見えた。世界中に友達を作る技術を持ち、巨万の富を得ようと、彼が孤独だったのは…まあ、小生のような極悪非道の妖怪が言っても何の説得力もないのだが(笑)、ひとえに彼が「子供」だったからに、他ならないと思うが、いかがだろうか。 小生も含め、ちゃんとした大人が減ったと言われる現代。この映画はそんな我々に「お前ら、もうちょっと大人になろうよ」と訴えかけているのかもしれない。もちろん、ノンフィクションものとしても、非常に完成度の高い作品ですので、興味がある方もない方も、是非映画館でご鑑賞を。オススメ!! そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、 ☆☆☆☆★ 星4つ!! セブン 【BLU-RAY DISC】 【送料無料】ファイト・クラブ【Blu-rayDisc Video】 【送料無料】ベンジャミン・バトン 数奇な人生【Blu-rayDisc Video】 【送料無料】パニック・ルーム 【送料無料】facebook基本&便利技 よろしければ、ポチッとお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 20, 2011 07:02:16 PM
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