≪田久保忠衛氏のコラム≫
オリンピックもあと2日、歓喜・消沈・期待・残念・いろいろ有りましたが、選手達を見ていて、少し残念な事があります。
それは、国歌斉唱で口を真一文字につぐみ、明らかに歌っていない選手がかなりいたことです。。。
日本選手のフェアなプレーは賞賛に値し、又、勝っても負けても礼をする礼儀正しさは世界に誇ってもいいものです。
だからこそ、知らないからなのか国歌を歌わないのが残念です。
そう思っていた所、いつも拝読しているサイトで、同じような事を危惧していた人がおり、今の日本を鋭く且つわかりやすくコメントされていたので掲載させて頂きます。
【原発維持、オスプレイ配備が本の取るべき針路
万世一系の天子様を戴く国体を誇り護るためになすべきこと】
~田久保忠衛氏~
憲法を改正して悪者に毅然と対する姿勢を示せ
★田久保 忠衛(たくぼ・ただえ)氏
外交評論家・杏林大学名誉教授。国家基本問題研究所の副理事長として取 材・啓蒙活動にあたっている。
田久保:表彰台で君が代を歌わないオリンピック選手を見るにつけ、戦後の日本にしっかりした国家観が根付いていないことを痛感します。
国旗、国家というものを明確に認識していない人間が少なくない。
こんな国はほかにありません。これはやはり、アメリカから押しつけられた憲法を後生大事に戴いているからです。
尖閣諸島といい北方領土といい、領土をめぐって挑発的な隣国に日本は毅然と対処しないといけませんが、口だけじゃダメです。血を流す気持ちと、その裏付けとしてきちんとした軍隊が必要だ。
ところが今の自衛隊は国内的には軍隊ではなく、国際的には軍隊だというおかしな状態にあります。政府がそういう二枚舌を使わないといけないのは、陸海空その他の兵力を禁止し、国の交戦権を認めない日本国憲法のせいにほかなりません。
私は産経新聞の「『国民の憲法』起草委員会」の委員を務めています。他の委員たちと新しい憲法をどうしようかとやっているところですが、そこで槍玉に挙がるのが日本国憲法の前文です。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とありますが、これはいったいなんなのか。「平和を愛する諸国民」のところに、近隣諸国の名前を入れてみろと言いたいですね。
ロシアは北方4島を持っていき、北朝鮮はわれわれの人間までかっぱらい、韓国は慰安婦問題などの歴史認識でいまだにわんわんやっている。
中国がどういう存在かはみなさん分かっているでしょう。世界2位の軍事大国 で、経済的にも日本を追い抜いた。その大国が尖閣を脅かしているわけですよ。
こういう国が日本に土足で上がり込んできたらどうするか。自衛の為なら軍備を使えると言いますが、自衛だけじゃだめなんです。
相撲に例えるなら、立ち会いでは動いちゃいけない、相手が突っかかってくるまで待ってろってことになる。これじゃ白鵬だって勝てるわけないでしょう。早く憲法を直して、悪い者には向かっていくよという姿勢を示すべきです。
弱者を守れるのは国家があってこそ。原発もオスプレイも必要だ!
若い人たち、弱い人たち、困った人たちに手を差し伸べられるのは、きちっとした国家があってこそなんだ。そこを逆さまにして、国家なんてどうでもいい、俺達を守れとやったらどうなるか?
国家がやるべきことと地方がやるべきことは分けて考えないといけません。国家がやるべきことは外交・防衛、エネルギー、国際金融政策など、要は安全保障政策です。もちろん関係する地域住民などの意見は十分に聞く必要がありますが、これらは国家の専権事項であって国家ではないものがやることではない。
原発もオスプレイも普天間問題もそうです。
国家をすっ飛ばして、けしからんけしからんとやるのは、難破しそうな船の船室にゴキブリが出てきたからと、船長にどうにかしろとごねるようなものでしょう。
今、原発をいっせいに止めたら経済はさらに悪化します。
税金が高い、電力も調達できないとなれば、企業は海外に出ていく。
原発を止めるということは、世界一と言われる日本の原発技術を手放すことでもあります。
仮に全世界が核武装したときに、日本はひれ伏すことしかできなくなるでしょう。
そうならないためにも原発は残さないといけない。
オスプレイについては、これが何のためなのかを考えないといけません。中国の脅威が増大してる今、その最前線にある沖縄にオスプレイを配備する。
これは中国が一番困ることなんです。
それに反対するあなたは中国を喜ばせたいんですか、その前に日本を守るべきじゃないんですか・・・?
【われわれが誇るべきは皇室に象徴される「国柄」である】
憲法の前文には、われわれが守る国家とは何かをびしっと収めなきゃいけません。
領土・領海・領空、国民。そういうモノとヒトだけではなく、国としてのプライドを盛り込む必要がある。
歴史や文化、そして国体・・・と言っても若い人には分からないでしょうから、私はこれを国柄と言い換えたらどうかと思います。
国柄というのは、皇室を中心に和を尊び、モラルを重んじ、親子が兄弟が師弟が思い合うという形で人々を治めてきたこの国のあり方です。
日本の天皇=天子様はヨーロッパや中国の王様・皇帝とは違います。
権力ではなく権威なんです。
ちょっとした短い期間の例外はあるけれど、天子様は天照大神以降、神主さんの中で一番偉い人として国民の平和と安定、福祉、福利を神にお祈りしてきた。それを男系で2000年以上続けてきた。
われわれに誇れるものがあるとすれば、日本という国のこうした伝統でしょう。世界中を見渡してもこんな国はほかにありません。
【経済大国だから軽武装でいい】時代は終わった
戦後の66年間、日本は経済一辺倒でやってきました。経済大国なら軽武装でいいじゃないかと言われますが、しかしその経済がダメになっています。
中国はといえば富国強兵でやってきて日本の領土を脅かしている。
経済大国でもない軍事小国の日本に、どうして対応できますか?
アメリカに日米安保を適用してくださいとお願いしたら、口ではOKと言ってくれているけれど、本気かどうかは分かりません。
「自分の血は流さない?」
「それで困ったときだけおれに頼みにくる?」
と、鼻白んでいるかもしれない。
外交と軍事はコインの裏表で同じものなんです。
お金儲けだけやっていれば生きていけると思っている人もいますが、もう周囲の環境がそれを許さなくなっています。
今の中国、北朝鮮、ロシアを見ろと言いたいですね。
領土・領海・領空を侵したらどいてもらいますよというぐらいの軍備がないと話にならない。
防衛費の削減なんてとんでもないことだと思います。前駐日米国大使のシーファーさんは帰米前に外国人記者クラブで「日本に滞在してどうしても分からなかったことがある」と言いました。
「アメリカも中国も韓国も北朝鮮もロシアも、みんな平和のために軍事費を増やしているのに、日本だけが減らしているのはどういうことか?」と。
彼はそこまで言いませんでしたが、私には「日本は戦争を仕掛けられたいのか」とでも言いたいんじゃないかと思えました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35854
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≪記事を読んだ方のコメント≫
1.正論です。日本人は、自らの国を愛する心を深めて、領土を守る心をしっかりと固めていかねばなりません。その気概を、中国・韓国・ロシアは見ています。日本が、憲法改正をし、大人の国として、領土・領海の防衛ができる国になることが急務です。
2.まさに、そのとおりだと思います。 専守防衛..今回の竹島への他国による無許可上陸を視て聞いて改めて認識せねばならぬこと..日本には離島が多いが上陸されても何も対処できないという事実! 海上保安庁?、海上自衛隊?、陸上自衛隊が駐屯しているか?、各自衛隊何れかの基地があるならまだしも、今の日本にはなす術がないという事実! 国際社会で主権を主張するなら守る術を持たねばと思います。