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カテゴリ:OPERA
New National Theatre in Tokyo
2009/2010 Season Opening Giuseppe Verdi:Otello [New Production] 20 Sep - 6 Oct 2009 20 Sep 2009 was the opening night STAFF Conductor : Riccardo Frizza Production : Mario Martone Scenery Design : Margherita Palli Costume Design : Ursula Patzak Lighting Design : Kawaguchi Masahiro CAST Otello : Stephen Gould Desdemona : Tamar Iveri Iago : Lucio Gallo Lodovico : Tsumaya Hidekazu Cassio : Blagoj Nacoski Emilia : Moriyama Kyoko Roderigo : Uchiyama Shingo Montano : Kubota Masumi Un araldo : Tang Jun Bo Chorus : New National Theatre Chorus Orchestra : Tokyo Philharmonic Orchestra 新国立劇場 ヴェルディ「オテロ」 Day2 Part1 2009年9月23日 ※内容を書くのでこれからご覧になる方はご注意ください。 よかったです。 まずセットが秀逸ですばらしい~ キプロスなのにヴェネチアのような運河がはりめぐらされているセット。 まるでディズニー・シーみたいだ(笑)。 真ん中に塔のような建物があり、オテロの家。 回転するセット。 すごいアイディアで舌をまいちゃう。 水をこんなにはるのは制作陣にとってはなかなか大変なことだったでしょう。 歌手はルチア・ガッロのプレゼンスが群を抜いていた。 彼の当たり役だとうたわれていたけど本当ですね。 彼はネットで聴いたMETのエスカミーリョでいまいちだったので、どうかなあと思っていたが 生ではファルスタッフ以来拝見させていただいたが、ほんとよかったです~ この舞台はオレのもの!って思っていたと思うね。 歌唱も悪くなかった。 デズデモーナのタマール・イヴェリはサイモン・キーンリーサイドがロールデビューしたバイエルン・シュターツオーパー「オネーギン」のタチヤーナ。 とっても色気があって可愛くて美女。 歌も本当にすばらしかった! あまりにも色っぽいのでデズデモーナの清純なイメージとは違うのだが、このマルトーネの演出にはぴったり合っていた。 ヘルデンテノールのスティーヴン・グールドは申し分のない歌唱だったけど、 オテロじゃない。 これは一般的にそうだと思うのだが オテロといえばドミンゴ、ってすりこまれてませんか? ドミンゴはドラマチックで甘く高音が裏返る。 アレクサンドルス・アントネンコもそうなんです。 でもこのグールドさんは強靭なフローレス(flawless)なえんえん歌ってられそうなほどパワフルな感じで オテローの傷つきやすい感じの声じゃないんだよね~ でも後半ではかなり良かったです。 演出は問題があって オテロにおいて禁断の演出をやってしまった。 つまりデズデモーナは本当はふしだらな淫乱女だった?というのを たった一場面だけにおわせてしまったのだ。 それはもちろんオテローの想像なのかもしれないんだけど そうなのだったらきちんとそうわかるように演出すべきだ。 しかもそれがずっとそのまま答えが出ずに最後まで行くものだから 肝心の一番大事な アヴェマリアの場面が説得力にかける。 デズデモーナが美女でモテモテというのはすごく良くわかったがそこまで淫乱だったのだろうか… デズデモーナが聖女、という前提がないとこの作品は成立しないのだ。 なんでそこがわかんないのかな?この演出家は。 ソリストは総じてすばらしすぎるぐらいすばらしかったが、 たった一人だめだったのがカッシオ。 弱過ぎるよ~ でもお顔は美男でスレンダー、まさにカッシオだった。 合唱もすごい迫力! スカラ座の3分の1の値段だと思うと信じられないぐらいお得だ。 でも値段で比べるものじゃないからね。芸術は。 お金じゃ買えないかけがえのないものがあるんですよ。芸術には。 ヴェルディ作品の音楽的陶酔。これが一番。 そして「スーパースター」の存在。 舞台にいるだけでオーラを放ち 麻薬のように何度もリピーターさせてしまう魔力。 これがスーパースター。 スカラの舞台にはそういう人がいたんですよ… (パーペ) 第1幕 ものすごいマックスのドカーン!ちゅう大音量から始まる 気持ちいい~ 人々が舞台の前面に立って海を見ている。 ガッロは上手、カッシオがセンター、ロデリーゴが下手にいる。 しもてのオケピにかけた橋のようなものを渡ってオテロが凱旋する。 胸には金属のよろい。 肩に飾りのついた長い黒のコート。 でかい! グールドさん巨体。 第一声の迫力はそうでもないが 東京のオペラの森「タンホイザー」以来のグールドさん。 前半は声の甘さにやや欠けた。 気は優しくて力持ちな将軍、という感じで オテッロの色気、ほんの少しの狂気、劣等感を内に隠した神々しいまでのプレゼンス といったものはない(すんません) この作品はオテッロが色っぽくないとなああ~ オテロが家に引っ込み、窓から手を振るがすぐにカーテンを閉める 人々はお祝いムードになる カッシオは女性と戯れている。 Fuoco di gioia の合唱で舞台の前方に火がたかれ、女性たちがその周りを踊っている(ダンサー) ヤーゴはカッシオに酒を勧める グールドとは反対に存在感をのっけから見せつけるのがルチオ・ガッロ ビーヴェビーヴェ (酔っぱらいの歌)のそう快感といったらない。 かっこいい! ガッロはスレンダーで黒い髪に黒の衣装、 (カッシオは茶色の髪に茶色のロングコート。衣裳さんは髪の色に合わせるというそこまで考えているようだ) ロドリーゴとヤーゴの企みで いさかいが始まり カッシオはモンターノを剣で傷つけてしまう。 自分の家にひっこんでいたオテッロがのっそり出てくる。 「守護天使も逃げ出すぞ!」 と歌って振り向くとそこにデズデモーナが… 可愛い…! 色っぽい! Gia nella notte densa-- オテッロの美しい歌唱が始まる デズデモーナもすばらしい。 二人は家の周りの水路に渡された通路に立っている オテローがデズデモーナのスカートを踏んでる。 このすばらしい喜びが二度と来ないんじゃないかと と将来を予感したような恐れを口にするオテロ。 しもてにひとり歩いていく。 Un bacio… 口づけを でデズデモーナはテーブルの上に大胆に横になる。 オテロは覆いかぶさるようにキス。 Venere sprende という超高音も無難に出したグールドさん。 第1幕了。 この演奏はやっぱり実は最後まで1回も拍手が起きなかったんですよ。 さすが観客も作曲者と指揮者の意図を理解していました。 なにしろ絶対拍手するだろ?っていう(デズデモーナのアヴェマリア)タイミングも拍手がなかったのです。拍手は幕間だけ。スカラのアナウンスが効いたのか… 第2幕 夜が明けた。 すばらしいセット。 中央のオテロの家の塔の向きが変わっている しもてに船着場みたいなものがありその隣は深い河。 中央のオテロの家よりかみては浅い水路で歌手はばちゃばちゃ入っていける。 かみてに家が三軒立っている。一番手前がイヤーゴの家。 かみて奥には水路に橋がかかっている。 また大きな橋が背景にかかっている。 全部本物だ。 考えつくされた美しいセットに驚嘆する。 かみてからうつうつとうろうろしているカッシオ イヤーゴが声をかける。 イヤーゴのアリア 俺は冷酷な神を信じる。 ルチオ・ガッロにはそんな根暗な悪党というイメージはなかったのだが。 この役を東京のオペラの森で、ラード・アタネッリで聴いた時はものすごく邪悪なまさに悪魔な感じで すっかり引き込まれてしまったのだが。 ここの演出がすごく印象的。 ヤーゴはばちゃばちゃと水路に入っていくとオテローの家の下に隠してあった入れ物に入っている緑色の液体(たぶん藻とかのイメージだと思う)を塗料代わりにオテローの家の壁に塗りたくる。なんて書くのかと思ったら、十字架だった。 そして今度はバケツに入っている水で手を洗うとその水をその十字架にぶっかけて消した。 かっこいい~ まるで映画的です。 死は無なのだ 天国なんて嘘っぱちだ! イヤーゴはカッシオをデズデモーナと話をさせて 家から出てきたオテロにその様子を見せる。 ここでのオテロとの会話以降のシーンは 驚くべき展開になる。 デズデモーナはある男と別れている その男はカッシオ? 今までいっしょに過ごしていた? その後今度はロドリーゴが彼女に恋文を渡す デズデモーナはうれしそうに受け取る。 今度はまったく別の男が彼女にネックレスを贈る。 デズデモーナは スカートを思いっきりめくって美しいおみ足を見せている。 手前にいるオテロは苦しげな表情を浮かべている。 これは彼の幻想なのか?それとも現実なのか? 人々がゆりをデズデモーナに捧げる。 しもての方から水の中に投げ入れる。 デズデモーナはその花を拾う。 なんか妖艶そのものなんですけど… デズデモーナは花とネックレスをはずして家の階段の脇に置く。 オテッロのところに行ってカッシオのことを取りなす 急に頭が痛いといいだしたオテロにデズデモーナはハンカチを渡す。 オテロはハンカチを水に投げ入れる。 イヤーゴが竿を使ってそれをエミーリアに拾わせる。 よこせ! 嫌よ! Desdemona rea! オテロはもう自制心を完全に失っている。 証拠を見せろとイヤーゴの肩を両手でつかみ下に押さえつける あまっさえ叩こうと手を振り上げるが思いとどまる イヤーゴはいやになって出ていくふりをする。 オテロは呼びとめる イヤーゴは恐ろしい作り話を始める ここの演出も秀逸でした。 家が回転し始め、オテローとデズデモーナの愛の巣が露わになります。 そこは狭いスペースでベッドしかありません。 かみてに花瓶。 ここはまさにオテロとデズデモーナが愛を交わしている場所でしかない (ラブホみたいな)そういうイメージを客に植え付けます。 イヤーゴはゆりとネックレスを拾い、百合を花瓶に投げ入れます。 イヤーゴが歌っているのはカッシオが語るデズデモーナとの肉体的な愛の言葉なのです。 Sangue! Sangue! 輝かしいオテローの歌唱が始まる Si, pel ciel marmoreo guiro! ヤーゴも隣にひざまづく 二人のデュエットは圧巻! 第2幕了 ブラボー出ました Part2へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月26日 11時14分30秒
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