日本声楽家協会　第77回　独演コンサート　
　望月哲也(テノール)

　201４年9月9日（火）　
　日暮里サニーホール　コンサートサロン
　　　
　望月哲也　（テノール）
　鳥井俊之　（ピアノ・スタインウェイ）　

曲目

カッチーニ ： アマリッリ
G.Caccini Amarilli

チェスティ ： 私の偶像のまわりに
P.A.Cesti Intorno all’idol mio

スカルラッティ ： もしもお前が私の死の
A.Scarlatti Se tu della mia morte

スカルラッティ ： すでに太陽はガンジス川から
A.Scarlatti Già il sole dal Gange

カルダーラ ： 心親しき森よ
A.Caldara Selve amiche

スカルラッティ ： すみれ
A.Scarlatti Le violette


ベッリーニ ： マリンコニーア
V.Bellini Malinconia

ベッリーニ ： 優雅な月よ
V.Bellini Vaga luna, che inargenti

ベッリーニ ： 喜ばせてあげて
V.Bellini Ma rendi pur contento


ロッシーニ ： 饗宴
G.Rossini L’orgia

ロッシーニ ： 亡命者
G.Rossini L’esule

ロッシーニ ： 踊り
G.Rossini La danza

休憩

デンツァ ： 妖精の瞳
クルティス ： 帰れソレントへ
クルティス ： 忘れな草
ガスタルドン ： 禁じられた音楽

ドナウディ ： 私の愛の日々
S.Donaudy Amorosi miei giorni

ドナウディ ： 限りなく優雅な絵姿
S.Donaudy Vaghissima sembianza

ドナウディ ： 新鮮な土地、芳しい野よ
S.Donaudy Freschi luoghi, prati aulenti

ドナウディ ： ああ愛する人の
S.Donaudy O del mio amato ben


プッチーニ ： 歌劇「トスカ」より カヴァラドッシのアリア　♪妙なる調和
G.Puccini Tosca Recondita armonia

プッチーニ ： 歌劇「トスカ」より　カヴァラドッシのアリア　♪星はひかりぬ
G.Puccini Tosca E lucevan le stelle

Encore

1 Mattinata
　マッティナータ (Gioconda様による

2 Core 'ngrato! (Catari, Catari)
　カタリカタリ

3 ネッスンドルマ(誰も寝てはならぬ）（プッチーニ｢トゥーランドット」よりカラフのアリア

4 オーソレミオ


Link to the photo album

***

オールイタリアンプログラム！
意外でしょう〜？
なんとアンコールにネッスンドルマ
超意外でしょう⁉︎
椅子から落っこちそうになりました。

古典
ベルカント
カンツォーネ
ドナウティ(古典風
からの〜
プッチーニです
スピント
です！
今日はものすごくエンターテイメントな
曲の連続で
一味違う望月哲也を見せました。
美しい声のシャワー
堪能させていただきました。

アンコールは
1 マッティナータ (Gioconda様による
2 カタリカタリ
3 ネッスンドルマ
4 オーソレミオ

でした。

第1部の
Part 1
古典です
このPartは装飾音を多用し技巧を披露します。

スカルラッティ ： すでに太陽はガンジス川から
A.Scarlatti Già il sole dal Gange

スカルラッティの ♪すでに太陽はガンジス川から で変則的な音程で歌う技巧を見せました。3度上を歌うような。
彼のCDに入っている曲です

Ingemma, ingemma ogni stelo

スカルラッティ ： すみれ
A.Scarlatti Le violette

すみれ も彼のCDに入っている曲
violette graziose
スタッカートを多用する曲です。

TALK
僕はドイツに行く前はイタリアで勉強していた時期もあったのです。
アリゴ・ポーラ（Arrigo Pola）というパヴァロッティの先生でもあった方に師事し
僕のメソードはそこで築かれたと思います。

Part 2 はベッリーニ
大好きでした。
彼の美しい声にぴったりの美しいメロディがお得意のベッリーニです。

ベッリーニ ： マリンコニーア
V.Bellini Malinconia

マリンコーニアが震えるほど素晴らしかった
彼のお得意の煌めく高音が炸裂する。

ベッリーニ ： 優雅な月よ
V.Bellini Vaga luna, che inargenti

優雅な月は美しいメロディ
アダージョ
酔いました。

ベッリーニ ： 喜ばせてあげて
V.Bellini Ma rendi pur contento

ch'io vivo in me

TALK
僕は昔はよくロッシーニを歌っていました。

Part 3 ロッシーニ
瞠目でした。
彼は本当に何でも歌えるんだなーとびっくりしてしまいます。

♪饗宴 は音程の上下動が激しい難曲
曲終わりの最高音が　Ｂ　です。ＪＤフローレスの持ち歌です。

♪亡命者
曲終わりの最高音が　Ｈ　です。ＪＤフローレスの持ち歌です。

♪踊り
G.Rossini La danza
踊りはよくガラで歌われる有名曲
テノールの技巧を見せる曲です。
ラモン・ヴァルガスのを聴いたことがあります。

駆け抜けるように
超早口で歌います。
大ブラヴォーでした。

第2部
Part 1
カンツォーネ

超有名曲　
クルティス ： 帰れソレントへ

クルティス ： 忘れな草
　ノンティスコルダールディメ

ガスタルドン ： 禁じられた音楽
　なんていい曲なんだ！

Part 2

また声ががらっと変わりまして
古典風になります

ドナウディ ： ああ愛する人の
S.Donaudy O del mio amato ben

美しい曲です！

そして…

いよいよプッチーニです

ＴＡＬＫ
僕は実はイタリアの作曲家ではプッチーニが一番好きなんです
一番好きなのはラボエームです
ロドルフォは36歳で初めて歌いました
若いころに実はもうオファーを受けていましたがまだその声ではないと断っていました
今度トスカをやります
田丸さんというコンヴィチュニーに教えを受けた演出家が演出します
おもしろいです

プッチーニ ： 歌劇「トスカ」より カヴァラドッシのアリア　♪妙なる調和
G.Puccini Tosca Recondita armonia

最高音は　B（♭シ）

Fach : Spinto

入りからして高音の
テッシトゥーラの高いアリア
光り輝く声がぴったりです。
大好きな曲です

Ah------! Tosca, sei tu!

のAh が最高音のB（♭シ）です
完ぺきでした！！

プッチーニ ： 歌劇「トスカ」より　カヴァラドッシのアリア　♪星はひかりぬ
G.Puccini Tosca E lucevan le stelle

そしてエルチェヴァンレシュテッレ

すばらしいです！
がらっと変わってカヴァラドッシの慟哭です

なにしろマルチェロ・アルヴァレスのカヴァラドッシが刷り込まれているのですが
やはり望月氏のカヴァラドッシでした。
唯一無二です。

関係ない話ですが私がオペラに初めてそして運命の出会いをしたのがＮＨＫが放送したトスカです。ホセ・カレーラスの♪星は光りぬ　に衝撃的に恋をしたのが高校生ぐらいだと思うんですよね。
いまさら思い出してしまいました。

大拍手

アンコール
１．
Mattinata

２．
Core 'ngrato! (Catari, Catari)
カタリカタリで　B でしょうか

３．
Nessun dorma, from Act III of Turandot by Giacomo Puccini
Fach: dramatic tenor/heldentenor

Nessun Dorma も最後に超高音（Ｈ）あります
完ぺきでした

４．
オーソレミオは
余裕のカデンツァで遊んで聴かせてくれました

Ｂｒａｖｏです。

お疲れさまでした。