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カテゴリ:OPERA
2018年7月≪東京二期会オペラ劇場公演≫ ハンブルク州立歌劇場との提携公演 C.M.v.ウェーバー『魔弾の射手』 オペラ全3幕 《新制作》 2018年7月22日(日) 東京文化会館 大ホール 指揮: アレホ・ペレス 演出: ペーター・コンヴィチュニー 舞台美術: ガブリエーレ・ケルブル 照明: ハンス・トェルステデ 演出補: ペトラ・ミュラー 合唱指揮: 増田宏昭 演出助手: 太田麻衣子 木川田直聡 舞台監督: 幸泉浩司 公演監督: 多田羅迪夫 7月22日(日)(Day2&4 Cast) オットカール侯爵 藪内俊弥 クーノー 伊藤 純 アガーテ 北村さおり エンヒェン 熊田アルベルト彩乃 カスパール 加藤宏隆 マックス 小貫岩夫 隠者 小鉄和広 キリアン 杉浦隆大 ザミエル 大和悠河(全日) ヴィオラ・ソロ ナオミ・ザイラー(全日) 合唱: 二期会合唱団 管弦楽: 読売日本交響楽団 *** コンヴィチュニーの意図を上回る 「脱・オペラ」、既存のオペラの破壊となったコラボオペラだった。 コンヴィチュニー+ヅカ+ジングシュピールである。 冗談はさておき、とっても面白かった。 この演出はコンヴィチュニーにしてはとてもマイルドな方だが、時代を経て骨董品のようになっているプロダクションだ。 10年ぐらい前にクラシカジャパンで放送されていたのだが、それと細かいところまでほぼ同じ演出。オチも同じなので驚きはゼロだったが、とにかく面白かった。 冒頭のザミエルの登場シーンからして拍手がわき起こり、これは先が思いやられると思っていたが、その団体は一種統制された反応をしていたので、まるでコンヴィチュニー演出をパロっているかのようで逆に面白くなった。www そう骨董品となった読み替えオペラに新たな生命を吹き込んだもの、それが大和悠河さんだったのである。 このプロダクションは歌唱部分がドイツ語なのに会話部分が日本語。というバラバラ感があり、上記の違和感に拍車をかけていた。その違和感そのものがコンヴィチュニーの意図だったのかもしれない。 どちらかに統一すべきだったと思う。 カール・マリア・フォン・ウェーバーのすばらしい音楽をアレホ・ペレスと読響は圧倒的な素晴らしさで演奏した。 歌手陣も健闘 素晴らしかったのはエンヒェンの熊田アルベルト彩乃さん。 通常エンヒェンは軽いソプラノが歌うが、彼女はすばらしいパワーを持つリリック・ソプラノ。今後の活躍が楽しみです。 アガーテの 北村さおりさんもまたすばらしかった。 高音が良く出て美しく表現した。 まるでタンホイザーのエリーザベトの原型と思わせるような神々しい歌いっぷりで見事だった。 カスパーの加藤宏隆さんもすばらしいパフォーマンスだった。 キリアンの杉浦隆大さんを楽しみにしていたがやっぱりすばらしかった。 東京二期会本公演デビューの藪内俊弥さん 素晴らしかった!彼は日本語のオペラに慣れているので役にぴったりハマっていた。 クーノー伊藤 純さんも圧倒的でしかも美声だった。 隠者はこの演出ではコミカルなので小鉄和広さんにぴったりだった。 マックスの小貫岩夫さんは、高い声の美しいテノールで難役マックス、大健闘だった。 *** 序曲 すばらしい! やっぱ金管は読響ですよね!! この演目はホルンがなんといっても肝なんで、大期待でしたがすばらしかったです。 強弱もうまくて。まさに狩りの角笛でした。 エレベーターはしもて側の席をうっかり買ってしまったのでまったく見えなかった。 もちろん隠者も見えない位置。 幕が開く 紗幕の向こうに人々。 幕に書かれた的の中央が破れる マックスは幕の手前をうろうろしている 農夫キリアンの勝利。 キリアンはスランプの狩人マックスを馬鹿にして歌う。 ここの陽気なメロディはすごく楽しい! このようなすばらしいバリトンに歌ってもらって大満足! 「さまよえるオランダ人」のダーラントの歌を思い出させるシーンです。 人々は一緒になってマックスをあざ笑う スカートを頭にかぶせるのもハンブルクと同じ演出。 ハンブルク版ではマックスは皆に銃を向けるがお尻を向けられるという展開だが この版ではお尻だけ。 悪魔のザミエルが現れ、1階前方に陣取った観客の喝采を浴びる。 音楽があるシーンでこれなのでまるで仕込みなのかとも思える これはテロだ(笑)。 マックスはキリアンを倒してナイフを喉に当てる クーノーがくる。 娘の婚約者、マックスをかばう クーノーはなぜ自分の一族が森林管理官になったかを語る 人々は踊る マックスはようやく一人になる 明日の試射会で的に当てないと、マックスはアガーテと結婚できない。 マックスは苦悩を歌う。 マックスのかみて側に衣裳換えしたザミエルが顔を出す 女性の格好だ。 長い髪、バルーン上にふくらんだスカート。妊娠を表現している ザミエルはマックスを椅子に座らせ銃を奪い、木の枝を握らせる ザミエルは長い舌を出して銃をなめる マックスは立ち上がる 【神】と言うと、ザミエルはショックを受け、下に潜る。 カスパーが来る ザミエルが高いテーブルと酒を運ぶ カスパーはわざと丸テーブルを倒して、酔いの回ったマックスを転ばせる カスパーはナイフを出して丸テーブルに四角の形を書き、ナイフをその真ん中に突き立てる。 カスパーはマックスに魔弾のことを告げる カスパーは空高く飛ぶ鷲をマックスに撃たせる 鷲が落ちてくる マックスは魔弾を作るために真夜中に狼谷に行くと約束する。 カスパーが歌う 魑魅魍魎の手下たちが現れる 暴れるカスパーを押さえながら歌う ハンブルク版の魔弾の射手では有名歌手がアルベルト・ドーメンぐらいしか出てないのだが 彼がカスパーで、ワグネリアンバスバリトンのパワー全開ですばらしかった。 加藤さんも演技も歌もすばらしかった。 アガーテの家 大きな丸テーブル アガーテは頭に血のにじんだ包帯を巻いて、自分の花嫁衣裳を縫っている。 いとこのエンヒェンがまず歌う すばらしい!! すると客席のしもて側一列目に座っていためがねのスーツ姿の男性がBravo!と叫びだす。 つられて拍手をした客もいたが、こっちが正真正銘仕込みだったのだ(笑)。 男は白いバラの花束を舞台に投げ込む エンヒェンは拾って花瓶に生ける アガーテは隠者のところに今日行って来たのだがバラの花を隠者にもらった そして何か悪いことが起きると言われた。 アガーテは突然落ちてきたご先祖のクーノーの肖像画に当たってけがをした。 そのことではとエンヒェンが指摘する。 ここで隠者=客席の男性とはまだばらされていないのに見事に暗示されているのでなるほどと思う。コンヴィチュニーにちょっと感心する。(笑) エンヒェンはもう寝ると二階に上がる アガーテは下でマックスを待っている ハンブルク版ではエンヒェンがアガーテを冷やかすのだが日本版ではニュアンスがちょっと違う。 一人で星空の下で歌う。 これがとんでもなくすばらしい!! 深遠な美しい魂。 マックスが来る 二人は抱き合う エンヒェンが階段の上で咳払いする アガーテはマックスに今日の首尾を問いただす マックスはうまくいったと言う 実は的を射る競技には参加しなかったんだ。 どうして でも鷲を射たんだ 巨大な鷲の羽根を帽子に挿している アガーテに見せるが、目に入るわと嫌がる マックスはまたすぐに出かけるという 大鹿を射止めたので取りに行かないと農民たちに奪われる どこなの 狼谷だ 魔王が狩をする場所だ 気持ちがすれ違い喧嘩する二人の手を間に入って握らせるエンヒェンがなかなかけなげです。やっぱりけっこういい演出じゃない?(笑) ここの三重唱がモーツァルトのように美しくすばらしい! マックスは女性たちが止めるのも聞かない ザミエルがマックスを連れて行く 場面転換 狼谷 ザミエルの棲む場所 カスパーがザミエルを呼び出す声 ザミエルがピストルを撃つ テレビに映るのはカスパー カスパーは悪魔と契約している カスパーは明日に期限が迫っている カスパーはザミエルに3年の延長を望む。 代わりにマックスを差し出すつもりだ カスパーがドイツ語で歌っているのにザミエルが日本語で応えるので非常に奇異な感じを受ける。これはやっぱり変だ。 またザミエルのしゃべり声がはっきり聴こえるので拡声しているのかとも思う。 ザミエルがまたピストルを撃つと画面のカスパーは消える 悪魔たちの合唱 狼谷でカスパーはマックスを待っている 奇妙なテレビには炎が映っている 上には奇妙なふくろう 目が赤色と緑色に光る パタパタする マックスが来る 中に入って来いと言うがなかなか入らない 化け物のような獣人間たちがマックスにお尻を出してみせる あの悪夢が甦る。 来たぞ 俺は何をするんだ? カスパーは魔弾を創り始める 目を守るため防護ゴーグルをかける 数字を日本語で言うのでいつもと違う感じを受ける コミカルになってしまう。 1発魔弾を創るたびに新たな展開をするのですごくおもしろい 鍋に火薬を投げ込むたびに火花が上がる。煙が出る。 カスパーが数を数えると、電子的な音がその数字を繰り返す。 2つめでフクロウの首が落ち、全部下に落ちる 大きな壁が舞い降りてきたり。 避けて倒れこむカスパーとマックス。 いよいよ7個め 悪魔の望むものに当たるという魔弾だ 音楽がもっとも盛り上がるクライマックスだ。 読響すばらしい! かっこいい! 魑魅魍魎がわいてくる 魔弾を創った時 全員が倒れる マックスも幕の外に倒れる ザミエルが近づいてくる ここハンブルク版ではマックスが十字を切り、助かるのだが そのようなシーンは日本版ではなかった。 立ち去るザミエルを茫然と震えながら眺めているマックス。 幕。 休憩 おもしろい!! やはり日本語だとわかりやすいのですごくおもしろい!! 休憩後 アガーテ一人 アガーテは白いウェディングドレスを着ている とても美しい。 音声だけの会話 マックスとカスパー カスパーはカササギに二発 マックスはもう3つ撃ってしまった 最後の一発をオレによこせ! アガーテの独唱すばらしい! 最初は壁を向いて歌っているのに声が聴こえてくる チェロもすばらしい! アガーテはもっていた白いバラの花を下にばらばらと落とす。 エンヒェンが来る 悲しい顔をしているわ 朝の雨と花嫁の涙ぐらい長く続かないものはないわ。 夢を見たの あたしが白い鳩なの マックスが鳩を撃つの 大きな鷲が転がっている エンヒェンは夢の解析をする エンヒェンはお化粧箱を持ってきてアガーテの化粧をする いつも明るいエンヒェン、けなげ。 ヴィオラのプロの奏者が悪魔のかっこうをして出てくる ハンブルクのヴァージョンではヴィオラは役者が演じていた。 女性の悪魔、今回の悪魔は女性なのでかぶっている。ハンブルク版は醜い男性の悪魔だったので真逆と言える。 ヴィオラ奏者の悪魔はエンヒェンの化粧バッグに入っていたピンクのリボンを弓で持ち上げ、ヴィオラの首につける そして端を自分の首に巻いて首吊りの真似をして遊んでいる。 女性二人はヴィオラ奏者の悪魔にはまったく気づいていない。 ヴィオラを弾く悪魔はいなくなる。 エンヒェンは結婚式に花嫁がかぶる花冠を取りにいく。 女性友達4人が来てお祝いの歌を歌う エンヒェンが箱を持ってくるが悪魔に箱をすりかえられる。 そうとも知らずエンヒェンは箱をアガーテに捧げる アガーテは恐怖で凍りつく 歌がやむ どうしたの? エンヒェンが箱の中を見る お葬式の花だわ 箱を階下に投げ捨てるエンヒェン バラの花から新しい花の冠を作る女性たち。 花冠をかぶるアガーテ。 女性たちは去っていく。 幕が閉まり 舞台転換の間、ザミエルが幕前で狩りの歌の歌詞をつぶやく。 ここはハンブルク版では有名な狩人の合唱の歌詞をじらすように二度も歌うので観客に非難されるというコンビチュニーワールドなのだが、日本版では狩人の合唱自体を皆があんまりぴんと来てないので、不思議なシーンになっていた。 仕込みなのか本当の客なのか、ザミエルが幕の向こうに引っ込むと大拍手、再び出てきたザミエルが拍手を手振りでかっこよく止めて見せる。これはやっぱり仕込みだったのか?いずれにしてもオペラファンを途方にくれさせ置いてけぼりにするのがコンビチュニーの専売特許なのでもしかしたら仕込みだったのか…。う~んだとしたら奥が深いぞ、コンヴィチュニー!(笑) ようやく狩人の合唱!かと期待したら舞台上で人々が全員死んでる?いや寝ている? 狩人たちは登場せず女性たちが横になっている 狩人たちはそで?で歌い、一番期待しているシーンの旨みを与えないというこれぞコンヴィチュニーワールド。 カタルシスを与えるべきシーンで与えないのだ。 舞台上では男装の麗人ザミエルが犬の帽子をかぶって ワン! 左右からカスパーとマックスが現れる そして領主様のオットカーがいよいよ登場! なんという美声なのだ! しかも日本語での芝居がうまい! クーノーは領主にマックスを娘婿として紹介する。 オットカーはアガーテと会うのを楽しみにしている。 暗くなる。 ついに最後の一発だ。 アガーテ一行が近づいてくる 舞台上では電球が一つアガーテといっしょに移動している。 白い鳩だ マックス、その白い鳩は私よ! 撃たないで! マックスはアガーテに向けて銃を撃つ アガーテとカスパー、マックスが倒れる 何が起こったんだ 人々は動揺する アガーテに当たったのか? アガーテが口をきく 死んでなかった! クーノーがアガーテに駆け寄る アガーテは茫然としているマックスのもとへ。 カスパーがザミエルに話しかける ザミエルは全員の回りを歩き回るが、人々は目に見えなくても不思議な威圧感を感じている。 ザミエルはカスパーの胸の緑のスカーフを抜き取る これはカスパーの命だった。 ザミエルは緑の長いスカーフを自分の首に巻く かっこいい! カスパーが死ぬ クーノーはカスパーの遺体に唾を吐く こいつはどうしようもない男だった オットカーはマックスに真相を問いただす 私は同情に値しない男です マックスは魔弾を創ったことを白状する オットカーは激怒し、マックスを追放するという。 クーノー、エンヒェンがオットカーにとりなす。 オットカーは拒否する。 そこで客席から歌いだす男が… 隠者である。この演出では隠者ではなく、大スポンサー ゴールドカードを皆に配りまくる下品な金持ちだ。 隠者のお金の力により、ストーリーを変えることになった舞台。 なんとなくアリアドネにも似ていますね 舞台監督が出てきて承知する 幕がいったんしまったのだが、幕が開く スポンサーが舞台上にやってくる オットカーはマックスを許す。1年間の謹慎を命じる そしてその後のアガーテとの結婚を許す。 大団円 合唱半端なくすばらしい。 まるでコンサートの最後のシーンのように関係者が出演者にシャンパンのグラスを渡す ゴールドカードをもらった人々は大喜び。 世の中すべては金!というオチに強引に落とすところがコンビチュニー。 死んだはずのカスパーも舞台に呼ばれ、 悪魔のザミエルと話し込んでいた隠者は、オットカーにいい加減にしてと舞台に引き戻される 私は前に書いた、コンヴィチュニーにはいいコンヴィチュニーと悪いコンヴィチュニーがある。これは前者だったのだろうか(笑…) 全幕了 皆様おつかれさまでした。 *** 余談ですが熱中症には気をつけましょう! 本日も悪魔のような暑さでした! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年07月22日 21時58分41秒
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