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カテゴリ:日本の城と城下町
22年ぶりに訪れた金沢の旅を記し始めて、既に1ケ月以上。そろそろ、その旅の記録も締め括りにしようと思う。9月、まったりと過ごした金沢の旅、その最後を飾る地が、城下町金沢の風情を漂わせる、ひがし廓(くるわ)である。 この地も、初めて金沢を訪れた23年前の1月、歩いているのだが、私のうろ覚えの記憶の中には、寒さゆえだろうか、静かな佇まいだったという印象しかない。しかし、それから四半世紀近くがたち、この日、目の前に展開した、ひがし廓の一角は、きれいに整備され、またお洒落で、そのメインストリートは、大勢の観光客で賑わっていたのである(右写真)。 そんな表通りの雑踏から、一歩、足を踏み入れたのが、重要文化財にも指定されている、お茶屋『志摩』。それは、江戸時代は、1820年に建てられた建物そのままが今に残る、貴重な茶屋建築であるという。その薄暗い茶屋に入ると、一瞬にしてタイムスリップする。 それはまさに幕末、NHKの大河ドラマ『龍馬伝』にもしばしば登場した、長崎の引田屋とも重なる。と、ふと襖の向こうから、蒼井優演じる"お元"が入ってきそうな雰囲気でもある。そして床に飾られた琴に、それを奏でては舞う"お元"の姿を勝手に思い浮かべたりもしたのであった。
階上を奥に進み、そこに家内と二人、腰を下ろして佇むと、気分は龍馬と"お元"、いや"お龍”だろうか。欄干から外を眺めると、簾(すだれ)の向こうに別の部屋の明かりが、また風情を醸し出す(下左)。そんな、暫しの幕末へのタイムスリップを楽しむと、パティオのように位置する和空間に心も癒され(下右)、一服へと進んだのであった(下中)。 さて、金沢での最後の時間を締めくくる一服となった、ここ志摩で頂いた主菓子の"きんとん"の銘は、『つゆ草』。そして大樋焼(関連ブログへ)かと思われた、その大ぶりな飴色の茶碗は、戸室(とむろ)だとか。。。それもまた、金沢で焼かれた茶碗であった。
金沢の旅は、最後まで、まったりとした時間であった。こんな旅もたまにはいい。ひとまず、これで区切りとしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.19 00:44:51
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