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カテゴリ:日本の城と城下町
信州松本、この地を訪れるのは、一体いつ以来だろうと、過去のメモ帳をめくっていたのは今朝のこと。毎年のように”今年こそは!"と思いながら、実現できずにいた、もう1度訪れたい場所。その念願の再訪を、この日漸く果たす。 しかし時が流れるのは実に早い。北アルプス登山の玄関口として、かつては頻繁に訪れた松本の地も、どうやら最後に訪れたのは1988年7月31日から8月1日にかけて。それは上高地から西穂高岳に登山した時のこと。しかし、自身それを最後に北アルプスから離れ、そしてまた登山からも離れてしまった。そんなお気に入りの地だった場所、松本、上高地を訪ねる今回の旅。指を折って数えると少なくとも今回が8回目、しかし実に25年ぶりの再訪となった。家内にとっては初めてである。 久しぶりに降り立った松本駅。当時、北アルプスの山なみを眼前に収める展望デッキがあったと記憶しているが、さすがに25年の歳月は駅自身もグレードアップし、駅ナカの景色は都内に見るそれと遜色ない。大きなガラス越しに展望した北アルプスは雲に霞んでいて、白馬八方へと連なるくっきりした山肌を認めることは出来なかったが、シンボル的な常念岳の三角の頭を認めることが出来た。そして何より、首都圏の猛暑とは裏腹に、涼しささえ感じる空気にその地に来たことを実感させられた。
そして早速ホテルに荷物を預けると、松本のシンボル松本城へと向かう。途中、何度か寄り道をしているうちに、ゆっくりと登城する時間がなくなり、しかも30分待ちという状況から入場は翌日に持ち越し。そのかわり城の堀をゆっくりと1周。そして少し足を延ばして訪れた明治初期に作られた開智学校はおそらく29年ぶり。当時就職も決まらぬまま、大学4年の秋、はるばる九州の南の果てから旅をしてきた日は遥か昔のことだ。 そして縄手通りに中町通りにと、かつて歩いた記憶のない場所に数々の発見や心地よさを堪能。松本に蔵のイメージは無かったが、随所にそれを目にし、城下町風情を醸し出す。また雰囲気があり特徴あるお店も多く、歩いていてふらりとお店に入る。ゆったりとした楽しい時間を過ごさせてもらった。骨董品屋を多く目にしたのはまた意外なところで、つい茶道具に目をやっては、ちょっと買えないなあと家内と目を合わすのであった。
ちょうどお腹も空いたころ、中町通りに見つけた、風情ある蔵と庭が奏でる雰囲気に引き寄せられて入ったのは栗菓子の名店、竹風堂。そこで私は栗強飯(おこわ)、そして家内は麦とろ膳に舌鼓をうっていると、やがて日も傾き、再び松本城へと歩く。お城のライトアップを見るには、ちょうどいい時間帯になってきたからだ。
松本城は日本に現存する12の天守閣のうちの一つ。その中でも年代的には、犬山、越前丸岡と共に戦国期に築城された古い部類のもの。かつては、そのいずれもが日本最古を標榜していた記憶があるが、今ではそれを目にすることもない。城フリークとしての私は当然としても、家内もその12城のうち8つ目の登城となり、私様々だろうと、そんな話をライトアップされた天守閣を目の前に話をしていたのである。
内堀の端から光を照らす、そのライトに群がる多くの鯉。パクパクと口をさせていたのは、どうやらライトに目がけてやってくる虫たちが堀に落ちるのを狙ってのこと。夜の城内には隣接するビアガーデンから酒宴たけなわの声が響いていたが、ライトアップされた松本城を目の前に飲むという最高のロケーション。それも頷けようというものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.07.14 22:30:52
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