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カテゴリ:日本の城と城下町
平成の大修復でその優美な天守閣が大きな箱にすっぽりと覆われている、世界遺産の国宝・姫路城。その姿の見納めにと姫路城を最後に訪れたのが2009年の10月(関連ブログはこちら)。以来4年の月日が立ち、修復工事の様子を間近に見られる見学施設の人気ぶりや、その貴重な機会をテレビ等で目にするにつき、1度はそれを見に行かねばならないだろうと思っていた。 そんな私が腰を上げるキッカケとなったのが、今週初めに目にしたニュースの記事。それは、"天空の白鷺”と名付けられた見学施設が来年1月をもって終了するというもの。そして、週末には見学する人の長蛇の列で入場するのに1時間以上も待ち、さらに1月は予約も埋まってきているという内容。もはや行くとしたら12月の平日しかないではないかと、本気モードのスイッチも入りかけたところで、ふと新大阪への日帰り出張が予定されていたのが、偶然の巡り合わせ。急遽、私を姫路城へと足を向かわせることになる。 新大阪でのお客様との打合せが終了したのが、目算通りに14時ほんの少し過ぎたところ。新幹線の駅に向かい、そのまま東京へ、そして直接家に帰る予定だったので、敢えて帰路を急ぐ必要もない。とは言え、この日は小雨の混じるとても寒い1日で、東日本では降雪の予報も出されていたことから、多少私の決断を鈍らせたのも事実。しかし、この機会を逃すともう行けないだろうという思いが、私の背中を押した。新大阪~姫路の新幹線往復の切符を買うと、いざ姫路へと向ったのである。
駅の改札を出ると、まず駅の景色が最後に訪れた時と変わっているのに戸惑うが、真っ先に駅の正面出口へと向かい、姫路城と対面した。新しく出来ていた駅の展望デッキから正面、大きな箱に覆われた姫路城の姿を遠く臨むと、一路、姫路城を目指した。途中、4年前にも訪れた、姫路城の遺構を見渡せるビューポイントからその姿をカメラに収める。 そして、歩くこと30分弱、4年ぶり4回目となる姫路城へ入城したのは15時30分過ぎだった。雨と肌寒さの平日の午後、人々の足も鈍っているだろうという予想は的中。記事で知らされていた長蛇の列が無いばかりか、全く並ぶことなく、"天空の白鷺"に入ることが出来たのはラッキーだった。 箱の一面に設けられたエレベータで、大天守閣のまっ白い外壁を舐めるように、一気に高度を上げると、そこは最上層、そしてその屋根と鯱を眼前にする。それは、まるで大きなショーケースの中に、天守閣がすっぽり入っているかのよう。その周囲は、しっかりと足場が階層に設けられているが、作業者は無し。見た目の外装は、すでに作業完了と言っていいに等しい。
その場所に初めてやって来て、それまでの修復作業の経緯を映像や写真で見るにつけ、もっと早く来るんだったなあ、と思っても時すでに遅し。まさに修復しているその様子を経時で見たかったなあと思う。しかし、工期も最後のところで、全く混雑なくゆっくりと間近に見ることが出来たのは幸い。その場にとどまって、暫し目に焼き付けたのであった。 さすがに姫路城の城郭の中は、工事用の通路が敷設され、また至るところに案内係が立っていて、順路に沿って歩くという感じだったので、さすがに自由度は無いのだが、大天守が箱に覆われた姿を見るのも一生に一度だけの貴重なチャンス。お決まりの連立天守の優美さとは対照的だが、何と表現したらいいのか分からないその貴重な姿をカメラに収めた。
姫路駅まで小走りし、16時59分の新幹線に滑り込むと、一路、新大阪に戻って一旦、改札を出、そして座席指定していた新幹線で東京へと帰路についたのである。次に姫路城を目にする時には、真新しい白い壁が眩しく輝いていることだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.25 23:59:37
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