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カテゴリ:【大阪】に関わる単語
若い頃の【好物】と云えば“カレー”や“唐揚”や“ハンバーグ”“焼肉”等と云ったコッテリしたものが好きだった。だから、年寄りが好む“刺身”だの“魚の煮付”だののアッサリしたものが【好物】だと云うのが信じられずにいた。
だから、友達の中に【好物】が“サラダ”だのと口走り、逆に「コッテリしたものとかギトギトしたものは苦手・・」などノタマウ奴なんてのは「何をカッコつけてんだ?」なんて思ったりもしたものだった。 そんな俺だったのだが、今の【好物】と云えば“蕎麦”だったりするのである。若い頃の俺が聞いたら殴りかかってきそうなモノを平気で口走ることが出来る、いや、それが本当のことなんだから仕方が無いくらいに【好物】が変わった自分がここに居るのである。 中でも【好物】なのが“蕎麦”なのであるが、これを公言するのには未だに少しばかりの抵抗がある。 なぜかと云うと・・・ 世の“蕎麦好き”は“通ぶっている”人が多いからである。 やれ「ツユには漬け過ぎない方が良い」だの「蕎麦には辛口の日本酒に限る」だの「わさびは卸し立てが良い」だの、いちいちウンチクを語って“通ぶる”事が本道な雰囲気が支配している、あの世界が嫌なのだ。 俺は、普段着のままで“蕎麦”が好きなのだ。粋がったりせずに蕎麦が喰いたいだけなのだ。でも、そう云うヤツは「野暮」なのだそうだ。 しかしながら俺は、別に“通ぶって”他人に「ほぉーっ。さすがだねぇ」だの「分かってるねぇ」なんて言って欲しくも無いし、言われなくてもよい。ただ、旨い蕎麦が喰いたいのである。 ------------------ 関西では、関東で云う「蕎麦屋」なるものが殆ど存在しない。 もし、仮に在ったとしても、それは“蕎麦専門店”だけであって、そこには丼モノや饂飩などは品揃えされていないハズだ。 そう。関西では、関東で云う「蕎麦屋」のことを「うどん屋」と云うのである。逆に言うと、それ程までに関西には蕎麦文化が浸透していないのである。 関西に“蕎麦文化”が拡がらない原因は何か。それはズバリ、関西人には“粋がるのが美徳”と云う文化が根付かないからなんだと思うのだ。 このポイントが“蕎麦文化”を含め『関西が日本で孤立してしまう』要因なのだと思うのは、気のせいなんかではないだろう。 ---------------- 俺の【好物】は“蕎麦”だ。 いや“蕎麦”に変化していったと云ったほうがよい。その“蕎麦”といえば、やっぱり江戸文化の象徴だろう。関西人の俺ならば“蕎麦”より“うどん”の方が【好物】なはずなのに。 人は変わるのである。 しかし・・・・ こうして俺は、ますます関東に染まっていき、将来的には東京の中で蔓延っている『江戸っ子よりも東京人ヅラをして粋がっている在京地方人』の一員になってしまうのであろうか。 ・・・・少し不安だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/03/18 07:09:42 PM
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