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あたしはあたしの道をいく

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2008.03.05
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読書メモ『知らずに子どもを傷つける親たち』


読後感『知らずに子どもを傷つける親たち』1



独身時代に、一人暮らしをしていた私。

思い出したけど、それって、仕事をする上で必要に迫られてのものじゃなく、

ただ単に「家を出たかったから」なのよね。



元々、大学時代から家で過ごす時間を最小限に抑えていた、あたし。

合宿だの、泊まり飲み会だの、泊りバイトだの、最大限に出かけてたのよね。

家は、食べて寝て風呂に入る、だけの場所って割り切っててさ。

だから、これ以上家に居たくない、って思い続けて、

やっとのことで溜めた貯金をはたいての、一人暮らし。

家になんか、帰るわけがない。



盆正月とか、置いて来たものを取りにとか、そんな程度でしか戻らなかったはず。

だから、あの時の感じじゃ、DVも実家に相談できなくて当然だし、

実家に相談しなかったことを、今も後悔してない。

だから、それ自体は今更、どーでも良いんだけど。



でも、不思議ではあるのよ。

生命の危険を感じるような大事に相談せずに居て、

結婚するとなった途端、あたしは実家に擦り寄って行った。



確かに、ケイは両親に会わせられるような男じゃなかった。

恋愛感情に溺れていても、それはちゃんと認識してた。

ダーリンには、その感覚は無かった。

その違いは、大きい。

でも、なんであたし、せっかく開けた両親との距離を手放してしまったんだろう?



あたしは、ダーリンと結婚しようと決めてから、何でも母に相談するようになった。

結婚式の招待状を誰に送る、とかいうような、親戚付合いのことだけじゃなくて、

ダーリンの愚痴を言って慰められたり、惚気たり、そんなことまでしていた。



おかしい。

その少し前まで、あたしは「親は欺くべき相手」だと思ってたはずだ。

ほんのちょっと前まで、敵、と認識していたはずなのに。

絶対に判りあえるなんて思ってなかったのに。

なんで、結婚するとなった途端、あたしはその感覚を手放したんだろう?



思い出してみる。



ダーリンのことを、母に話したのは、年末に実家に帰ったときだ。

ケイのことを隠し続けたあたしにとって、男のことを母に話すのは初めてで、

ものすごくドキドキしたのを覚えている。

ケイのときみたいに、拒絶されるのか。受け入れられるのか。

ものすごくドキドキしたけど、苗字が一緒、ってそれだけであっさり受け入れられた。



受け入れられた、という感覚。

そうそう、あの感覚、すごく嬉しかったのよね。



あたし自身、母と長いこと距離をおいていたし、敵、という感覚が薄れてた。

ダーリンなら大丈夫だろうって打算もあった。

だけど、受け入れられた、ってのはどうしようもなく、嬉しかった。



今なら、分かる。

母が反応したのは、「家」に拘る母なら当然の、家柄が同じだったこと。

家格ってものがあるとしたら、相手の家は上でも下でも嬉しくない。

それが、全くの同格だってだけで、手放しに喜んだだけ。

何のことは無い、弁護士だとか医者だとかいう、肩書きをありがたがるのと同じだ。

ダーリン本人のことなんか、全然眼中に無いわけよ。

だけど、あたしはそれを、「受け入れられた」って取ってしまったんだ。



『知らずに子どもを傷つける親たち』の中で、どんなに傷つけられた子どもでも、

親のことを簡単に許してしまう、というようなことが書いてあった。

あたしも、同じだったんだなあ。



そこからあたしは、距離を失ったんだと思う。

ありえないくらい、たくさんのことを母に相談した。

夫婦の愚痴、みたいなのを共有するのは単純に、楽しかった。

主婦同士の井戸端会議、だったのよね。

そういう、母と「対等」な話が出来るのも、楽しかったし。



そして、私は妊婦になる。

体の変調は、母への依存に拍車をかけた。

3回も妊娠・出産を経験した母と、初心者の私。

いつの間にか、私は「対等」ではなく「子」に戻っていた。



さらに、私は産婦になる。

初めての育児は何も分からず、母を頼った。

何時の間にか、頼りきりになった。


あああああ。

何となく、距離を失っていった「必然」が見えてくる気がする。

そして、以前の、私が本当の子どもだった頃の関係に近くなってしまって、

私はやっと、息苦しさを感じている。



今まで、私は母との間に距離が持てないことが苦だった。

ACは、機能不全家庭で育つ。

その回復には、育った家庭と距離を置くことが一番だと知ってから、

実家と密着した生活が不満で仕方が無かった。



だけど。

実家に依存して行ったのは、私の選択だなあ。

簡単に親を許してしまったこと。

後にそれが間違いだと気付いても、それはもう、取り返しがつかない。

今更ながら、手放してしまった距離を、悔やむ。









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Last updated  2008.03.05 12:36:55
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