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カテゴリ:医療
2月は2回にわたってフェンタニルのことを書いた。とても残念なことだが、同業者の麻薬窃盗・不正使用事件であった。今回はレミフェンタニルで、商品名をアルチバという。まだ発売されたばかりの新薬だ。実を言うと、今回は不正使用の心配はしていない。フェンタニルと違ってレミフェンタニルの場合、不正使用するのは、麻酔科医にとっても手強すぎるのだ。 ただし、今回の事件はやはりとても残念だ。bambooの勤務先では、症例毎に薬局にアルチバをもらいに行く。これがとても面倒なのだ。何とか手術室に金庫を設置して、サテライト薬局の運営をして欲しいのだ。でも、こんな事件が報道されたのでは、もう無理だろう。面倒でも、今まで通り毎回症例毎に薬局に行って貰うしかないな。 麻薬指定薬を紛失 北九州市立八幡病院 うちでは空き瓶だけでなく、使った注射器も回収している。残薬があるなしにかかわらずだ。全部ビニール袋に入れて薬局に返している。記事を読むと、やはりお粗末だと思う。これでどれだけ多くの手術室が迷惑を被ることになるのか、少し考えて欲しいな。事故が起きれば、それだけ規制が厳しくなるのだ。 でも、不正使用を疑う麻酔科医はいないだろう。レミフェンタニルは、シリンジポンプという機械を使って微量持続静注する薬剤なのだ。静注を止めればすぐに効果が無くなってしまう。また、通常使用する量を使えば、呼吸が止まる。とても楽しめる薬ではない。 実を言うと、批判はしたが、同情もしている。うちでもモルヒネが行方不明になったことがあった。麻薬Gメンが来ることになり大騒ぎになって、院長はふるえが来たそうだ。でも、すぐに真相が分かって解決した。看護師が金庫から取り出すとき、別の患者の分を取り出してしまったのだ。使ったはずの患者の分が残っていてめでたしめでたし。八幡病院は相当絞られただろうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.05 17:32:19
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