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カテゴリ:医療
頭痛はありふれた症状だが、時には致命的な疾患の症状であることも多い。髄膜炎を疑えば、髄液検査をするのは当然だ。記事では骨髄検査となっているが。 「不要な検査で後遺症」と提訴 前橋の女性、医師ら相手に 頭痛で骨髄検査をすることは一般的ではないので、本当に骨髄検査をしたのなら、必要のない検査だった可能性はある。でも、骨髄穿刺で腰や下肢にしびれや痛みを感じるようになるのなら、骨髄移植のドナーのなり手はいない。実際に行われたのは脳脊髄液検査のための、腰部くも膜下穿刺だったのだろう。報道する前に、少しは推敲しろよ、毎日新聞。 くも膜下腔には脊髄がある。腰部では太い脊髄ではなく、馬尾と呼ばれる細い神経の束に分かれている。太い脊髄のあるところに針を刺せば脊髄に傷を付ける可能性が大きいが、馬尾の部分であれば、神経に針が当たる可能性も少ないし、たとえ当たっても神経が避けてくれるので傷つける危険は少ない。「少ない」というのは、少しはあると言うことだから、時には神経が傷つくことはある。そのために起こる障害を馬尾症候群という。たいていはひと月くらいで症状は治まる。でも、時には症状が続くこともある。 医療行為には絶対に安全というものは少ない。何らかの不具合があるかもしれないが、やらないよりはやった方がメリットがあると思うからやるのだ。個別の症例でメリットがあると確信があるからではなく、多くの症例に採用したときに、トータルでメリットがあるから行うのだ。結果的に医療行為が原因で特定の症例で後遺症があったとしても、その医療行為で救われる症例の方が多ければ、やった価値はあるのだ。結果が悪かったからと言って訴訟されるのは、医療機関からすれば納得できないだろう。 そもそも、症状の原因が検査だという証拠はあるのだろうか。元々の病気が髄膜炎だとすれば、後遺症が残る可能性は十分にあるのではないだろうか。 ミラーサイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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