1558632 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

医療報道を斬る

医療報道を斬る

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

Dr. Bamboo

Dr. Bamboo

Calendar

Favorite Blog

  皮膚科医独身の… 皮膚科医独身さん
臨床の現場より head&neckさん
めんどうはごめんだ お前に云えないさん
Green-Note Green-Noteさん

Comments

一個人@ Re:パパラッチ?(05/29) 前橋市は県内で唯一の医学部のある大学が…
dho@ Re:越権行為じゃない?(06/24) 法医学の観点から客観的事実を述べること…
wadja@ Re:報告(07/13) 心からお悔やみ申し上げます。ネットの掲…
Kosuke@ Re:報告(07/13) Dr.Bambooさんの書き込みを初めて拝見した…
キンシャチ@ Re:報告(07/13) ご冥福をお祈りします。 しばらくブログ…

Headline News

2007.05.12
XML
カテゴリ:医療
主訴頭痛 髄液検査 不要なの?


 頭痛はありふれた症状だが、時には致命的な疾患の症状であることも多い。髄膜炎を疑えば、髄液検査をするのは当然だ。記事では骨髄検査となっているが。

「不要な検査で後遺症」と提訴 前橋の女性、医師ら相手に

記事:毎日新聞社 【2007年5月10日】
訴訟:「不要な検査で後遺症」と提訴 前橋の女性、医師ら相手に /群馬

 前橋協立病院(前橋市朝倉町)で必要のない検査を受け、後遺症が残ったなどとして、同市内の20代の女性が9日までに、医師らを相手取り、慰謝料など約3600万円の支払いを求める訴えを前橋地裁に起こした。

 訴状によると、女性は06年7月、頭痛のため、同病院で2度診察を受けた。2度目の診察の骨髄検査で、腰に体液採取用の針を刺された。その後、腰や左足などにしびれや痛みを感じるようになった。

 原告は「不要な検査が左下半身に後遺症を引き起こした」などと主張。病院側は「訴状の中身を検討している段階で、コメントできない」としている。【杉山順平】



 頭痛で骨髄検査をすることは一般的ではないので、本当に骨髄検査をしたのなら、必要のない検査だった可能性はある。でも、骨髄穿刺で腰や下肢にしびれや痛みを感じるようになるのなら、骨髄移植のドナーのなり手はいない。実際に行われたのは脳脊髄液検査のための、腰部くも膜下穿刺だったのだろう。報道する前に、少しは推敲しろよ、毎日新聞。

 くも膜下腔には脊髄がある。腰部では太い脊髄ではなく、馬尾と呼ばれる細い神経の束に分かれている。太い脊髄のあるところに針を刺せば脊髄に傷を付ける可能性が大きいが、馬尾の部分であれば、神経に針が当たる可能性も少ないし、たとえ当たっても神経が避けてくれるので傷つける危険は少ない。「少ない」というのは、少しはあると言うことだから、時には神経が傷つくことはある。そのために起こる障害を馬尾症候群という。たいていはひと月くらいで症状は治まる。でも、時には症状が続くこともある。

 医療行為には絶対に安全というものは少ない。何らかの不具合があるかもしれないが、やらないよりはやった方がメリットがあると思うからやるのだ。個別の症例でメリットがあると確信があるからではなく、多くの症例に採用したときに、トータルでメリットがあるから行うのだ。結果的に医療行為が原因で特定の症例で後遺症があったとしても、その医療行為で救われる症例の方が多ければ、やった価値はあるのだ。結果が悪かったからと言って訴訟されるのは、医療機関からすれば納得できないだろう。

 そもそも、症状の原因が検査だという証拠はあるのだろうか。元々の病気が髄膜炎だとすれば、後遺症が残る可能性は十分にあるのではないだろうか。

ミラーサイト





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.05.12 09:07:59
コメント(6) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.