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カテゴリ:音楽
1.Love Is the Drug 2.End of the Line 3.Sentimental Fool 4.Whirlwind 5.She Sells 6.Could It Happen to Me? 7.Both Ends Burning 8.Nightingale 9.Just Another High ■Roxy に夢中だった頃はまだまだ世界がほどほど遠くて、自分がどういう人間になるんだなんてことが皆目見当もつかないで、つまらないオトナにだけはなりたくないなんて思っていた時期だったと思う。 ■真っ直ぐなものには抵抗があって、捻くれていなければ格好良くは見えなくて、正統よりは異端、斉唱よりは変奏、美人よりはコケティッシュ、黒澤よりは鈴木清順。そんな気分にバッチリあてはまったのがこの Roxy Music だった。 ■Bryan Ferry の胡散臭いボーカルに夢中だった。あの独特の節回しがクセになった。格好いいことをやろうとしている普通の人たちが、たまたま選んだスタイルがロックのようなものだった、というアマチュアっぽさがずいぶん感じられた彼らの曲の変な瑞々しさにやられてしまった。 ■Roxy の曲の中で最も好きな曲は「Mother of Pearl」である。アンチ・ポップであるもの。歌詞の抽象性、メロディの壊れ具合、Bryan Ferry のよく計算された疲弊感が滲み出ている。そういう意味ではこの曲と「Song For Europe」が入った「Stranded」が名曲含有率という点では一番かもしれない。 ■しかし、私が Roxy を人に薦める時の一枚は「Siren」である。ジャケットの色合いが良い。M1のポップ具合でもう、つかまれてしまう。 かのミュージック・バトンでも生涯5曲に選んだM3。Bryan Ferry はステージでも誰も見ていないのに背中を創っているようなところがあって、痛々しいほど、ナルシストを気取っている。そんなこっ恥ずかしいわざとらしさは一周回ってやっぱ、アリでしょ。実はM3と同じくらい好きなのがM9。どっちも痛いし、どっちも名曲だと思う。 ■トータルな完成度で言えば間違いなく「Avalon」に軍配が上がるのであるが、まだ途上のバンドが傑作に似せようとして様々な工夫をしたプロセスが見え隠れする分、私にとっては身近なアルバム。そして何より、これを聴いていた時期に起こった様々な自分を取り巻く出来事のBGMとしてこの盤の印象は強烈なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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