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カテゴリ:音楽
01.Airbag
02.Paranoid Android 03.Subterranean Homesick Alien 04.Exit Music (For A Film) 05.Let Down 06.Karma Police 07.Fitter Happier 08.Electioneering 09.Climbing Up The Walls 10.No Surprises 11.Lucky 12.The Tourist ■信頼できるバンドっていうとちょっとおかしな表現になるけど、たとえば、このレィディオ・ヘッズの「OK・Computer」とか、オアシスの1枚目とか、U2の「ヨシュア・トゥリー」などを聴くと、どこをとってもそのバンドの誠実さみたいなものがうかがえて、気持ち良く安心して聴くことができる。 ■どちらかと言えば、内省的な歌詞に、籠もりがちな音色で、ヘッドフォンで聴いていると、外部と遮断された逃げ場所のような、シェルターのような、またひとり引き籠もり増やしましたみたいな印象を与えることが多いバンドにも見えるけど、私はこの音は意外に健康的なのではないかと感じている。 ■なによりギターのつんざくようなフレーズにときめく。このアルバムとフロイドの「狂気」はつまるところ、聞き手を同じような次元に連れて行ってくれるように思う。20年遅れてきたプログレ。かつて、ああいう劇的大作にうっとりしていたおじさんたちは、このアルバムを聴いてみればいい。そしてなんにも感じなかったら、それはそれで良い。色々あったんだろうさ、世間の風。 ■OK・Computer の 裏側にはNG・Computer があるのだろうか。音楽を創るためにどれだけコンピュータが進化しようとも、そのテクノロジーに溺れてしまったところには我々を歓喜させるものは何もない。そこにあるから自然にそれを使う。その昔のロック少年が初めて手にしたものがギターだったのと同じように、現代の音楽小僧たちはコンピュータを手にするわけだ。オーケー、コンピュータ。オーケー、テクノロジー。でもそれが全てではない。このバンドのトム・ヨークの声が聴くものの心をつかんでしまうように。 ■2枚目の「The Bends」、3枚目の「OK Computer」、そして次作の「Kid A」、この3作の醸し出すムードは、すごくシリアスでレィディオ・ヘッズというバンド(とりわけトム・ヨークの)の真面目さとか誠実さが感じられるのだが、気のせいか。すごく個人の心を蝕むようなところもあって、取り憑かれたようにこの音を聞き続けるリスナーも数多いんじゃないかな。それこそ一生治まらない背中の痒さみたいにね。 ■日本で彼らが最初に(渋谷陽一によって)紹介された時には「ラジオ・ヘッド」と呼ばれていたそうだ。ま、渋谷氏の発音ならば、さもありなん。しかし、もし、そのままずっと「ラジオヘッド」のままだったら、こんなに売れていただろうか。「ラジオ」と「レィディオ」、そのちょっとした違いがニュアンスとして大きな差を生み出すって事だよね。ブライアン・イーノだって、最初はただの「エノ」でしたよ、たしか。ピーガブだって、「ガブリエル」と「ゲィブリエル」では後者の方がアートな感じがするでしょ。というわけで、基本的な発音練習をバカにしてはならない(特にレコード会社の人はね)という教訓で今日はおしまい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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