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カテゴリ:音楽
01.ろっかばいまいべいびい
02.僕は一寸 03.CHOO CHOO ガタゴト 04.終りの季節 05.冬越え 06.パーティー 07.福は内 鬼は外 08.住所不定無職低収入 09.恋は桃色 10.薔薇と野獣 11.相合傘 ■よく無人島に持っていくとしたら、どのレコード選びます?なんて聞く人がいるけど、私、無人島に行ったら2,3日で死んでしまいそうで、結局何も聞けずに終わってしまうと思います。で、これとこれだったら、どっち捨てます(あるいは売ります)?という選択だったらどうかって考えてみたわけです。実際スペースの関係で今所有しているもの全てを新たな居住先に持っていけないと仮定した場合です。 ■この本は手元に置いておきたい、いつかきっとまた読む。この雑誌は、このビデオは、このCDは・・・って引っ越しって大変ですよね。実はひとつのものを選ぶと言うことは残り全部を捨てていると同じ事なんですね。BEATLES のコレクションからひとつだけ捨てなければならないとすれば、何を選びます?(よーく考えたら、Let It Beでした)これって意外にマイベストを選ぶことより難しくない?で、この「HOSONO HOUSE」なんですが、何でこれが捨てられないかって考えることがこのレビューに繋がっていくわけですよ。 ■73年だからもう30年以上も前の作品で、普通、古臭いことに溢れた懐かしさみたいなものが漂う種類の音楽ってことになるんでしょうが、聞き直して感じることは、音の良さだったり、解釈の斬新さだったり。色んなもの(YMOもティンパンも)がここから始まったはずなのに、それが土台でしかないというわけではないというところが凄いんだと思います。 ■HOUSEという例えを使えば、今見ても、古臭さを感じない「家」。今でも住んでみたい「家」の趣がこの作品にはある。THE BAND の「Music From Big Pink」にも感じる時代感覚を超越した格好良さですね。(実際当時の細野さんの家もピンクだったらしい)細野の声が暖かい、バックの音(鈴木・林・松任谷)が新しい。ハイカラでもあるんだけど、カントリーの趣も、R&Bの片鱗も、そして和のメロディも。それら全部合わせて細野晴臣という音楽なんでしょうね。 ■ギター1本のM1、アコーディオンが優しいM5,そしてM9が好き。M9の「恋は桃色」は矢野顕子、サニーディサービス、中村一義などのカバーでも知られる名曲。元歌は何も足さない何も引かないシンガー細野の独壇場。駒沢弘城のスティールギターが美しい。この人の声はメインボーカリストの声ではないんだけど、一枚じっくり聞いていると、この声じゃなければ物足りないという印象が何故だか残ってしまうんだ。ぼそぼそ喋るナレーションもだから味があるわけですね。 ■細野晴臣の一枚といえば、YMO前夜のすごく大きなスケールを予感させる「PARAISO」を真っ先に思い出すのですが、この「HOSONO HOUSE」の素朴な頑丈さにも惹かれる部分は多いな。でもって、今どちらの家に住みたいかと問われれば、テクノな楽園の機能美よりもカントリーの趣が残る木の家を選びたいと思う。なんかそんな心境なんですね。 ■この年末にこの「HOSONO HOUSE」からの楽曲をメインにした彼のコンサートが九段会館で行われるそうです。築32年の細野さんちの住み心地は、きっとあの頃のあったかさとそんなに変わっていないんだと思います。 PS あの時代の捨てられない名盤の数々 「黒船」 ミカバンド 「センチメンタル通り」 はちみつぱい 「摩天楼のヒロイン」 南佳孝 「サーカスタウン」 山下達郎 「ソングス」 シュガーベイブ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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