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テーマ:大河ドラマ『篤姫』(422)
カテゴリ:篤姫
■もし勝海舟(北大路欣也)だったら、樋口可南子の一声で、さっさと薩摩に帰ってきてしまっただろうに。しかし、ソフトバンクに縁もゆかりもない宮崎あおいにとってこの母さんの一言も最終兵器にはならなかったわけで。
■小松帯刀が本当に久光の了解をもらって、今和泉島津家に談判に行ったのかどうかはわからないが、薩摩兵にとっても、敵方に篤姫がいるという事実はたしかに士気を鈍らせる要因にもなりうるわけで、このタイミングで帰って来いよと手紙をだすという事態は頷けないこともない。 ■すでにこの時点では「徳川に明日はない」みたいな空気は蔓延していたし、大奥の住人たちもそれぞれが身繕いをして、さっさと引きあげてしまうことだってできたかもしれない。それこそ天璋院から王政復古ならぬ、大奥解散の大号令でもかかればね。でもね、よくよく考えれば、あの人たちには帰る家などないではないか。 ■今までどんな幕末のドラマでも、大奥から見た幕府が終わる時みたいな風景というのは描かれていなかったような気がする。使者小の島の登場を機に、今回のふたりのクール・ビューティー(中嶋朋子と稲森いずみ)による天璋院をめぐる説得合戦は西郷や大久保や岩倉の策略が陰に隠れて見えてしまうくらい劇的だった。頑張っていたよなぁ、蛍。 ■天璋院付きであるからこそ、彼女の故郷への想いをおもんばかった重野。天璋院がいなくなったら、大奥が柱をなくしてしまうと考える滝山。ふたりの言い合いはかつてないくらい激しく、火花を散らす。ここでは、その間に入ってコミカルに場面を繋いだ唐橋の使い方が巧い。彼女のグズグズ泣きが天璋院のシリアスな決断をハッピィエンドにも見せてくれたわけだ。 ■小松の顔を立てて、文を書いた樋口可南子も本当はわかっていたはずだ。いくらこんな手紙を書いたところであの娘はもう薩摩には戻ってこないだろうなって。それはあの子がお腹の中にいる頃からなんとなく感じていたんだ。例の人影が現れたあの頃からね。 ■岩倉や大久保らが考えた「錦の御旗」作戦は現代で言うところのメディア戦略に似ていると思うがどうだろう。テレビも新聞もなかったあの当時、民衆のアンテナを傾けるために仕向けられた広告塔としてのフラッグと考えれば、腑に落ちる。それが右なのか左なのかは別としてもね。 ■小松殿の体調はいよいよ下降気味。西郷や大久保にとってはそれはまさしく好材料でもあった。なんか美味いものを食べすぎて、糖尿病か痛風かという説もあるが、それもまたあのふたりの策略だったとしたら、なんて考えるのはミステリーの読み過ぎかもしれないね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/09 07:58:24 PM
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