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カテゴリ:一病息災
朝一番の患者さんが入って来るなりタクシー運転手との会話でとんだ大笑い。 「よろよろ歩いているから、親子連れのオバアさんに見えるんでしょうね」。「いい息子さんですねって、ったく失礼しちゃうよね」。 二人ともまだ60才なかばのオシドリ夫婦。電車、タクシーを乗り継ぎ、都内の家からここ埼玉所沢の当院まで1時間半かけて、もう10年も通っている患者さんである。 3 年前に奥さんがくも膜下出血、旦那さんも同時期に心臓疾患で相次いで倒れ、ともに大手術を受けている。幸い二人とも命はとりとめ、リハビリのかいもあって片麻痺も残らず、今は好きな旅行もできるほどに回復。 退院してしばらくぶりに見えたとき、命拾いしたときの臨死体験。 「そう、きれ~なお花畑で花見をしてきましたよ。今まであんな素晴らしいお花畑みたことないくらい、ホントきれいでした! 」 「三途の川っていうんで しょうか、私が立ってると、誰かが遠くの方で、おぉ~い、おぉ~いって呼ぶんです。誰だろう?どこかで聞いたような声でもあり、でも私はそっちへ行 くの何だかイヤだな~って。戻ろうとしたら、しばらくしてボォ~ッと意識が戻り気が付いたら、病院のベッドの上だったんです」。 「家の中で、みんながいるところで倒れたんで助かりました。ちょっとでも遅れたらもう駄目だったってお医者さんが言ってました」。 あの世にいくときは、"きれいなお花畑がある"ってよくいうけどホントの話なんですね。奥さんは、少し足に麻痺とむくみがあり、歩くときはゆっくりゆっくり。そのため電車や車の乗り降り、段差や距離のある歩きでは苦労する。「もう転んだら、お人形さんみたいで、自分じゃ起きられないんです」と笑う。 いつも口は滑らかで明朗闊達なのが救いである。旦那さんがいつもぴったりと寄り添い、かいがいしく世話をやいている。それが親孝行な息子に運転手さんには見えたのかも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 2, 2014 06:16:04 PM
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