貸家を5棟建てる契約をしたけど・・どうしよう?
午前中は・・、スポット相談が1件。
( 1時間:3,000円 )
盛岡から車で2時間半ぐらいの所から・・、
Eさん(30代)が電車で来所・・です。
大きな袋に・・契約関係書類が・・。
自宅前の古いアパートを解体して・・、
1戸建て貸家を5棟建てる・・という内容です。
内容は・・ザックリと・・、
・工事費総額 : 5,000万円
・資金 : 全額ローン (変動金利・25年返済)
・建物 : 2LDK2階建て・5棟
・手取り収入 : 10万円/月 (120万円/年)
・着工時期 : 来年の6月 (年回りを考慮)
・契約者 : お母さん(70代)・・土地所有者
・連帯保証人 : Eさん(30代)・・ローンの連帯保証
契約はしたけど・・、本当にやっていいのかどうか
迷っている・・ということでした。
目的は・・固定資産税と相続税の対策・・のようです。
「お金を出さずに、毎月10万円がもらえるなら・・。」
「アパートよりも貸家の方が入居率がいいみたい。」
「借金は相続対策になるというし・・。」
・・と、お母さんの感想・・の、ようです。
私の・・結論、「こんなもの、おやめなさい!」・・です。
20年~30年先・・、恩恵を蒙るか、損失を蒙るか、
すべては・・Eさん本人に・・。
不動産は他のものも含めて、いずれEさんが相続します。
お母さんの意思よりも、本人の意思が大切です。
さあ! なぜ、「おやめなさい!」・・か?
●5,000万円もの資本投下で・・120万円/年程度では、
不動産投資としては・・効率が悪く、危うい。
120/5,000=0.024 (利回り:2.4%)
手数料の安い投資信託でもやっていた方が・・、
経済的・心理的負担がない分・・マシです。
●120万円/年・・は、入居率100%の場合であり、
常に100%入居・・ということは、ありえない。
時の経過とともに・・入居率は低下していきます。
●120万円/年・・は、今のローン金利の場合であり、
最大の問題点は・・このローンが変動金利だということ。
今の異常な低金利・・を基準に計画されています。
これから先の金利上昇が想定されていません。
危険極まりない・・計画、・・です。
・・結果、
これから・・入居率が低下します。 (当然・・です)
これから・・金利は上昇します。 (当然・・です)
毎月の収入の10万円は・・簡単に吹き飛びます!!
だから・・「おやめなさい!」・・です。
一番・・得をするのは・・、銀行です。
5,000万円のローンで・・利息収入は・・、
ザックリと、2,500万円。 (ボロ儲け・・です)
2番目に得をするのは・・、建築会社です。
5,000万円の工事で・・粗利益は・・、
ザックリと、1,250万円。
3番目に得をするのは・・、不動産管理会社です。
Eさんを建築会社に紹介して・・紹介料〇〇万円。
完成後の管理業務の利益・・〇〇万円。
まあ・・こんな感じで・・、素人の地主さんは、
プロの色々な業者に食い物にされていきます・・。
(プロはグループを作って協力しあって・・)
私も・・かつて、大手住宅メーカーで土地活用営業を。 (^^ゞ
批判する・・だけでなく、んじゃあ・・どうしたらいいの?
〇固定資産税対策
かんたんです。こんなに規模を大きくしなくても、
半分の2,500万円程度で・・目的は達成できます。
土地も・・今回の提案のように大面積を使う
必要はありません。
〇建築工事費の妥当性
契約した会社は建築費が高め・・です。
もっと・・まともな単価でやれる業者3~5社で
見積もり提案競争をさせればいい・・だけです。
〇ローン
今の時期に変動金利の大型借金はありえません。
事業資金でも固定金利で借りられるところ有り。
(国民生活金融公庫)
〇相続税対策
「借金は相続税対策になる。」・・は、大いなるマチガイ!
5,000万円の借金をしたと同時に・・、
5,000万円分の相続資産が増えます。
どこが・・相続対策・・ですか?
スポット相談でしたので・・、相続資産全体がわからず、
こちらは・・アドバイスのしようがありません。
本格的に相続の相談を受ける場合は・・、
やはり・・顧問会員になってもらわないと・・。
「契約したけど・・やっぱりやめる。」・・という場合は、
違約金等の出費が想定されます。
武田FP
「契約書には・・違約金のこと、書かれていますか?」
Eさん
「そういうことは、書かれていませんでした。」
契約書の各ページを見せてもらいました。
・・発見、しました。
「工事請負金額の20%を・・。」
武田FP
「契約書はしっかり読まなきゃ・・だめですよ。」
5千万円の20%は、1千万円・・です。
ただし・・このパーセンテージは怪しい・・かも。
もっともっと・・少ない金額で済む・・と思います。
100万~200万円払っても、やめたほうが
生涯のトータルでは・・お得です。
武田FP
「この部分については、弁護士さんに相談してください。」
貸家やアパートやマイホーム・・、
どんな建築を考える場合でも、
最初から1社にしぼって検討すると、
ろくなことは・・ありません。
世の中には、たくさんの選択肢があります。
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