法然上人の思想の中で興味深いのは悪人成仏と二種回向です。
悪人成仏とは「悪人こそ救われる」という
親鸞聖人の悪人正機説である。
「この思想は(法然上人)の「選択集」にははっきりと
語られていない。しかし、そういう思想が法然に無かったとは
いえない」(下巻P364)と梅原氏は語っている。
古代インドで阿弥陀仏が信仰されるようになった背景には、
異民族の侵略があった。
つまり、異民族と戦えば仏教における殺生戒を破ることになる。
殺生戒を破ったものは地獄に落ち、長い間苦しめられる。
しかし、戦わなければ皆殺しにされる。
降りかかる火の粉をどうするか、というぎりぎりの選択を
迫られた時に信仰されたのが阿弥陀如来であった。
たとえ殺生戒を破ったものであっても、自らの罪を悔い改め
阿弥陀如来にすがるものならば、極楽浄土に
往生できると説いたのであった。
良い行いをすれば報われる。
悪い行いをすれば罰が当たる。因果応報ともいいます。
しかし、悪いことをしたら永遠に救われないか?という問いに
答えたのが浄土の教えであります。
毎日のように暗いニュースが報じられる今の時代にこそ、
必要とされる教えかもしれません。
明日は、二種回向の話をします。 素光
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