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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

Nobuyuki Ota

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2023.09.18
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カテゴリ:ファッション
ただでさえ暑い京都、炎天下屋外に設置されたプレゼン会場で「建築学生ワークショップ2023仁和寺」が開催されました。あまりの暑さにシャツを袖捲りしたら腕が日焼けして真っ赤になり、意識的に飲んだミネラルウォーターはボトル4本、なんとか熱中症にならず参加できました。


仁和寺の正門

宇多天皇が退位したのち門跡になったことから長く天皇家との結びつきが強く、寺院としては別格の仁和寺。こんな聖地のような場所で学生たちは合宿し、自分たちが創作したフォリーを境内に建てられる、普通に考えたら無理な話でしょう。が、建築学生ワークショップはこれまで伊勢神宮、出雲大社、明治神宮、延暦寺、東大寺、厳島神社などで開催してきたので仁和寺も支援してくださったようです。

正門をくぐってまず現れたのが多数の風船を浮かせたフォリー、風にそよいでまるで龍が暴れているようでユニークでした。


150個の風船を浮かせたタイトル「こゆるり」(第3位)

境内五重塔の前にセットしたフォリーは通行者が中を通過する際に踏む床が振動を与えて木と木がぶつかり木琴のような音が出る仕掛け。音を発するフォリー、発想自体は面白かった。こちらが2位の優秀賞です。


床を踏むと音が出るタイトル「さとる」(第2位)

そして、最優秀賞に選ばれたのは、中間発表時点で得点ゼロの最下位からの大逆転、見事です。ポリエステル綿を自分たちで絞りながら縄状にして木に巻きつけたフォリー、建築資材として綿の起用は新鮮。仁和寺固有の御室桜(背丈が低く、300年ほど長い寿命だそうです)が群生する場所の前に設置した点も講評者の皆さんに響いたようです。

ちなみに昨年の厳島神社で最優秀賞だったのは蝋で組み立てたフォリーでしたが、建築資材として当たり前のものではない点が2年連続評価されたと思います。


綿を使っタイトル「わ」が最優秀賞

仁和寺という開催地のことを調べてどういうタイトル(テーマ)をつけるのか、そのタイトルに相応しい場所は敷地内のどこなのか、どういう資材(費用の上限あり)を使って、組み合わせて、どんなデザインのフォリーを創作するのか、大学対抗ではなく無作為に編成されたチームで作業します。

コンセプトが決まったら小さな模型を作り、中間審査があり、専門家の先生方からもらったアドバイスをもとに変更箇所を議論し、現場で合宿してフォリーを組み立てます。多くのチームは現地入りしてから変更に変更を重ね、時間が足りずほぼ徹夜。発表時点ではもうぶっ倒れそうな状態。実際、最優秀賞のチームは6人のうち4人がステージに、2人は体調不良でダウンでした。


最優秀賞チームは6人でした

10組の参加学生、専門家として制作サポートした京都の建築関連企業の皆さん、そしてなによりこのイベントを主催運営したAAFの学生の皆さん、ご苦労様でした。例年のことながら皆さんの熱意には感動します。このワークショップを体験した若者の中から将来プリツカー賞を受賞するような世界的建築家が出てきて欲しいです。

講評者は自分が選ぶ3チームにのみ加点(私は50点、30点、20点としました)、その合計点で順位が決まる仕組みですが、私が選んだ3チームは1つも表彰されませんでした。建築のプロの方々とは審査の視点が違うからでしょうね。某大学教授も点数つけたチームは全部外れたと聞いてちょっと安心しました。

最後の全体講評で建築の専門家数人がおっしゃっていましたが、表彰されなかった7チームと受賞3チームとの差はほとんどありません。大切なのは、チーム編成されてからプレゼンまでどれだけ濃密な時間を過ごしたか、そしてこの経験を将来に繋げることでしょう。

以下に他の7チームのフォリーをアップします。皆さんならどれをイチオシにしますか。















建築学生ワークショップは主催者AAF(NPO法人アートアンドアーキテクトフェスタ)の運営も学生さんたち、フォリー創作も学生さん、それを建築家の平沼孝啓さんや全国の大学の先生方らが背後でバックアップし、フォリー設置は専門家が各チーム数人協力しています。来年は今年同様京都のお寺さん、醍醐寺開催です。来年は涼しいといいんですが。


多数の関係者がフォリーを見て回るイベント(五重塔の前)





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Last updated  2023.09.23 11:23:37
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