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2018年09月16日
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カテゴリ:漫画・アニメ

   『 イロメン  ー 十人十色 ー 』 田村由美 (2014年~)

 

 

 

電子書籍にて、既刊3巻読了。

 

 

名字に含まれる色(赤木、青木、緑川など)にこだわり、互いに張り合うサラリーマンのやりとりを描くコメディ。

 

 田村由美さんの笑いのセンスは、​『7 SEEDS』​ や ​『猫mix幻奇譚とらじ』​ などの長編ストーリー作品でも常々認めるところだったが、この『イロメン』は、そのコメディ要素ばかりを詰め込んだ、ショート漫画だ。

 

 

ほぼ、「色にまつわる」ネタに限られることから、続けて読むと多少飽きてくるところは否めないが、私的には、元ネタの世代的にも、テンポや表現方法など 笑いのツボにも “ストライク” で、少なくとも1巻は、かなり笑えた(2巻以降は雑学ネタが増え、笑いの面では少しパワーダウンする)。

 

 

戦隊ヒーローものや古い漫画など「一切見たことがない」という人以外、誰でもある程度は笑えるに違いない…と、私は思ったのだが、Amazonのレビューには、意外に低評価のものが見られる。

 

賛否両論、「手放しに爆笑できる人」と、「全く笑えない人」に二分されるようだ。

 

「笑いのツボ」と「泣きのツボ」に関しては、本当に人それぞれなんだな、と改めて痛感した。ギャグ漫画だけは、全巻オトナ買いはしない方が良い。

 

私自身、​『荒川アンダーザブリッジ』 ​や ​『となりの関くん』​ など、アニメ化までされた人気作品でも余り笑えないものがあったし、同じ作者(東村アキコ)でも ​『海月姫』​ は笑えるけど、​『主に泣いてます』​ は殆ど笑えない、というケースもあったので、こればかりは低評価をつける人を責められない。

 

 

そうは言っても、何故ここまで評価が割れるのか、純粋に理由は気になる。

 

この作品に限らず、評価が極端に割れる作品の低評価レビューは、「高評価につられて買ったけど損した」という怒りに任せて書きこむ人が多いように見受けるので、好・不評の比率や “主張の強さ” が、必ずしも潜在数に比例するとは思ってないが…。

 

 

1巻で頻出するネタが、戦隊ヒーローなど、どちらかと言うと男性オタク向けの内容であるにも関わらず、掲載誌や絵柄がモロに少女漫画というミスマッチのせいで読む気にもならない、というなら分からなくもないのだが、「田村さんの他の作品は好きだけど」とか「元ネタは全て分かるけど」と断りながら、それでも「全く笑えない」人がいるとは、ちょっと意外だった。

 

「ネタどうこう以前に、ノリやテンポが肌に合わない」という人は別にして、やはり世の中、オタクと非オタクの感性の溝は深いのかな、と思う。

 

幼少期に漫画やアニメや特撮ヒーローものを観ても、その場かぎりで忘れ果て、思い入れを全く持てない人は一定数(もしかしたら、大多数?)いて、そういう人にとっては、「ゴレンジャー」の色別の特徴など、心底、どうでも良いのかもしれない。

 

 

とはいっても、「下の名前なら愛着持つのも分かるが、名字の色に何でそんなに執着するのか疑問」というレビュアーは、さすがに、ズレすぎてて唖然とした。

 

いや、それを言ったらおしまい…つうか、殆どのギャグ、パロディーが成り立たないのではないか。そのコメント自体、ギャグで言ってんのかと再三読み返したが、どうやら大真面目のようだ。

 

…ちなみに、敢えて、このレビューにマジレスすると、「名字よりも下の名前に愛着を持つのが普通」という考え自体が浅慮だし、そもそも、日本では社会人になれば名字で呼び合う方が一般的で、本人の愛着の有無などお構い無く、下の名前を他人に言ったり聞かれたりすることすら、激減する(マジレスおわり)。

 

 

19712年放送の 『天才バカボン』第1シリーズで、「父親が働かずに生活してるのはおかしい」というスポンサーからのクレームで、無理矢理 パパに植木屋という職を与えたという有名な話があるが、このレビューは、それを遥かに凌ぐ 野暮さ加減だ。

 

『ぷりぷり県』(吉田戦車)読んで「何故、県民性にこだわるのか?」だの、『ぼのぼの』 (いがらしみきお)読んで「海のラッコが 森のリスやアライグマと交流するか?」だの、それを “本気で” 疑問に思っちゃう人は、そもそも、お笑い鑑賞には向いてない。

 

 

こういう人は、他人の趣味やこだわり全てに、いちいちケチをつけそうで、「こだわりが身上」のオタク気質の人間とは永遠に分かり合えないのではないか。

 

 

ともかく、評価が両極に割れる作品については、星の数だけで判断すべきではないな、と改めて思った。

 

面白さを感じるツボが人それぞれということもあるが、低評価レビューの中には、内容をよく読まずに作者や販売方法への不満をぶつけている場合もあるし、逆に、高評価レビューも、感想が具体性に欠ける場合は、「サクラ」の可能性もありそうだ。

 

特にBLや少女漫画など、ただですらレビュー数の少ないジャンルの作品は、一つのレビューが総合評価にモロに直結するので、内容以外のことで評価を下げるのは、本当に罪作りなことだと思う。

 

 

なんだか、大半「Amazonレビュー」のレビューみたいになってしまったが、正直なところ、自分の感性に自信が無くなってしまったので、「読む人を選ぶ作品だから、試し読みしてからどうぞ」としか言いようがない

 

 

 

<関連日記>

田村由美 『 BASARA 』…… キャラクターの魅力が長編漫画の命

 

田村由美 『 7 SEEDS 』…… 登場人物すべてが愛おしい

 

東村アキコ 『 海月姫 』…… 全編 「漫才」 の恋愛漫画

 

森繁拓真 『 となりの関くん 』…… 姉弟で同じ道を選んだら 比較されるのも仕方ないよね

 

東村アキコ 『 主に泣いてます 』…… キャラクターに魅力がないと ギャグも冴えない

 

中村光 『 荒川アンダー ザ ブリッジ 』…… 着想が良くてもシナリオが悪いと笑えない

 

久保保久 『 よんでますよ、アザゼルさん。 』…… 別に 「下ネタ 好き」 なわけではありません

 

島本和彦 『 アオイホノオ 』…… オタク気質の人には共感できるはず

 

佐倉準 『 湯神くんには友達がいない 』…… 揺るがぬ 「唯我独尊」

 

田村由美 『 猫mix幻奇譚とらじ 』 ・・・ 「猫の愛らしさ」だけでない 子育て世代に読んでほしい冒険ファンタジー






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最終更新日  2018年09月18日 23時53分46秒
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