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2005年04月27日
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大くんのふたつの遺品を紹介します。
ひとつめは交通事故をおこしたあと、札幌の大くんの部屋を引き払うためにご両親が行ったときに引き出しに残されていた大君から父親へあてた手紙です。

出そうと思ったのに、出せなかったようです。こんな形で父親が読むなんて、、、、、。


拝啓 お父さん

こんにちは、お父さん。突然の手紙で驚いていると思う。実は俺も驚いてるんだ。お父さんに手紙を書こうなんて思ったことを。

でも、他に方法がおもいつかなかったんだ。本当なら、正月に帰ったときに話すべきだったんだけど、おれの勇気が足りないばかりに話せなかった。

だから、手紙に書くことで教えたかったんだ。俺の夢や目標ってやつを。お父さんも知ってると思うけど、俺は今の短大を卒業したらフィンランドに行きたいと思っている。

それは、フィンランドのラリースクールに入学して、プロのラリードライバーになるためなんだ。まるで子供みたいな夢でしょ?でも、俺は本気でなりたいと思っているんだ。

 最初から書いたほうがいいかな?俺がそう思うようにになったいきさつをね。

 一番最初は、笑っちゃうような話なんだけど、ひとつのアニメを見たときなんだ。「イニシャルD」っていうんだけど、お父さん見たことあるかな?峠道をクルマで競争する走りやたちの物語なんだけど、はじめてテレビで見たとき、俺すごいショックを受けたんだ。クルマが横を向いて、とんでもないスピードで走ってる。しかも、速さを競い合ってる。

 そのときまで、クルマで競争するといえば、F1とかサーキットでやるレースしかしらなくってさ、ローリング族ってのも暴走族の一種だと思ってたんだ。

 でも違った。純粋に速さを競ってる。あとて知った事なんだけど、現実もそうだったんだ。学校の先輩でも早くなることを目標に走ってた人がいるんだ。その人は、自分の車をつぶしちゃって、今は走ってないんだけど。

 話を戻すね。そのアニメを見て俺は衝撃を受けて、それで今の学校に行きたいと思ったんだ。車のことをもっと知りたいってね。雑誌を読みまくって、ドリフトって言う遊びから生まれた競技があることも知ったんだ。

それで「ドリフトやりたいナー」って思って、ゆくゆくは大会で優勝したいって考えてた。でも、そのときはまだ本気じゃなかった。走りたいとは思ってたけど、それは仕事をしながら趣味で走るくらいしかかんがえてなくて、走りそのものの先は見てなかった。

つまり目標だね。ドリフトの大会で優勝したいとはかんがえてたけど、それくらいしか考えてなかったんだ。

でも、大学に行くのを一年遅らせて、塾で勉強することを選んで半年くらいたったころ、ラリーって競技があることを知ったんだ。でも、パリ・ダカとかのラリーじゃない。一般の公道や林道をタイムアタック形式で速さを競うほうのラリーをね。

 ちょっと興味がわいて、いろいろ調べてみたら、すごく魅力的だった。俺はその瞬間「これだ!」って思ったよ。これが俺の生きる道、俺の目標だってね。

またちょうどそのとき、中村天風ってひとの哲学に触れたんだ。塾の先生から貸してもらった本だったんだけど、ここでも衝撃を受けた。くわしく説明すると長くなるし、おれがまだ完全にその哲学を理解できていないから説明はしないけど、とにかくその本を読んで、俺は「人生って、俺の思い通りに生きられるものなんだ!」ってことに気づいたわけ。

そこからだったんだ、俺がラリーでプロになりたいって思うようになったのは。

この時点で俺はクルマの世界で生きるって決めてたわけだし、どうせなら目標は高く持ちたかったから、F1とならぶ世界選手権のWRC、つまり世界ラリー選手権で優勝したいって思うようになったんだ。

これには、俺が登校拒否児で、一度レールから踏み外した身だったからってのもあったと思う。世間の常識って奴は知らないし、まわりと一緒じゃなきゃ不安だって感覚も薄かったからね。

それどころか、「どうせレールからはずれた身なんだから、とことんまではずれきってやる」なんて、思いが止まるどころか加速するようなことを考えちゃったりもしたし。

そのままの勢いで今の学校に入学して、奨学金でクルマも持てた。でも、クルマを持った当初は、まだ本気になれてなかった。プロのラリーストになりたいとは思ってたけど、それは憧れ程度のものだったんだ。だから、そんなに走る事もなかった。

車が故障だらけで、普通に走るのも難しいってこともあったんだけど、やっぱりはしらなかったってことは、本気じゃないってことの表れだからね。
 
それが変わったのは、11月の下旬だったか12月の上旬だったか、お父さんからの電話がきっかけになったんだ。そのとき、お父さんは「今の学校を出たらすぐに就職しなくてもいい、行きたいならまた学校に行ってもいい」って言ったんだ。

ちょっと近況報告みたくなっちゃったね。お父さんとしては俺の近況も知りたいところだろうけど、先に夢の話を済ませちゃうから、もう少し我慢してね。

で、お父さんからの電話があったあと、いろいろ考えたんだ。どうやったら、子供のころからクルマの英才教育を受けてきた奴らを凌駕できるかとか、俺が走りで表現したいものはなにか、とかね。

テクニックに関しては、突拍子もないことを思いついたよ。でも、まだ教えない。本当に突拍子もないことだけに、ちゃんと身についてから言いたいんだ。だから、もうちょっと待ってね。

走りで表現したいこと、それはひとつしかなかった。俺みたいに情けない生き方をしてた人間でも、夢や目標のためにいきるようになったらこんなに変われた、ってことを教えたいんだ。

言い換えれば、夢や目標を目指すことの楽しさとか幸福感とかを教えたいんだ。で、俺の姿を見てひとりでも多くの人が、夢や目標を本気で応用になれば、それが最高なんだ。

これが俺の人生の目標だよ。俺が、人生で体現したいことはこれなんだ。

俺には天啓だった。周りに流されて就職するってことしか考えられなくなってたのに、お父さんの一言で思い出したんだ。俺はなんのためにこの学校に来たのかってことをね。

俺はこの学校に、クルマに関しての知識と技術を学びに来たんであって、就職するために来たわけじゃなかったんだ。それを思い出したとき、恐くなった。あれほど夢に燃えてたのに、いつの間にか流されてたってことが。
 
ありがとう。本当に危なかったよ。お父さんからの電話がなかったら、俺は今も就職のことしか考えてなかった。夢を夢のままで終わらせるところだった。

夢を思い出してから、俺は毎晩は知るようになった。特別な用事がない限り、本当に毎日走ってる。おかげで、二日でガソリンを3000円分も使うようになったけどね(笑)。」まあ、俺のクルマの燃費が悪いってのもあるんだけど。なんせ、待ち乗りでもリッター10キロなんて絶対にいかないからね。

本当はもっと走りたいけど、さすがにお金が続かないから、今のところはこのペースで抑えてるよ。

 俺の姿をたくさんの人に見てもらうために、俺の言葉が説得力を持たせるためには、メジャーの世界で有名になるしかない。というより、俺のやりたい車の世界から発進する方法を、それしか思いつかないんだ。

 だから、その夢の第一歩として、WRCの本場のヨーロッパ、中でもラリーに一番力を入れてるフィンランドのラリースクールに行きたいんだ。

 そのラリースクールに関してはまだ何も知らないけど、これから情報を集めるよ。幸いな事に、札幌にはフィンランドの有効団体があるし、そこに聞けばなにかわかるかもしれない。いざとなれば、フィンランド大使館に聞くって手もあるしね。

おれはやるよ、絶対に。

俺の夢の話はこんなところかな。近況報告としては、15日から学校が始まってるよ。元気に過ごしてるから安心してね。あと、自治会会長とてはじめての大仕事、卒業パーティーの準備活動もしている。今のところ順調だね。

最後に、この手紙を家じゃなくて、会社のほうに送ったのは、家族の中でお父さんだけにはちゃんと知っておいてもらいたかったからなんだ。お父さんなら、一人の男が夢を追うってことの重要さや大切さってのを知ってると思ったから。

とにかく、俺は俺の夢に向かって進むよ。どんな壁がたちはだかろうとも、俺は突破してみせる。だから、お父さんも応援してくれるといいな。
それじゃ、このへんで終わりにするよ。また今度ね。

             2001年1月16日飯村大






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最終更新日  2005年04月27日 00時36分38秒
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