社会復帰後

風俗の面接に行った。
マネージャーにまず最初に聞かれたのは風俗をする理由。

まさか「ザインの世界戦略の資金調達（商品の支払い）の為で～す。」なんて言えません。
「えと…、借金です。」
マネ「いくらぐらい？」
「多分、300万ぐらいです。」
マネ「そう。それ、返さないといけない借金？」
「は？ はい。」
マネ「…。まあいいや。うち、マナーと身なり厳しいから そういうつもりでね。じゃあ あさってからよろしく。」

私はサラ金とか信販は利用していなかった。幸いザインの自社ローンだけだった。
「それ、返さないといけない借金なの？」

私はこの台詞を、この後何回も聞く事になります。

同じ頃 ザインからのDMの中に「総額100万円以上のザインローンを組んでいるお客様はカードでの支払いにして下さい。」と書かれた紙も一緒に入れられていた。
貸金法違反に触れる恐れのある自社ローンより 確実にお金が入るカード払いの方がそりゃいいでしょう。
ひょっとしたら、ザインローンだと踏み倒す人も多いんでしょう。


さて、風俗嬢になったブルーホールでございます。
初めての世界に大いに戸惑い この仕事の大変さを思い知る事となります。

楽して儲けているイメージがあると思いますが、大間違いです。「究極の肉体労働」と言っても過言ではないと思う。
接客内容は説明しないが女性にとって屈辱的なことですよね。大概の女性は好きな人としかしない事を知らない人としなきゃならないというだけで 精神的にも苦痛がある。
色々な客がいる。
夏はエアコンが効きすぎている部屋で客がくる度 シャワーを浴びるから 体力が早く消耗した。
喉に性病をウツされたりもした。
この店のしつけが厳しくて更に神経を消耗させた。
週６日、毎日12時間ぐらい出勤していたのでフラフラだった。
すぐに不眠症になった。まともな判断能力も無くなっていった。

連日のようにＴから営業電話があった。風俗をしているから搾り取れると読んでいたのでしょう。

「ど～も～☆ た〇〇ま どぇ～す♪」
私は後ろめたい事をしているという意識になっていたので、弱みを握っているＴから勧められるモノは渋々買っていた。
Ｔ「どう？お仕事は～☆えー！！そ そんなに儲かるの～♪♪
じゃあさ、じゃあさ、コレも買っちゃいましょ～！！
何～？ だーい丈夫だってえ～♪
アンタそんだけ稼いでんだから～♪
じゃっ ご注文承りました～♪」ガチャッ。

私は月平均80万ぐらい稼いでいたが支払額が多すぎて、生活は風俗する前と変わらなかった。贅沢する事なんか考えなかった。 こんなに買わされては、返せど返せど 減らないではないか。冗談じゃない。

仕事は割り切ってやっていたが限界が来た。
頭の糸が切れる瞬間て 分かるんですね。張り詰めた糸が本当に切れた。
接客中に涙が出た。ボロボロボロボロ 止まらなくなった。何故か解らないが涙が止まらない。
もう止まらない。
客は怒り、マネージャーが飛んできた。その後 マネージャーの膝に突っ伏して三時間泣き通した。
でも 次の日 ちゃんと出勤した。毎日支払いだからね。

もう「私」じゃなくなった。

この日から完璧な風俗嬢になってしまったように思う。

↑表現は変だが こうとしか表現しようがないのです。