テーマ:暮らしを楽しむ(383673)
カテゴリ:世界文化遺産
熊野古道-小辺路・那智・伊勢路 回想録(その9)_story(3540)2014.8.27
力士の育盛(育ちざかり)が痩せて63kgになってしまった。やせ我慢では済まされない。体当たりで吹っ飛びでもすれば危険でもある。もっと太れ! 世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」体験記。日本一面積の広い村、十津川村の西の端にある崖又山を源流とする西川が「大谷」という名の渓流を合流させ濁流は十津川温泉で十津川(和歌山県では熊野川)に注ぐ。この川沿いを国道425号線が走る。 さて、西中からR425を進む。平坦な道は距離が稼げて楽である。玉垣内(たまがいと)に差し掛かった。赤い橋が景色を背景に実に印象的。実はこの景色に小学校の校舎が見えていたのだが、気付いた時には通り過ぎていた。テント場としては学校のグランドが最適なのである。住民には迷惑を掛けないし静かだし。 ここを過ぎれば、次なる小学校は重里にある。あと1kmと迫ったあたりから交通が怪しくなってきた。通り過ぎたばかりのバスが引き返してくる。「通行止め」という真新しい看板が国道に立てかけてある。嘘のような光景。信じられない。車は行き来している。 重里には郵便局もあり、まとまった集落がある。その手前で、「通行止め」の柵があった。本当に通行止めである。行き来していたと思った車輛は地元の車であった。万事窮すと思いながらおっかなびっくりで道を進む。自動車が通らなくなると道路に小枝などの落下物がそのままとなり、荒れた風情。なおも進むと、本当に道が崩落しており、重機がポツンと置いてある。 作業小屋も真新しい。なおも進むと、土石流が国道を押し流したようで、まだ日が浅く工事が始まっていない代わりに、飛び石伝いには対岸に渡れそうな感じ。人の踏み跡もある。大きな足跡は、ドイツ人のものである。山でさんざんこの足跡を見てきたのである。船渡橋で外国人カップルと会った時にやっと謎が解けたのだ。 その足跡があるので、おそらく彼らも対岸に渡り十津川温泉へと向かったのに相違ない。対岸の空いたスペースを今夜のテント場と定めテントを張っていたら、作業の人が話しかけてきた。大きなダムは3年前の大水害のとき、同じように国道が決壊したので谷筋にダムを建設したという。しかし3日前の台風11号の雨で、再度土石流が発生し3時間でダムを埋め、そのダムを越えて土石流が押し寄せ国道を破壊したのだ。このダムの工事のときに、水抜きの措置を取るように再三申し立てたが県は動かなかったとひどく残念がっていた。別の作業員が来て、小型ヘリを飛ばしながら上流部分を撮影して行ったと言うと、それはコンサルだという。建設会社に進言する役割を担っており、かれらが設計を左右するのだと。「”想定外”の雨でした」と弁明すれば済む職業であるとも。 工事の本質は、現場をよく知る地元の土木作業員なのに、意見が全く通らないと憤慨していた。食事をしていたら、さらに地元の古老が寄ってきた。野菜を持ったりして崩壊現場を行き来している人であった。これから雨が降るのでここは危険かもしれない。小学校へやはり行けという。今日は誰もいない筈であると。しかし許可取らなくてはならないのでは? と畳み掛けると、困ったと言う風に。じゃ公民館があるのでそいの広場にテントを張ればよいと教えてくれる。食後テントを畳み、移動を開始。 公民館に行くとコンクリの敷地。目の前は駐在所。恐れ入った。はやり最初の目標をと、小学校に分け入る。 午後10頃から激しい雨。テントの中まで雨が降ってくる。オーバーシートを持ってこなかったのが敗因(重量の制約から家に置いてきたのだ)。至急屋根のある廊下にテントを引きずっていく。そこで就寝。大変な1日であった。 十津川村・重里の崩壊現場 スケッチ 1億円を掛けた砂防ダム。 3時間で埋まり、その上から土石流が流れてきたという。 山の上からすでに傾斜が出来てしまったので砂防ダムを掘りかえすことは無いのだと言う。 さらに上流にダムを作り、国道を橋にするなどの方策か。 工事が本格したら、小辺路(こへち)の巡礼者は通れないことになる。 大回りで十津川温泉へ行かざるを得なくなる。 徒然の記1 実際の日程太字が本blogの記述部分。過去の行程は昨日以前のblog参照。 →・・徒歩 -km- 区間距離表示 8月13日(水)3日目 伯母子峠(1215m)山小屋→三田谷橋→三浦バス停→神納川(345m)→五百瀬(いもせ 350m)→三浦峠(1065m 15km)→新道-11km-西中バス停→重里・西川第一小学校(テント泊 28.8km) 8月14日(木)4日目 重里・西川第一小学校(テント)→大津越→昴の郷(150m)→十津川温泉→平谷-(143m 公衆浴場 郵便局で荷物の送受)→櫟砂古(いちざこ)→果無村落→観音堂前の避難小屋(14km) 8月15日(金)5日目 観音堂前の避難小屋-1.1km-果無峠(1050m)→八木尾(83m)→九鬼→三軒茶屋跡(210m)→熊野本宮大社(90m)→本宮郵便局(荷物の送受)→渡瀬温泉→下湯川温泉→湯の峰温泉(公衆浴場)→廃校(旧四村川小学校)でキャンプ(21.6km) 8月16日(土)6日目 廃校(旧四村川小学校)-(バス)-新宮-(JR)-那智-那智海岸水泳-(バス)-大門坂→滝一周コースは崩落で断念→那智滝(3H 3.4km)-(車)-熊野 8月17日(日)7日目 熊野・・・・熊野大花火 8月18日(月)8日目 熊野→松本峠道→鬼ヶ城→大泊海水浴場→大吹峠道→波田須(9.5km)-(JR)-松坂 青空ライナー21:40 8月19日(火)9日目 シーティーエアターミナル YCAT 5:20着 持参地図:2万5千分の一地図・・高野山、梁瀬、上垣内(かみがいと)、伯母子岳、重里、十津川温泉、発心門、伏拝(ふしおがみ)、本宮、紀伊大野、新宮、紀伊勝浦 計12枚 イラストmap A4版11枚 徒然の記2 寒い! 3日ほど前までの酷暑はどこに行った?今日は9月下旬から10月初旬の寒さ。21°しかない。快適な筈の気温であるが、35°近辺でうだっていた日から急激な冷え込みで身体がついていかず、非常に寒く感じるのだ。 寒い話が多すぎる・・STAP細胞が検出できないという。 広島の土石流災害の現場では新築アパートが流された。そこに居た新婚の湯浅康弘さん(29)と妻のみなみさん(28)。 27日に湯浅さんの死亡が確認されたという。生きていてくれればどれだけ現場に明るいニュースとなったことか。祈っていたのに。悲しくて悲しくて涙もでない。残念。 Picture1(sketch-direction 220° pm4:36 Sketch point:Tamagaito,Totsukawa Vill.,Nara Pref.,JapanGPS 33.971128,135.737947(°)(33°58'16.06" N,135°44'16.61" E)標高218m Picture2(sketch-direction 135°pm4:52 Sketch point:Shigesato,Mudflow,Totsukawa Vill.,Nara Pref.,JapanGPS 33.966336,135.739283(°)(33°57'58.81" N,135°44'21.42" E)標高230m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 27, 2014 09:42:39 PM
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