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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2004/10/30
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カテゴリ:カテゴリ未分類

心なしか瞼がはれぼったい。
久し振りに長い夢を見たのだが、目が覚めてもその記憶が鮮やかに残っている。
切なく、もどかしい夢だった。
なぜまた彼の夢を見たのだろうと、我が身を振り返る。

結婚して7年。ふたりの可愛い娘にも恵まれ、夫にも満足しているし、幸せな家庭を築けていると思っている。
しかも夫のことは、前世からやり残した使命を全うするために、今生でも一緒になるよう配剤されたソウルメイトであると思っている。
それでもなお、大学時代に憧れ、憧れ続け、あまりに強いその憧れのために、なにひとつアプローチのできなかった彼のことをいまだに時々夢に見るのだ。

夢の筋はすべては明かせない。当時、彼との間になにひとつ恋愛関係が成立しなかったと同様、夢の中の私たちもすれ違いばかりである。
私は恋い焦がれながら、それを露ほども気取られまいと、彼の前から逃げてばかりいる。
それは、私が自らに禁じた恋なのだ。
すれ違いが続いた挙句、唯一話し合えたチャンスを私はふいにしてしまった。
私の口から出てきたのは、まるでどこかのテレビドラマから引用したような、心にもない言葉だった。
自尊心と気負い。自分の素直な心情をいっこうに吐露できない守りの堅さ。
私は、夢の中でも心の扉に鍵を掛けていた。

なぜ、こんな夢を見たのだろうと、再び振り返ってみる。

昨夜は子供たちを寝かしつけると、眠気に負けて一緒に眠り込んでしまったらしい。
午前2時になってふと目が覚め、PCを開けてみた。
気になったのは、イラクで拘束された香田さんの消息と、この事件をめぐる多くの人たちの反応だった。この時点で、香田さんと見られる遺体が発見されたというニュースを読んで、悲しくまた複雑な思いに囚われた。

私には、なによりご両親のことが可哀相でたまらない。ネットでは、ご両親の表情までは伝わってこないが、一生懸命に息子のことを心配し、かばうご両親の発言を読むと、ひとりの親として自分だったらどう振舞い、どう発言するだろうかと自問自答せずにいられない。
親以外に、彼のことを擁護し、応援してやれる人があるだろうか。彼が思慮のない、無謀な行動をとったとどんなに世間から非難されようとも、親だけは子供を信じ、子供の生命が助かることを祈る。それが親として自然な姿であろうと私は思う。子供がいくつになろうと、親にとっては「我が子」であることに変わりなく、親にとって「我が子」の生命が失われることほどに辛いものはないのだから。

もし私がテレビカメラの前で何がしかの発言を求められたら、ただ「生きて帰ってくることを祈ります」としか口にできないだろう。
いや、ここはごく「日本的」に、「日本全国の皆さまにご迷惑をお掛けしております」とひと言お詫びを言わなければ、日本中から抗議の矢が飛んでくるのかもしれない。
それなら一切テレビ取材は断り、沈黙を守ることしか私にはできない。

また、私が香田さんだったら、何を言っていただろうか。やっぱり真っ先に浮かぶのは両親の顔だ。
「お父さん、お母さん。危険を冒してこんな場所に来たことを許してください」
「生きて戻れない親不孝を許してください」
そんなことくらいしか、思い浮かばない。
生きるか死ぬかの背後際で、自衛隊も小泉首相も関係ない。あれは言わされた言葉であって、彼自身言いたいことは他にもあったにちがいない。
切羽詰った状況で、自他共に満足できる言葉を口にできる人はそうそうはいやしないと思う。
私だったら、生の最後に瞬間に、何を考え、どんな言葉を口にするだろうか。

そんなことあんなことを考えたせいで、しばらく眠ることができなかった。
そして目覚め前に見た、あの長い夢。

あれは、「後悔しない言葉」をめぐる暗示だったのか。
それとも「後悔しない人生」の暗示だったのか。






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最終更新日  2004/10/31 02:23:19 PM


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